第12章 008 射出する亀
ホエールの場にはミニチュワダックスフンドY、ミニチュワダックスフンドA、ミニチュワダックスフンドXもの三体のカードが存在しているがいずれもコストが3で、タートルの場にあるコスト5の射出巨大タートルは倒すことができない。
「私はこれでターンエンド」
「では次は僕のターン、ドロー」
タートルは自身のターンの始まりを宣言してカードを一枚引く。
※現在のデッキ枚数。ホエールのデッキ枚数12。タートルのデッキ枚数29。
「僕は手札を一枚選んで休憩エリアへ送り、休憩エリアへ送ったカードのコスト分のダメージを相手に与える。僕が休憩エリアに送るのはコスト8の巨大ゾウガメベータ」
手札一枚が休憩エリアに運ばれ、射出巨大タートルの砲台から巨大ゾウガメベータが射出されホエールの足元に落ちて爆発する。
「またあああ」
※現在のデッキ枚数。ホエールのデッキ枚数4。タートルのデッキ枚数29。
ホエールの嘆く声を聞きながら大和は「俺の時は接待デュエルをさせたくせに」とタートルに文句を言う。
だがタートルのターンはまだ終わっていないらしく何やらカードを眺めている。
「なるほど。これがこうしてこうなるのか……」
ホエールは立ち上がって「私のターンね」と呟くが、フリイヤが「まだタートルのターンよ」と教えてあげる。
タートルは一枚のカードをホエールに見せる。そのカードは巨大ミシシッピアカミミガメガンマ。コストは8。能力は、
「休憩エリアにウミガメアルファカードとゾウガメベータが存在する場合、もう一度だけこのカードのみ射出することができる」
ホエールは悲しげな声で叫ぶ。
「何それええええええ!」
「射出巨大タートルの能力発動! この巨大ミシシッピアカミミガメガンマを休憩エリアに運ぶことでそのコスト分のダメージを与える」
射出巨大タートルの砲台から巨大ミシシッピアカミミガメガンマが射出されホエールの足元へ落下する。そしてまたもや爆発。
三度にわたり草原を爆風で転がるホエール。
※現在のデッキ枚数。ホエールのデッキ枚数0。タートルのデッキ枚数29。
ホエールは言った。
「もう二度とタートルとデュエルしたくない」
〇
馬車に乗って旅をする一行は王都の病院へ向かうことにした。治せない病の者の中にクライカードのコレクターがいる可能性があるためだ。
大和は自分がクライカードを使っていた時を思い出していた。赤い涙が流れていた。
以前デビルメイトという現在はローキンという小売店でもクライカードを取り扱っているだけで店員が赤い涙を流していた。
そうなると治らぬ病として病院に行く者がいてもおかしい話じゃない。




