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そんな訳で、俺の修行が始まった。魔物に関しては、ワイバーンをメインにしてもらっている。ワイバーンを吸収させたんだ。そうしたらワイバーンも出せるようになるからって感じだな。第1層は海にしてもらい、そこで派手にドンパチする事になった。死体の回収はこっちでやってしまうが、その代わり、魔法を多用する。無駄に規模の大きい魔法を何発も撃つことになっている。そうする事で、ダンジョンコアのポイントを稼ごうという算段だ。死体をこちらで回収するんだから、それに代わるポイントは必要になってくる。無駄打ちも当然必要な事だ。魔物をどんどんと倒し、VITをどんどんと積み重ねていく。まあ、マイナスなんだけどな。もう少し時間がかかるとは思う。それでもかなりの時短にはなるぞ。もう半分は超えた。後は半分をどうするのかだけなんだから。
「へえ。それじゃあこの辺に町を作る予定なんだね?」
「そう言う事になるな。だから、第1階層は海で固定だ。塩の確保をしたい。今はドンパチするのに使っているが、その内、魔物が居ない階層にしてもらわないといけないだろうな。100層まであるんだから、順当に使っていけば、それなりの強さの住民を作り出すことも出来るとは思う。そうそう100層まで踏破される事なんてないだろうしな。まあ、気にするだけ無駄だとは思うぞ。俺みたいに特殊な魔物じゃない限りは、突破できない。人間はどうかは知らないが」
「人も何度か来たことがあるけどね。結構前の事になるから、今はどうしているのかは知らないけど。この場所が認知されているって事は無いんじゃないかな。ダンジョンなんて、人からしたら宝の山でしかないとは思うしね。ダンジョンコアってそういう生き物だし」
「ダンジョンコアがこうやって話が出来るというのは良いな。話が出来ないのであれば、経験値にするのもいいかとは思ったが、話が出来ることで、やれることが増えている。こっちとしても利益がある話だからな。どんどんと利用をさせてもらおうとは思っているぞ」
「それはこっちもだよ。まさか会話が出来るようになるなんて思わなかったからさ。それに、こっちの事はきにしなくても良いよ。ポイントも魔法を沢山使ってくれるから、増えていく一方だしね。そんなに稼げるのは良い事だよ。追加の階層も作れるようになるし。今までよりもやりやすくて良いよね。まあ、それでも攻略はされるんだろうけど。どんなに成長させても、ダンジョンコアってのは、破壊される運命にあるからね。僕らはその為に作られているといっても過言ではないから」
「ダンジョンコアも生き物の筈なんだがな。魔物だとは解ったが、それでも生きている事には変わらない。自然発生するものではあるんだろうが、ダンジョンコアが生き残れないように作られているというのはどうにもな。よく解らない世界だ」
「それはそっちも同じなんじゃない? 魔物って倒させるために存在しているんだよ? 全部人を育てるためだって思っているんだけどね。神様はその辺を贔屓するからさ。人に都合の良いように作られているでしょ? だから、ダンジョンコアも、人のためにあるようなものなんだよね。それに、世界の危機になるような魔物が出てきたら、人側にも強力な人材が出てくるようになるんだろうしね。なんだかんだと贔屓されているんだよ」
人側が贔屓されているか。それは確かにあり得る話だな。神様的には、人が繁栄する事を望んでいるって事も考えられる。繁栄の仕方にも因るんだろうが、人の生活の方が有意義というか、満たされているというか、贔屓されているのはそうだろうからな。神様的にも、そちらの方が都合が良いんだろう。それを脅かすような存在が出てくれば、一気に勢力図が切り替わるような何かを投入してくるかもしれない。そういう危険性はあるとは思う。俺だって、死ぬかもしれないんだ。用心する事に越したことはない。……まあ、人と出会ったら逃げることになるとは思うがな。俺は人を害せないんだから。そう言う事で、神様から縛られているしな。
「でも、人も人で大変らしいけどね。昔来た人は、何というか、この辺を探索していて偶然見つけたらしいんだけど、国の事がどうのこうのと言っていたからね。人の国が面倒な事になっていなければ良いんだけど。そんな影響を受けたくはないからね。僕は僕で、気楽に生きたいんだから。いずれ壊されるとしても、それまでにある程度の事はしておかないとね」
「人の国か。ここから東西に国があるからな。どちらがどんな国なのかは知らない。だが、関わり合いがあると、面倒だろうとは思うぞ。出来れば、接触したくはない。何を考えているのかなんて解らないからな。出来る限り関わり合わない方が無難だろう。それでも、こちらからは何もしていないのに、向こうからやってくるとは思うけどな」
「人ってそういう生き物だし、仕方がないんじゃないかな。関わらないようにする事は出来ないよ。なんだかんだと介入してくるんじゃないかなって思っているんだよね。ここに町を作るんでしょう? だったら、初めは交易から始まって、最後は戦争ってパターンじゃないかなって思うんだよ。人は最後には、力で何もかもを奪っていくんだからさ」
「まあ、そこは否定しない。戦争なんてしても意味がないとは思うんだが、そんな理屈は向こうには関係が無いからな。人は戦争をする生き物だ。平和平和と言いながら、戦争をする生き物だ。行動と言動が一致しないのが特徴でもある。ここに町を作ったとしても、直ぐにでは無いが、攻められるとは思うぞ。絶対にだな」
人とはそういう生き物だ。何かしらの制限があれば別なんだろうが、直ぐに敵対を始めるからな。今は魔物になった身だ。魔物の常識で動かなければならない。人類の敵として動かないといけない。それでは面倒なんだけどな。出来る限り友好的にとは思うが、こっちが人類に危害を与えられないと解れば、侵略してくる可能性も十分にあり得ることだからな。それだけ人とは面倒な生き物なんだから。利益があれば、戦争をしてくる。戦争をしても、利がないと解っていても、無理やり利益を探して戦争をするのだ。その為に、何人の人が犠牲になるのやら。戦争をしない方が発展はするというのに。
「欲に塗れているのが人だからな。確実に何かしらの行動を起こしてくるだろう。その時はその時だ。まずは町を作ることから始めないといけない。町が出来れば、次の段階に進めるんだが、町を作るだけで、何年かかるのか。まずはそこからだな。町をどのくらいの規模にするのかも決めないといけないし、その為には、色々と素材も必要になってくる。今後も頼らせてもらうが、こっちからも贈り物をしようと思う。それと、頼み事もあるんだ」
「贈り物? それに頼み事って何かな?」
「名前だよ。名前があった方が良いだろう? 呼びにくいしな。それが贈り物だ。そして、頼み事は、俺の名前を考えて欲しい。お前の名前は、カーライルに決めたんだ。それで良くないか?」
「名前ねえ。まあ、貰っておくよ。それと、そっちの名前か。うーん。ジェントってどうかな? まあ、気に入るかどうかは別だけど」
「いや、良い名前だ。これからお前はカーライル。俺はジェントだ」
名前があるって素晴らしい事じゃないかね? 呼ぶのに面倒な事もあったんだ。こっちだって名無しじゃあ問題があることもあるだろうしな。色々と考えていたんだけど、自分では名前を付けられないっていうのが解ったんだよ。




