25皿目【猫と選挙とチョコレートとドラゴン】
「あそこでゲッカが、ネコにチョコレートを食べさせて中毒症状を引き起こし、その苦悶の声でドラゴンの選挙会場を混乱させて社会構造を揺るがした機転にはびびったな」
「……そのまま猫の子らに選挙権を与え、チョコレート禁止法案を国会で通させ、ドラゴンを糖分不足たらしめた業も見事なものよ……」
「極めつけは三百種近い猫で総選挙を行い、ドラゴンが投票券のオマケのチョコレートをもてあましている間に、チョコレートで俺を、ネコでメランコを立ち直らせて、俺達とドラゴンを含めた四票での選挙で【猫と選挙とチョコレートとドラゴン】死刑法案を通したわけだろ」
「やめてくださいよ、あんまり誉められると照れるじゃないですかあ」
「……げに凄まじきその後よ。猫の子とチョコレートを餌に選挙の投票率を上げておらねば、あの投票所で今尚立往生しておったろう……」
「たまたま有権者の中に【猫使いドラゴン】と【チョコレート術士ドラゴン】がいたお陰で、戦況を覆せたわけだしな」
「……皆、戦々恐々としておったわ……」
「みんな美味しかったですよねえ」
がんばった後のご飯は、いつもより美味しいです。努力が報われるって幸せなことだな、って、思いました。




