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スライム君のダンジョン戦記?  作者: 初心猫田
12/52

神速とアイギス

「はぁはぁ、くそっ! 何でねえんだよ……」


三階層への階段を降りてから2日、俺は四階層への階段を見つけられないでいた。


「大体何でこんなにタフな奴ばっかなんだ……」


この階層の魔物は攻撃力やMPがすごいわけではないので倒されるリスクは少ない。だがHPが圧倒的に高いのだ。たとえばこの階層で1番HPの少ないゴブリンでも……



=======================

タンクゴブリン

HP 15000

MP 600

攻撃 200

スピード 100

=======================



ゲームなどでタフと有名なオーガに至っては……



=======================

ヘビータンクオーガ

HP 50000

MP 800

攻撃 400

スピード 200

=======================



この鬼畜使用である。そのくせ経験値は普通のゴブリンやオーガと変わらないようで、もしゲームならどんなクソゲー好きだろうと心が折れるだろう。

そんな奴らが3、4体のチームを組んで襲ってくるのである。このダンジョン作った奴出てこい!!

とまあそんなわけでなかなか思ったようにダンジョン探索を進められないのだ。

もうそろそろ3桁に突入するぞといったところで、俺は隠密が変化したことに気付いた。


「なんだ?」


《エクストラスキル 『隠密 :Lv10』 がユニークスキル 『神出鬼没 :Lv1』 に統合されました。》


途端、俺は自身の気配が急速に薄まっていくのを感じた。

これなら行けるかも……、試しに近くにいたゴブリンに近づいていくと……


「すげぇ、目の前にいるのに見つかってねえ……これなら女湯ゴホンゴホン……この階層の探索がとても楽になるぞ!」


それからは、敵にはほとんど見つからず簡単に四階層への階段を見つけることができた。



四階層はとにかく暗かった。なにも見えず、気配察知頼みになってしまうのでどうしても反応が遅れる。


「ゆっくり攻略するしかねえな。」


俺が慎重に通路を進んでいくと奥の方で何かが光って見えた。

警戒を最大限に引き上げ光った方へ向かうと……


「ぐはっ!」


弾丸のようななにかが俺のもとに飛んできて俺を吹き飛ばした。

直撃したぞおい。いてぇーな、なんだ? 鑑定!



=======================

神速スライム

HP 500

MP 200

攻撃 200

スピード 2000

=======================



……桁間違えてんじゃないですか? なんだよ、スピード2000って! 設定ミスだよね? そうだと言ってよ親父さん!

……これはよくある並列思考的なスキルを覚えないと話にならん。

俺は転生してかれこれ三年、初めて逃げ帰……戦略的撤退を行うことを決意した。嘘じゃないよ! 初めてだからな!



「三階層に戻ってきたはいいが……どうやってスキル覚えよう? やっぱ武者修行的な感じでやるべきか。」


早速一人でいるゴブリン(かわいそうな獲物)を見つけ勝負を仕掛ける。そして攻撃してきたタイミングで……避ける、避ける、避ける! 俺はこれをただひたすらやり続け、慣れたら敵の数を増やし全ての攻撃をかわし続けた。

これをひたすら繰返しはや一週間。今では8体同時でもさばけるようになり、9体目に挑戦しようか考えている時に待ちわびた声が聞こえた。


《エクストラスキル 『思考加速 :Lv1』 を取得しました。》


途端に敵のスピードが目に見えて激減した。


「……これはすごいな」


思考加速を取得した途端、8体でも余裕がでて片手間で倒せてしまった。このスキルを育てれば四階層でもやれる! そう確信した俺は、あと一週間、一階層で修行したあと四階層へ向かうことにした。



あれから一週間。思考加速もついにレベル5になり例え武神ゴブリンが5体襲って来ようと余裕でさばける域にまでたどり着いた。


「よし、行くか。」


再び戻ってきた四階層はやはり暗く気配察知でないと敵の場所がわからない。だが俺が焦ることはなかった。

ドンッ!

前回と同じように神速スライムが飛んできた。だが今回は俺も思考加速でしっかり反応し、タイミングをよんでグラトニーを降り下ろした。

グラトニーはしっかり神速スライムへと当たり消滅させた。

こうして、この階層のスピードにも対応可能であると知ると、俺は安心して階段探しを始め、二時間ほどで5階層への階段を発見し下っていった。



「ここは……覇王迷宮の100層と似てるな、大部屋だ。」


目の前に階段と宝箱、そして立て札二つと魔方陣を見つけた。

少しデジャブだなぁ……



=======================

よくここまでたどり着いたな、暴食を継ぎし者よ。

ここはセーフティーゾーンと呼ばれる結界領域だ。安心して休むといい。これからの階層は最後を除き全てボス部屋だ。

だがここまでたどり着いたなら、お前はすでに世界でも5本の指に入るだけの実力を持っているだろう。これ以上は危ないと思うならやめておけ、ここまで来ただけでもお前を暴食を受け継ぎし者として認めてやる。

ただ、もし全ての階層をクリアするというのなら……どうかわしの大切な部下、いや仲間を助けだして欲しい。

お前が仲間を助け出せたなら、わしからお前に更なる力を与えよう。 初代暴食之王(ベルゼブブ)より

=======================

よっす 俺は山田 龍ってもんだ。

そこのお前! 未来の俺の手記を見たあと俺が挑戦してないと思っただろう、失礼な奴め。

俺には少しだが、予知能力があんだよ。たまにしか発動しないがな。

まあそれはいい。俺も流石に疲れた、ここで抜けることにする。

だからいいアドバイスはできねえ。代わりに宝箱にいいもんを用意した。使いやがれ!

=======================



山田 龍さん……すいませんでしたっ!!

まさかここまでたどり着いていたとは……

しかし、初代の仲間が捕まってるのか? どうせクリアはするつもりだったんだ、ついでに助けてやるか。その前に宝箱はっと……

開いた! これは……巻き物と石か? 鑑定!



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オリファルコン鉱石……アルス世界で1番硬い鉱石

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《ユニークスキル 『錬金術』 の巻き物。使用しますか? YES/NO 》


そりゃもちろんYESだ。


《ユニークスキル 『錬金術』 を取得しました。》


なるほど、錬金術でオリファルコンを加工しろってことか。なら形状は盾にして死毒を付与、あっ金剛硬化も!


「錬成!! ……うわかっけー盾ができたな、鑑定!」


=======================

アイギスの盾……表面に触れたものを一瞬で溶かし無効化する。また神や序列四位以上の魔王レベルの力がないと破壊できない。

=======================



おうふ……やりすぎた。反省も後悔もせんがな!

とりあえずアイテムボックスにしまっとこ。

そんじゃまあ行くか。







少し早足になってしまいごめんなさい

六階層からはもう少ししっかり書けるようがんばります

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