ディナーと父母
「王城のフルコースうめー!!」
「わかったから落ち着いて食うんじゃ、ベルゼよ……」
デートを終えた俺達は今、王城で王族達とディナーを食べていた。
どれもこれも、日本で食べていたものより美味しくて安心した。
転生ものって食事のレベルが分かれるからなー……
「あらあら、いいじゃありませんか。せっかくのご客人ですよ? たのしんでいただかなくては。しかもこんなに可愛い子達なのですよ? 立場さえなければ孫にしたいところですわ!」
「うっ、うむ……レイラがそう言うならまあ……」
じいさん、レイラさんにたじたじだなっ!
「とっても美味しいっすよ、レイラさん! なあ!」
「うん~!」
「そうだな!」
「美味しいですよ」
「何でレイラはさん付けなんじゃ……」
「当たり前だろ、じいさん俺のこと顔面兵器とか言うじゃん!!」
「そっ、それは意味が……」
「まあひどい! こんなに可愛い顔をしてるのに? 大丈夫ですよ、ベルゼ君。きっとレンフォードは目が腐ってるのよ」
「れっ、レイラ……それはわしもへこむぞ」
そんな風に和気あいあいと食事をし、もうすぐ食べ終わるといった頃に我が家の爆弾様が特大の爆弾を落とした。
「ところでさ~、レインとノエルのお父さんとお母さんはどこにいるの~?」
「おいっ!」
さすがに今のはまずい……
俺は急いでジュエルの口をふさぎにかかるが遅かった。
ガシャン!!
「私達を捨てて、のこのこと別国で生きてるあんな人達の話なんかしないで!! お祖父様、お婆様お先に失礼します!」 バタン!
レインはそれだけ告げると乱暴に席を立ち去っていってしまった。
あちゃー……やっぱり触れたらいけない話だったか。
「ジュエルちゃん、その話は聞かなかったことにしてくれない? 息子達は……」
「すまんな、その話はしてはならんのじゃ……」
「ジュエル! じいさん達にあやま「でもさ~、何も解決してないんでしょ~」えっ?」
「あの子はマスターを狙ってるみたいだし助けたくないけどさ~。両親が生きてるなら仲良くしてほしいんだ~……私みたいにもう一生会えない人もいるんだし……」
「それは……」
ジュエル……
何でもないように話してたけどやっぱり両親のこと……
「まあ妹は私が慰めてみるさ! お祖父様、お婆様、このノエルにお任せを。「ちょっ、まてまて! うちのジュエルが迷惑かけたんだ、そこは俺が!」ベルゼ君は留学の件、聞かなくていいのかい?」
「それとこれとは……」
「大丈夫! 妹の……レインの機嫌は治してみせるからさ。それでは失礼します。」 バタン!
俺は少し悲しそうに見えるノエルが気になったが、自分が首を突っ込むことではないだろうと思い直し、じいさん達に話かけた。
「とっ、ところで留学の件はどうなったんだ?」
じいさんもほおけた顔をしていたが、ぎこちなく返事をする。
「あっ、ああ。そ、それなら条件付きじゃが承諾がおりたぞ。まず、お前達のうち通ってよいのはベルゼだけじゃ」
「ええ~!」
「そっそんな!!」
「私達は何をすればいいのです?」
「どうにかできないか?」
「すまんが無理じゃ……学園は本来王族であってもうかつに手が出せない場所での、一種の国のようなものなんじゃよ。実際学園の周りは学園都市と呼ばれこの王都並みの広さを誇る。一人ねじ込むだけで精一杯じゃ。なので学生になれるのはベルゼ一人だけじゃ」
「それじゃあ、私達はどうすればいいのです?」
そうだ、アスタロト達はどうするのだろう? 一緒に行かないなんて選択肢、俺にはないぞ!
「そこは安心せい。言うたじゃろ? 学生になれるのは、とな。お主らはお付きのものとして行くといい。一人二人まで一緒につれていけることになっておる。家もすでに向こうに買っておるしな」
なるほどそれなら……ん?
「一緒につれていけるのは二人までなんだろ? 一人いけないじゃん!」
「大丈夫じゃ、一人はレインのお付きとして行けばよい」
「なるほど、ん? ……ってことはレインとも一緒に暮らすのか?」
「ああ、そうじゃ。だがの……レインが可愛いからと言って決して襲うなよ? 襲いでもしたらこの国の全勢力をあげて「あら、いいじゃない。大事に育てられていた私を家にあげた途端、問答無用に襲ってきたのは誰だったかしら~?」何でもないです、学園生活を楽しむのじゃぞ!」
じいさん、あんた……
「まあそういうことだからいつでも襲ってあげてね?」
「マースーター? わかってるよね?」
「主、やるなよ?」
「あらあら、私はベルゼ様のご意志を優先いたしますわ」
これ、どう答えりゃいいんだよ……
そんな風に俺が悩んでいても、時は過ぎていくわけで……
「ああ、おいしかったわ! やっぱり可愛い子達と食べるご飯は最高ね。そろそろお風呂に入ってきたらどうかしら」
「「「いえ、私達はさっきいただきました(わ)(~)」」」
お前ら声揃いすぎだよ、すごいな! てかいつの間に……
「んじゃ、俺いただきます。何処ですか?」
「ふふふ、あなた達の部屋を右にいったつきあたりよ」
「! おいレイラ、そこは今ノエル専グハッ……」
「ごめんなさいねー? 手が滑っちゃって! あらっ? レンフォードが寝ちゃったわ、ベッドに運ばないと。ではお風呂の場所は伝えたわ、じゃあねぇ~」バタン!
行ってしまった……てか絶対じいさんなんか言おうとしてたよな?
普通、手が滑ってみぞおちにヒットするか?
色々な疑問が浮かんだが、デートで疲れていたのですぐに部屋に帰り、風呂に入る用意をして部屋を出る。
どんな風呂かな~、楽しみだ!
「お~!! 立派な露天風呂! 独り占めだー!」
ポチャン!
「ん? そこに誰かいるのかい?」
この声はノエルか?
そうだ! どうせならスライム体になって驚かしてやろう!
俺はノエルの声が聞こえた方に向かい狙いを定め……ジャンプ!
よっしゃヒット!
むにょん!
「キャッ!」
えっ? むにょん? キャッ? ……なんか嫌な予感がする。
「のっ、ノエル?」
急いで人化し、振り向くとそこには2つの山脈が……
そういやばあちゃんが昔メロン送ってきてくれたっけ……うまかったな~
「スライムが人に?! って……べっ、ベルゼ君?!」
「おおぅ、greatカップっすね……こんちわ、ノエルさん!」
「いっ……いやぁー!!!! 変態ーー!!!!!!」
バチーン!!
グハッ!
……さすが騎士団長、いい拳もってるぜ……
「あっ、ごめん! ベルゼ君しっかりして! あれ、起きない……ちょっ、起きてよベルゼくーん!!!!」
おまけ
若き日のレンフォード&レイラ1
「レイラ! 俺と結婚してくれ!」
「えー、しつこいわね! これで10回目よ?」
私こと、アルスラ=レイラは今、幼馴染のロイド=レンフォードの10回目の告白を受けていた。学園に入って1年しないうちにこれだからまいる……
実は私だってレンフォードのことを好きなのだ。
レンフォードは、かっこよくて頭も良く、運動も魔法もできてさらには公爵家の出であるという、まさに絵に描いたような完璧超人。
そんな人が私だけを愛してくれている、普通なら絶対喜んで告白を受け入れるだろう。
私だって本当は受け入れたい。
だけどなぜだろうか、こいつの前だと素直になれないのだ。
「いーやーよ!」
「また駄目だったか……わかった! 君に認められるようもっともっと頑張るよ!(ニコッ!)」
何その笑顔! かっこよすぎよ!
「まっ、まあせいぜい頑張りなさい、無駄だと思うけど。じゃあね!」
「うん、また明日~!」
今日もレンフォードの努力と、レイラのツンは続く。
友人達
「レイラも素直になればいいのに!」
「「「そうそう」」」
end
レンフォード達の若き日を書きたくなりました。
ノエルについては予想されていた方もいらっしゃったのではないでしょうか?
あと無事風邪が治ったので投稿再開します。
でも夏休みがもうすぐ終わるので3日に1回投稿になるかも知れないです。




