第1章 002 セイントカードとクライカード
デュエルという掛け合いからカードゲームが始まる。襲った側の悪魔に操られた男性が先手を表したこととなり、男性からとなる。
「俺のターン」
男はデッキからカードを1枚引き手札に加え思考する間もなく1枚のカードを黒い板の召喚板に配置した。
「クライ狸を召喚」
悪魔の力により目が赤い狸が実体化され召喚される。クライ狸のコストは3。デッキから三枚のカードがデッキ右側の休憩エリアへ自動で流れるように運ばれていく。
※現在のデッキ枚数。悪魔憑きのデッキ枚数32。大和のデッキ枚数36。
女神の力を受け実体化されるカードは主にセイントカード、悪魔の力を受けて実体化するカードはクライカードと呼ばれる。
「これで俺はターン終了」
このように自分が動くターンを交互に繰り返して戦うこととなる。
ターン終了の合図とともに次は大和のターンがやってくる。
「俺のターン。ドロー」
カードを1枚引くと魔法石が光りエンジンのような音が鳴り回転する。
「俺は柴犬鎧まるいちを召喚」
柴犬鎧まるいちはコストが3でデッキの上から三枚が休憩エリアへと運ばれていく。
※現在のデッキ枚数。悪魔憑きのデッキ枚数32。大和のデッキ枚数32。
「さらに柴犬鎧まるいちの能力でデッキから犬カードもしくはドッグカードを手札に加えるか召喚ができる。俺が手札に加えるのはジャーマンシェパード鎧ララ」
手札に加えるを選択し召喚はしなかった。これも大和の戦略である。ジャーマンシェパード鎧ララの能力が手札から発動するという理由から。
※現在のデッキ枚数。悪魔憑きのデッキ枚数32。大和のデッキ枚数31。
現状だけ見ると出ているカードがどちらもコストが3のためこのままだと相打ちになってしまう状況となっている。
「ターンエンド」
大和がターンの終了を宣言した途端に目の赤いクライ狸が不気味な笑みを浮かべた。同時に悪魔に取りつかれた男性も笑みを浮かべてデッキからカードを選択するしぐさ。
馬車から降りていた女神フリイヤは大和に助言の言葉をかけた。
「クライ狸は相手のターンで動く習性があります。自分のターンで片づけておくのが賢明です」
「分かっているよ。けどこのターンで無理だった」
大和とのやり取りをしている間にもクライ狸の体がもこもこ膨らんでいく。男性が手札からカードを一枚選び取り召喚板のクライ狸に重ねて新たなクライカードを召喚した。
「変幻召喚。クライ大狸」
飲食店の置物のような巨大な化け物狸が現れる。クライ大狸のコストは5でクライ狸のコストは3。そのコストの差分の2枚のみ休憩エリアへ送る形が変幻召喚のルールとなる。
このようにカードの中には変幻召喚という方法でのみ召喚できるカードが存在している。
※現在のデッキ枚数。悪魔憑きのデッキ枚数30。大和のデッキ枚数31。
女神フリイヤは「これは相打ちの方がよかったのでは?」と大和に口出しするが、大和は「大丈夫だからさあ」と相手の戦略に脅威を感じていない。




