第29章 002 魔女との決闘
ラムは声を上げて訴える。
「そう、あなたは優しいのね。でもね。私が救われるのは恋人が生き返ってからなの。それ以外は救いじゃないのよ。だから止められない! デビルカードを作るのは止められないの!」
ラムが大声を出していると工場から黒い格好をした二人の女が歩いて出てきた。おそらく二人もラムと同じく魔女だ。
黒いロングスカートで髪を三つ編みにした一人の40代の女がラムに「大丈夫?」と言いながら肩に手を乗せる。
「ありがとうエム。大丈夫よ」
エムと呼ばれた女はラムに「もう終わりなのかしら」と聞く。
「いいえ、終わりになんかさせないわ! 終わっちゃいけないことだもの!」
後からやってきたもう一人の黒いワイドパンツを履いたショートボブヘアの女がラムに「落ち着いて」と言いながら背中を摩る。
「もうばれているんでしょ? もう、終わりよ」
ラムは声を上げて「そんなことない!」と訴える。
「諦めたら終わりなのよ!」
そこへ大和が口をはさむ。
「悪魔との取り引きなんて一刻も早く終わらせた方がいいに決まっている」
ラムは「黙れ!」と声を上げる。
「なんにも分からないクズが。可哀そうだとか思っているんでしょ? 可哀そうじゃないの! 私たちは! やるべきことをやっているのよ! 愛する人が復活するのを待っている。当然のことなのよ」
大和は感情的になっているラムに話し続ける。
「だが多大な犠牲者が出ている」
「それがどうしたっていうの? デビルカードが欲しくて、買いたいから買っているんでしょ? そんなのそいつらの責任よお!」
「ああ、だが魔王ライオウによって流通が止まる。もう店に商品は並ばない」
「だったら私たちが直接売りに出るわよ! ね?」
二人の魔女は口をつぐむ。黙り込んだまま話さない。
「なんで? あなたたちだって、死んだ恋人に会いたいって言っていたじゃない!」
大和は左腕に装着した白い召喚板を構えて言った。
「おい、俺とデュエルしろよ」




