第0章 カードバトル
――勝負とは必ず勝ち負けが発生するもの。
カードゲームとは敢えて勝ち負けを発生させる娯楽だ。カードの束をデッキと呼び、そのカードの束からカードを1枚引いて、引いたカードの能力を使い勝利を目指す。いつの時代もカードゲームは流行り、このセイントカードバトルもこの異世界でさえ人気を博したのだった。
自分のターンのはじまりにカードを1枚引く前は手札は4枚から始まる。今一人の青年がテーブルの上に置かれたカードの束から1枚のカードを引き「ドロー」と呟く。カードの束はデッキと呼び、ここからカードを引いて戦略となる手札を作っていくのだ。5枚ある手札から1枚のカードを選択しテーブルの上に配置。
「召喚。柴犬鎧まるいち」
手札からセイントカードを場に出すことを召喚と言う。カードにはきつね色の柴犬が鎧を着て武装したイラストが描かれ「柴犬鎧まるいち」と文字の表記がされている。
「そしてさらに召喚コストのカードを3枚をデッキから休憩エリアへ送る」
柴犬鎧まるいちのカードは3と書かれた召喚コストがかかる。コストは休憩エリアと呼ばれるデッキの配置に対して右横に積み重ねていくことになる。デッキから3枚が休憩エリアへと送られる。
青年の向かいには同じく手札を握り動向を窺う青年がいたが、すでに敗北を感じているのか諦めの表情だった。
「俺は柴犬鎧まるいちの能力でデッキから他の犬カードまたはドッグカードを手札に加えるかそのまま召喚する」
デッキを掴みそこから1枚のカードを選択して対戦相手に見せる。
「このままジャーマンシェパード鎧ララを召喚」
ジャーマンシェパード鎧ララも柴犬鎧まるいちと同じく鎧を着たジャーマンシェパードのデザインで同じく召喚コストがかかる。召喚コストは5。5枚のカードをデッキの上から休憩エリアへと送る。
対戦相手のフィールドには武装したセキセイインコのイラストである石製鎧インコが一体存在している。
このセイントカードというカードゲームのルールは、架空のアニマルをコストを払い召喚して戦う内容となっている。ぶつかればバトルとなり、コストの差分のカードがデッキから休憩エリアに送られる。つまり先にデッキがなくなった方が負けとなりデッキが残っている方の勝ちとなる。デッキがライフポイントとなるのだ。
「ジャーマンシェパード鎧ララで石製鎧インコに攻撃」
ジャーマンマンパード鎧ララの攻撃力はコストと同じになるので5となり、石製鎧インコは2。
バトルが発生し、ジャーマンシェパード鎧ララよりコストが低い石製鎧インコは休憩エリアに送られさらにコストの差分の3枚がデッキから引かれ休憩エリアへと運ばれるのだ。
「柴犬鎧まるいちで攻撃」
さらに柴犬鎧まるいちの相手プレーヤーへの攻撃でコスト3の攻撃力となり、相手のデッキから3枚のカードが休憩エリアへと運ばれた。
この時、勝つことを諦めた対戦相手は降参をしたのである。このゲームのルールは相手が降参するか相手のデッキがなくなることで勝利となる。
今日、異世界でのセイントカード大会で優勝を果たしたのは犬使いの倉間大和であった。




