第40話「中継地点の少女」
「はじめまして、アインスさん!それにこっちの可愛い竜がツヴァイって子ですよね?いやー、お会い出来てよかった!!」
アインス達はエリア・ロストへ帰投する前、行きは無視した中継地点へと立ち寄った。
一息吐くためと、負傷者の治療をするためだ。
そんなアインス達――正確にはアインスとツヴァイ――を待っていたのは、やたらとハイテンションで歓迎する日焼け肌の少女、中継地点の管理をするアンナ。
彼女は開口一番そう口にすると、ぶんぶんとアインスの手を掴んで振り、そのまま今度はツヴァイにも弾けるような笑みを浮かべていた。
「………アンナ。気持ちは分かるけど、ちゃんと自己紹介しないと」
「は、そうでした!!これは失礼!」
突然の事に困惑するアインスとツヴァイを助けるようにアランが嗜めると、アンナは思い出したかのように半歩飛び退き、三つ編みに纏めた髪を尻尾のように揺らしながらびしっと敬礼した。
「ハウンド・ソード中継地点担当、アンナです!自分のことは気軽に、アンナって呼んでください!!」
「――――ああ。よろしく、アンナ。オレはアインス。こっちは知ってると思うけど、ツヴァイだ」
「キュアァ」
「―――――――――」
ふっと柔らかい笑みを浮かべるアインスに続いてツヴァイが短く鳴く。
そんな中、奇妙な沈黙が一瞬、広がった。
「…………どうかしたか?」
沈黙の中心にいるアインスが不思議そうに首を傾げると、チェスターはぽかんとした顔で隣にロジャーへと話を振った。
見れば、彼だけでなくアインスを見ていた全員が同じ様な表情を浮かべている。
「……いや、なあ?」
「お前、そんな風に笑うんだな。大体無表情かムッとした顔してるかだし……」
アンナを除く、今日までのアインスを知る全員がうんうんと頷く。
「ツヴァイに初対面でこうやって接してくれる相手がそういないから、なだけなんだが……」
「ほら、やっぱりムッとした表情だ!」
が、アインスは要領を得ないのか、やはり不思議そうな表情を浮かべるだけだ。
眉間に皺が寄る姿を見て、ロジャーが吹き出すと、釣られて全員が笑い出した。
それに今日会ってばかりの中継地点を管理するアンナ達も混ざり、心なしかツヴァイもおかしそうに目を細めて喉を鳴らしていた。
そんな彼らを遠巻きに見ながら、アランの隣にいるクラークボソリと呟く。
「まあ、杞憂だったみたいだね。俺と、ファータの心配も」
「――――クラーク?」
「いや、何でも。それより、助けてきてあげなよ、今日一番の功労者を、さ」
「いたっ!」
言って、強めにアランの背を叩くクラーク。
アランはクラークの方を一瞬振り返ったものの、すぐに笑って、どこか不機嫌そうながらも困ってるアインスの下へと向かったのだった。
第一部・終
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