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なんでここに学園長が!?

異世界転生をした元魔術師の俺は、赤子の俺でも魔術が使えるこの世界のすごさに感動して”最強の魔術師”と言う夢を目標にしていきることにした。


友人のカノン、恋人のアリシャ、後輩のクリームと共に日々切磋琢磨している。


そして俺は現在、国の最高戦力の1人であるアルトに土下座して”聖女を助けてほしい”とお願いされている。


その後聖女であるアグラを助け出すため俺は城へと忍び込みアグラを攫った。


友人に敵の足止めをお願いして逃走し、後一歩のところで逃げられる……というところで近衛騎士・バランドとエンカウントし殺されてしまう。


その後神と会話するも、重要な”何故俺の記憶が無いのか”と言う理由を聞くことも無く現世に戻されてしまった。


 服が破れていたため、別室でアルトに着替えさせてもらいそのまま事情聴取を受けた。

 と言ってもカノン、アグラ、アルトの言ったことの確認をする程度だったためにそこまで時間はかからなかった。


 ちなみに途中で魔具を使って色々を確認してもらった。

 少し前に即売会で会った細身の男に。

 


「おい愚物!貴様魔力が殆ど無いぞ!後一歩の所で死ぬところだ!」


「愚物言うなや。」

 あと一歩のところで死ぬというか、実際に死んだしな。

 どうやら俺のことを蘇生したことはアルトたちは話していないらしい。

 

「調べた限りでは特に異常はないようだ。健康そのものだな。」


「聖魔術使いが近くに2人もいたからな。」


「そうだな。しかし不自然なほどに傷がついて居なく、そして異様に魔力が少ない。」

 そう言って一呼吸間を開け、細身の男はこちらを向き目を見開く。


「貴様。聖女の力で生き返ったな?」


「違うね。俺は魔力放出って言う死ぬほど魔力を使う技を持っていて限界ギリギリまで魔力を振り絞ったんだ。」

 実際に死んだわけだが、魔力切れで死んだわけでは無いし嘘は言っていない。


「嘘はつかなくてよい。他の連中には黙っておいてやる」

「契約魔術をかけても良いぞ?」

 恐らくこれ以上拒否しても意味がないだろう。


「それならまあ・・・・・・いいだろう。契約魔術をかけるぞ。」


「なるほど。やはり蘇生されていたのか。」


「おい!契約魔術は!?」


「少しは考えろ。今のお前の反応はどう考えても蘇生されていたと言ったも同然だ」

「それなら俺は契約魔術をかけなくてもお前が蘇生されたことが分かる。もう少し言動に気を付けることだ。」


「はい・・・・・・。」


「まあそれだけだと貴様が可哀相だからな。何か困った時に研究所に来ればそれなりの手伝いはしてやろう。」


「なんて心優しいんだ。」


「良い情報を得られれば、それなりの返しはするだけだ」

「特に貴様の体は貴重な存在となった・・・・・・俺も蘇生された人間を生で見るのは初めてだからな。」


「おいおい、まさか解剖とかするわけないよね?」


「駄目か?」


「ちなみに聞くが、麻酔とかってある?」


「マスイ?」


「分かった。マジでやめろ。」

 回復魔術がある関係でどうしても医学方面の発展は進んでいないらしい。


 手術とかしないのかと思ったが命のかかわる系の病気ならば聖女で対応可能な世界だ。

 聖女まで運べない場合や、聖女のいない国もあるだろうが、ある程度の傷程度ならば回復魔術でギリギリ生きているレベルには持っていけるしな。



 いや・・・・・・バウンドには聖女がいるが、聖女がいない国は難病をどう対策しているんだ?。


 聖魔術使いはかなり貴重な存在なはずだ。

 となるとどこかの国では医療が発展しているかもしれないな。



「遠い医療が発展している国ではな、生きたまま解剖するために麻酔と言われる素晴らしーい手段があるんだよ」

「俺を解剖したけりゃそれを持ってこい!」


「だからそのマスイ?とやらはなんなんだ?」


「えーっとな。麻酔って言うのはな。」

 細身の男に対して麻酔の説明をする。


 そして説明中に、昔聞いた言葉を思い出す。


『私が腕を切り裂き軽く手術をしました。』



「って、そうだ!」

 

「おい!なんだ!」


「いやすまない。ちょっと思い違いをしていただけだ。」

 学園長は手術という言葉を使っていた。

 麻酔がない世界で手術は存在・・・・・・しているか。


 確か昔の人は麻酔無しで手術していたらしいしな。

 となると麻酔無しが基本の世界なのだろう。


 念のために細身の男に対し、麻酔に近い存在があるか聞いておくか。



「ちなみに麻酔に近い存在の物ってあるか?」


「麻酔とやらに近い存在の物は俺の知る限りではない」

「ただ、魔術で同じようなことはできる。」

 できるのかよ。


「通仙散と言ってな、曰く初代勇者が生み出した睡眠用の魔術だそうだ。」


「使える人っているのか?」


「水魔術使いは割と使えるだろうな。」


「まあいいや。それじゃ使える人を呼んでくれ。」


「安心しろ。ちょうど良くそこに来ている。」


「中々に準備が良いようで!」


「まあ偶然だがな。入れ。」


「お邪魔しまーす!」

 そう言って学園長が入ってくる。


「年を考えてくれ。もうちょっと静かにはなれないのか。」


「見た目はまだまだ若いですからね!大体二十代後半ぐらいですから。」


「その年でも充分痛いよ」

「まあいいや。リーシェが通仙散をかけてほしいって。」


「別にかけてほしいわけじゃないけどな!」


「麻酔とやらをかければ問題ないんだろ?」


「まあそうとも取れるが・・・・・・」

「って!何でここに学園長がいるんですか!」


「この後帰らせるための護衛ですね。一応は師匠でもありますし」

「ってことで、通仙散」

 そういうと俺の前に術式が展開される。


「ちょっと待って!体動かないから!避けられないから!」

 そう言って抵抗をするも、だんだんと眠くなってくる。

 本物の麻酔って確か一瞬で眠くなるわけだし麻酔とは似ているけど違うようだ。


「ああ。この子が悪戯しないようにちゃんと見張っておきますからね。」


「安心しろ。色欲など等の昔に消え去った。」

 その言葉を聞いた直後、俺は意識を失った。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

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