第31章 009 希望ある敗北
「僕は射出巨大タートルの能力を発動。手札の巨大ウミガメアルファを休憩エリアに運び、そのコスト分のダメージを受けてもらう」
手札の巨大ウミガメアルファのカードが休憩エリアに送られる。実体化した射出巨大タートルから巨大ウミガメアルファが射出されアサシの足元に着弾し爆発した。
再び雨に濡れた地べたに転がるアサシ。
巨大ウミガメアルファのコストは8。よってコスト8の分のダメージがアサシのデッキより引かれていく。
※現在のデッキ枚数。アサシのデッキ枚数0。タートルのデッキ枚数13。
アサシのデッキが0になる。タートルの勝利だ。
実体化しているベルフアルゴールは「なんだよ情けない奴」と言ってアサシを馬頭するのであった。
アサシは天から降る雨を仰向けに浴びながら「カードのくせにな」と言い返す。
〇
途中からタートルのデュエルを眺めていた大和とホエール。
大和はずっとデュエルを見守っていたフリイヤに「出番だな」と声をかける。
「ええ、行ってきます」
ホエールは雨に濡れないようアサシとフリイヤに傘をさしてあげていた。
デュエルに勝った余韻に浸るタートルに大和は肘で腹部をつつく。
「相変わらずな勝ち方戦い方だな?」
そう言うと笑みを浮かべるタートルは「そうだな」と言ってアサシからデッキを受け取りに行く。
タートルは「悪いけど」と言いながらデッキを差し出すように手を差し出した。
アサシはデッキをタートルに手渡して「ありがとう」と言った。
「これで悪魔から守られるっていうことだよね?」
フリイヤは「ええそうよ」と言う。
「あなた、途中から気付いていたわね。このデビルカードの害悪性に」
「そうかもしれない。勝利にこだわって、何も見えなくなっていたんだと思う」
そう言うと彼はタートルに改まってお礼を言うのであった。
「信じてたよ。勝ってくれてありがとう。勇者」
アサシは手をさし出すとタートルはその手を握り返すのだった。
「勇者か、でも僕は勇者じゃないんだ。僕は天使だからなあ」
そう言って背中から真っ白な翼を広げるタートル。
「天使? 悪魔がいるから天使もいるってこと?」
タートルは「そういうこと」と言い返す。
それからこのデュエルを見守っていた不正をした友人にもお礼を言うアサシ。
「ありがとう。それからごめん。苦労をかけてしまって」
すると友人からも謝罪をするのであった。
「こちらこそごめん。不正をしたのは、悪気はなかったんだ」
「そうだと思う。ありがとう」




