第31章 006 希望ある敗北
雨でぬれた地べたを転がるアサシ。
アサシは惨めな思いをしながら仰向けになり雨雲を見る。
「あいつ不正はしないけど、戦い方が卑怯じゃね……」
さらにタートルは続ける。
「休憩エリアにウミガメアルファカードとゾウガメベータが存在する場合、もう一度だけこのカードのみ射出することができる」
アサシは「なんだと」と言い立ち上がる。
「巨大ミシシッピアカミミガメガンマを休憩エリアに運ぶことでそのコスト分のダメージを与える」
そう言って「もう一回射出だ!」と休憩エリアに手札から巨大ミシシッピアカミミガメガンマを送る。
実体化している射出巨大タートルからさらに大きな亀が発射されアサシの足元に着弾し爆発した。
アサシは濡れた地面を転がると仰向けに倒れた。雨雲から雨が降る景色がそこにはあった。そして思うのだった。……俺、何やっているんだろう。
※現在のデッキ枚数。アサシのデッキ枚数8。タートルのデッキ枚数29。
〇
バス停で大和が来るのを待って45分が経った。やっと馬車から降りてくる大和に怒りながら黒い傘を渡すホエール。
「遅いいいいいい!」
「ああ、まあ、ごめん。ちょい長引いた。これがすごかったんだよ? この国でも俺のファンがいるようで、サイン付き犬デッキが売れるのなんの」
ホエールは「それは良かったですね」と言い拗ねるのであった。
「ほら、なんか美味しいものでも買って気分上げていこ!」
「大和はなんか気分よさそうだよね?」
大和は満面の笑みをホエールに向ける。
「そりゃあもう、どっちが接待されているんだかよ?」
「そりゃあよかったでございますね」
黒い傘をさして歩く大和は元気よく「何買ってく? クレープでも買っていこうか」とホエールの背中をぽんぽん叩いた。
「なんか今日の大和うるさい」




