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第2章 001 黒騎士

 悪魔憑きとの戦いがありながらも町へと無事たどり着いた倉間大和と女神フリイヤ。町の夕焼けの風景にはスーパーマーケットやクリーニング店が並んでおり異世界といっても現実の世界と大差なく感じる。

 まずは泊まる場所を探さなくてはならない。そんな間にも大和は町の風景をたしなみながらデッキの内容を頭の中で試行していた。


 大和と並列して歩く女神フリイヤは「ずっとカードゲームのこと考えているの?」聞く。まるで女神に頭の中を見られているように感じる。


「それが仕事なんだから、ほっとけよ」


「なんか、ね?」


「ね? ってなんだよ」


 オタク趣味でお疲れ様とでも言いたげなのだろうか。それともいつも仕事でいっぱいでお疲れ様とでも言いたいのだろうか。


「それが仕事だから」


 そういう人間だから勇者に選ばれたのだ。


      〇


 女神フリイヤとの出会いは睡眠中の夢の中だった。何もない場所に女神フリイヤが現れあなたは勇者に選ばれたと言ったのだ。カードゲームでしか救えない世界があり、その世界はグランドジービアと言われた。

 グランドジービアでは悪魔の悪戯により健康健全が奪われた者たちが操られ狂暴化させられて悪事を働かせられる世界。悪魔を生み出しているのは魔王。魔王を倒さねば世界は平和にならない。神聖な力が宿るカードをセイントカード、悪魔の力が宿るカードをクライカード。クライカードは呪いが付与されている厄介な物が多い使ってはいけないカード。


 倉間大和の仕事はこの世界を平和にすべく神聖な力を宿したカードを使い決闘し、悪魔に憑かれている者を浄化して果ては魔王を倒すことだ。


      〇


 宿が決まり泊まるための手筈を済ませると二人は泊まれる部屋へと案内された。女神フリイヤとは男女の関係ではなくビジネスパートナーのような存在だ。


 食事は宿では出ないため飲み屋街へとでかけ食事を済ませることとなる。

 何を食べるか考えながら歩いていると唐揚げを売り出している食堂を見つけそこで済ませることに。


 二人は唐揚げとビールを注文すると溜まった疲労を実感し両手を組んで体を伸ばす動作をする。女神フリイヤは「つっかれた……」と呟くと大和も同じく呟いた。


「疲れたね」


 女神なのに疲れたと言い出す始末だが。女神の仕事は大和のサポートだけでなく実体化して戦うカードゲームでも白き召喚板の力として女神の神聖なる浄化された魔力が使われる。さらにカードゲーム自体が悪魔祓いとなっているため、女神のフリイヤは何もしていないかのように思えるが女神がいないとそもそもが成立しない実体化カードゲームなのだ。疲労が溜まるのは当然のこと。

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