第31章 007 希望ある敗北
タートルからの猛攻撃を受けきったアサシは立ち上がる。
だがまだタートルのターンは続いている。
「射出巨大タートルの攻撃が残っている。いけ! 射出巨大タートルで生贄の羊に攻撃!」
巨大な亀が突進して生贄の羊に体当たりする。
射出巨大タートルのコストは5。生贄の羊はコストは3。よって差分の2枚がアサシのダメージとなりデッキから休憩エリアに運ばれる。
生贄の羊は能力によって戦闘では破壊されない。
※現在のデッキ枚数。アサシのデッキ枚数6。タートルのデッキ枚数29。
「僕のターンはこれで終了。さあ、君のターンだ」
アサシはデッキから一枚のカードを引き抜いてターンの始まりを告げる。
「俺のターン、ドロー!」
引いたカードを手札に加えるアサシ。カードを引きながらもアサシは自分は何をしているのだろうと自身暗記になっているのであった。
タートルはそんな彼に声をかける。
「どうしたんだい? 君のターンだ」
「それは、分かっている」
手札にあるベルフアルゴールのカードがアサシに語り掛ける。
――どうした? 勝ちたいのだろう? ならば私を出せばいい。簡単なことだ。生贄の羊に私のカードを重ねればよいだけ。コストもかからない。誰にでもできることさ。
「……あの人がデュエルを挑んだのって、勝ったらデッキをもらうって言ったのだって、お前が理由なんじゃないのか?」
――何を言っているんだ。私は君の力になりたくて君のカードとして戦っているんじゃないか。
「俺の友人のあいつが不正を行ったのだって、不正をしてでもお前を使うことを止めさせようとしたんじゃないのか?」
――君は人を信じすぎだよ? 他人を信じると痛い目みるよ?
「逆を言うと、もし、俺を信じている者がだぞ? お前を使っていることを誰かが止めようとしているのだとしたら、それは、俺のせいになる。俺が人を信じると馬鹿を見る理由になってしまうだろ?」
――何が言いたいんだ?
「俺は、他人を信じてお前を使う。正しい道に導かれているのを信じて。いくぞ悪魔」
するとベルフアルゴールのカードはケラケラ笑い始める。
――はっはっはっは。その意気だ!




