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スライム君のダンジョン戦記?  作者: 初心猫田
11/52

迷宮探索と気持ちの切り替え

魔方陣が光り一瞬で景色が変わったので周りを見渡す。

今までとは違い、周囲が薄ぼんやりとした明かりにつつまれ遺跡のような造りになっていた。

まっすぐの一本道を進んでいくとT字路に出たので左右を見渡すと……


「なっ! あっぶねー!」


ゴブリンが切りかかってきた。ぎりぎり避けはしたけど……このゴブリン強過ぎね? 鑑定!



=======================

名前 :なし

種族 :武神ゴブリン

状態 :通常

Lv :120/200

HP :3000/3000

MP :10/10

攻撃 : 600

スピード:800

=======================



おいおい! ゴブリンでこれは洒落にならんぞ……。

こいつが特別強いと思いたいが……立て札のあの書き方からしてねえだろうな。鬼かよ!

そんなことを考えていると武神ゴブリンがまた切りかかってきた。俺も対抗して覇念魔法でグラトニーを操り、瞬く間に激しい打ち合いが始まる。

上から打ち込んできた剣をさばくと同時にダークランスを多重展開(マルチタスク)で7つ用意し、それを隠れ蓑にグラトニーで横から切りつける。

ゴブリンも負けじと腰の剣をもう一本取り出し、ダークランスは居合いで、グラトニーは上から叩きつけるようにして無効化してきた。そこからさらに激しい剣の応酬が始まる。

首に向かって一閃すればぎりぎりのところで避けられ居合いで返してくる。足を狙って切りかかれば片方の剣でとめられ、もう一本の方で体を半分にされそうになる。

そんな打ち合いが続いたら、当然お互いに無傷でいられるはずはなく俺達の体には無数の傷痕がつき、HPもゴブリンは残り100、俺は残り500とほとんどなくなっていた。


「これっ キンッ! まじで ギリッ! タンク重視の進化さ カキンッ! きを選んどいて良かったなっ! と危ねえ。」


だが問題はこのゴブリン、時間がたてばたつほど剣速が上がってるんだよな……勝負に出ますか。

俺は打ち込んできた剣を大きく弾き距離をとり、止めを指す準備にはいる。

まずは付与魔法でグラトニーに死毒を付与! 次に、まだ一日三回しか使えない限界突破で強化! 止めにこんしんの一撃で……


「おりゃーーっ!!!!」 バキッ

「グギャーー!」


なんとか剣ごと叩き切れたけど……

やばい意識が持たねえ。さっきの場所に戻らないと……

だがいい加減体力の限界だった俺はそこで意識を失った。



う~ん……ここは?

はっ、あの後戻りもせずに気絶しちまったのか。

敵に襲われなかっただけでも上々か……

ひとまずアイテムボックス内の飯を食べ俺は反省会を始める。

正直なめてたよ、二代目の判断は間違いじゃなかった。一階層からこれは確かにきつすぎだ。

……切り替えよう。このままじゃ間違いなく死ぬ。

始めてここに来たときみたいに周りに常に気を張って即座に対応する、これを最低限守らないと。大丈夫、昔と違って気配察知も隠密もあるんだ。加えて鑑定の省略だってできるようになった。慎重に一体ずつ倒してレベル上げしていきゃいい。


「よしっ! 行くか。」


隠密と気配察知を常に使うよう意識しT字路を右に進んでいくこと20分……


「いたっ! 鑑定……」



=======================

武神スライム

HP 200

MP 150

攻撃 900

スピード 600

=======================



やっぱおかしい……けどHPが少ないなら先制で潰しちまえばいい。

俺は後ろからこっそり近づくとグラトニーに金剛硬化を付与し上から降り下ろす。 ブンッ!! ベチャ……

うっし、死んだ! これならやれるぞ!!

そんな感じで一体ずつ倒して進んでいると、ふと一階層の敵は魔法に弱いということに気付いた。武神ゴブリンにはダークランスが切られたために誤解していたが、魔法を当てられさえすれば大抵2発くらいで死んでしまうのだ。

そこからは速かった。一体一体隠密で近づき魔法を当てるヒットアンドアウェイを繰返し遂に俺は二階層への階段を発見した。

「いよっしゃー!!!!」



ポヨンポヨンポヨンポヨン……

ここが二階か。次は何が出てくんだ?

近くの気配を探り、反応のあった場所へ隠密を使用しつつ向かう。すると杖を持った骸骨がいた。


「なにもんだ、あいつ? 鑑定!」



=======================

デスリッチ

HP 1500

MP 8000

攻撃 500

スピード 400

=======================



また極端なのが来たな、魔法特化って奴か……

どう攻撃すればいいか迷ったがひとまずグラトニーを降り下ろす。


「えっ? 死んだ……」


何で死んだ?! いやラッキーだけども! 何かしたか俺?

そこでふと思い出す。


「グラトニーかっ!!」


グラトニーの性質について思い出して欲しい。そう、魔力を食らうのである。とするとこの階層は俺にとっては恐るるにたらずであり、むしろ今までの覇王迷宮の敵より倒しやすい。

俺はあっさりと三階層へと続く階段を見つけ下っていった。



聖王セラムside


「むっ! 重大な神託だ。宰相、紙とペンを用意せよ!」

「はっ! 急ぎ用意します。」

ガタガタッ……

「して、今回はどのような?」

「うむ、どうも三代目の暴食が現れたらしい……」

「はぁ? 二代目の暴食がいなくなってからしばらくたちますし、さほど驚くべきことではないのでは? むしろ誕生したてのぶん弱まっていいのではないかと」

「それだけならわしもうれしいのじゃが……どうもベルゼブブに入ったようでこのままいくと新たな暴食之王(ベルゼブブ)が生まれてしまう。」

「なんとっ! 大罪の序列3位以上の者が覚醒するなど初代を除き今までなかったはずでは?!」

「うむ、深刻な事態じゃ。急ぎ各地の七聖人とわが孫娘……いや、聖女を集めよ!」

「はっ!」



?????side


やっとだ……やっとベルゼブブ様の後継者候補が来た。

こんなにうれしいのは何百年以来だろう?

ベルゼブブ様と共にあの忌まわしき神や天使どもと戦い、閉じ込められた私を解放してくれるかもしれない者が来た。

無事たどり着き、目の前のこの化け物を倒して、私を枷から解放してくれたなら……永遠の忠誠を誓い今度こそあの者どもから守り抜いて見せる!



=======================

現在のレベル116

HP5600 MP2400 攻撃400 スピード650







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