第21章 001 親子対決
とある山の間にある町のダークネスカードを作っている工場へ再び大和たち一行とリーシェルはやってきていた。
工場へと入りとリーシェルが先頭で進むと事務室へと向かい彼の父親のところまで行ったのだった。
大和たちを連れてきたリーシェルに父親のラースは「何事か?」と問う。
ラースはリーシェルが言うはずもない言葉を受け言葉を失う。
「ダークネスカードを作るのを止める提案をしにやってきました」
後ろの大和たちの方を見て「あいつらにそそのかされたんだな」とリーシェルの両肩を掴む。
「違います」
リーシェルがそう言うがラースは大きな声で「そんなはずがないだろ!」と怒鳴る。
「お前は自分と同じような人の心の支えになりたいって言っていただろう! そんなお前がダークネスカードから身を引くはずがない」
「それはそうなのですが……」
大和が二人の間に割って入る。
「たぶらかした訳ではないが、自分を大事にするように言ったのは事実だ」
ラースは大和を睨みつける。
「貴様。……分かっているのか? 自分のやっていることを。ダークネスカードがあればこそ仲間だと理解し合えるこの世の仕組みになっているのだぞ? それを簡単に私の息子が手放すはずがないのだ」
ラースはリーシェルの肩を揺らす。
「しっかりしろ! 自分の役割を忘れたか?! お前は魔王になるのだろう? 母さんが亡くなったことを忘れたのか?! 人から理解されない悩みを持つ者たちの長になるといっていただろう?」
リーシェルは「それは変わらないよ」と言う。
「ダークネスカードがなくなったら、一体どうやって苦しみある悩みある者たちが理解し合いお互いを仲間なのだと認識できるのだ?!」
リーシェルは「ダークネルカードがなくても理解し合える」と言い出す。
「ダークネスカードがないお前を一体誰が相談しても大丈夫な人だと判断する? 一体何が保障となって悩みを相談できる? ダークネスカードを持っているからこそそれができるんじゃないか! そうじゃなければ迫害の対象になるかもしれないと、お前自身も言っていたじゃないか!」
ラースは感情的になっている。リーシェルは父親の言いたいことが分かるようで「父さん」と呟く。
「父さんも、自分を大事にしていいんだと思うよ」
ラースは「自分を大事にするとはなんだ?」と問う。
「何がどうすれば自分を大事にしていることになるのだ? ダークネスカードを持ってお互いに尊重し合える仲間の中にいてこそ自分も皆も大事にしていることになるのではないのか?!」
リーシェルは「それは違う」と言い出す。
ラースはリーシェルから手を放し椅子に座り込む。
「父さん。ダークネスカードは情緒を不安定にさせる。これで自分を大事にしているとは言えないんじゃないかな。だからダークネスカードなしで幸せになれる方法を模索する方が大事だと思うんだ」




