第2章 002 黒騎士
ビールが届き乾杯し飲み始める二人。頼んでいた唐揚げも届き食事を始める。
「うまっ、これうま」
女神フリイヤは「うまいうまい」と溜まったストレスが癒されていくように唐揚げにかぶりつく。
悪魔のおどろおどろしい力を使って機能する黒い召喚板は女神フリイヤと倉間大和によって没収され町の国家警護所へと引き渡すこととなっている。国家警護所とは警察署みたいなものでこちらの異世界では言い方を変えたようなもの。
悪魔の力つまり黒い召喚板やクライカードは国家警護所の国家警護団が管理しているので実体化して戦う決闘つまりはデュエルで勝利後は国家警護所のお預かりとなる。
国家警護団も実体化カードゲームはできるが国家警護所で働く聖女の魔力的サポートが必要となる。いわゆる女神フリイヤと同じことをする聖女が必要となるのだった。しかし聖女であろうと女神ではない。一日一戦が限界なのだった。
そもそもがカードゲームをせずに国家権力で奪った方が早いのが効率的だろうが、残念ながら奪うだけでは浄化にならずまた黒い召喚板やクライカードに手を染めることとなる。つまり実体化カードゲームすなわちデュエルをして女神の力が加わった浄化でしか悪魔憑きの悪癖を終わらせることができない。
女神は度々このカードゲーム業務により力の行使によるストレスが溜まったりし、するとこのように唐揚げを爆食いしたりするようになる。
〇
食事を摂り腹が膨れた二人。先にフリイヤが宿に帰ってしまい、大和は夜風に吹かれながら町の中で散歩をしていた。気持ちよく歩いていた彼だが、いつの間にか人通りが少ない細道へと出てきてしまった。裏通りである。
分からない道を歩いているところ後ろからかしゃかしゃと鎧が擦れる音が近づいてきた。黒い鎧を纏った騎士だった。
「なんだあいつ……」
他に誰もいない夜道に紛れる黒い鎧。怪しいが、鎧を纏う仕事は国家警護団とも考えられる。国家警護団は国を守る騎士としての仕事をする彼らは鎧を纏うことも多い。特にパトロールをしているならばこんな人気のない場所を鎧を着て歩いているのも不思議ではない。
だがなんだろうか、この安心感ではない怪しさは。国家警護団では黒い鎧を夜に身に着けるような指示が出されているのだろうか。夜に紛れるため、なぜ?
疑問が頭の中に浮かぶ中、少年のような声で「おい」と声をかけられる。
「これを見ろ」
見せられたのはクライミシシッピアカミミガメというカード。
「君、勇者なんだろ? じゃあ、このカードを持っている僕は勝負の対象だよね?」
大きい鎧に似合わず少年のような声だった。




