旅立ち
翌日、響子達は、応接室にて王子 ラファエル デルソルと会った。
「響子殿、昨日は時間を頂けた事に感謝する。
王の件ですが、まず王の座を退位して頂きます。
それから、この国から離れて頂き、辺境の地にて隠居生活をして頂きます。
勿論、今後政治に関わる事、全ての行事に関与できません。
本来なら、死罪を免れないところですが、王を死罪にすると
今後のこの国の政治に影響を与えかねませんので、ご容赦して頂ければと思います」
響子は、国の政治のことは 分からないが国の運営に関わるのであれば仕方ないと思った。
「わかりました。
その案で了承致します」
「有難う御座います。
今後、私は、王としての仕事を全うして参ります」
「それは、わかったが、他の事はどうするのじゃ」
「他の事とは?」
「王がしたとはいえ、この件に関わった者達の処分じゃ」
「それは・・・・・」
「当然であろう、命令とは言え、やった事は罪に問われる事じゃ
それは、どの様に片を付けるのじゃ」
ナディアの問いにラファエルは、少し考えた後に答えを出した。
「通常通りの罪に問わせます」
「そうか、ならば、この城の料理人は全員死罪でよいな」
「え?」
「当然であろう、料理を作ったのはあ奴らじゃ、そして、それに関与した者達、
剣を向けた者、その事を知っていて止めなかった者も皆、同罪じゃ」
「それは、余りにも・・・」
「お主には、それだけの事をしでかしたという思いは無いのか」
「そ、それは・・・」
「なんじゃ」
「そんな事をすれば、民たちの心は離れていきます」
「当然じゃな」
「そんな事になれば、この国は終わってしまいます。
ですから、これで許して頂けないでしょうか」
「主は、犯した罪を償わせることも出来ぬのか、
それで王とは片腹痛いわ」
「では、どうすれば良いのでしょうか」
「あ奴とて、わらわとウルドの友人じゃ、本来ならば許してやりたい気持ちもある。
しかし、事が大き過ぎた。
それゆえ、民衆の前にての死刑の執行。
そうすれば、すべての罪を償う事になるし、
この度の戦も両成敗で、新たに国の再建を目指す事も出来るであろう」
ナディアの意見を聞いて、ラファエルは、父を助ける道は無いと知り、素直に従う事にした。
「わかりました。
その意見に従いましょう」
「そうか・・・」
会談は終わり、響子達は、魔族の領地を去り、王都ドランに戻って行った。
響子達が帰った2日後、王都の広場にて、前王、ヨハネ デルソルの死刑が執行された。
王都ドランに向けて出発した響子達は、のんびりと馬車の旅を楽しんでいた。
「響子様、今回はお疲れ様でした」
「リリもお疲れ様。
それに、チャム達も頑張ってくれたね、本当にありがと」
「私達は、まだまだでした。
最後の最後で失敗をしてしまいました」
「はい・・・・師匠に恥を搔かせてしまって反省です」
「帰ったら、訓練をするぞ」
「はい!」
「師匠、僕も頑張るよ」
「響子・・・・私も訓練」
「そうだね、ルビも訓練しようね」
「オトヒメ姉さま・・・・」
「リリ、どうしたの?」
「私、魔法を覚えたいです」
「適性の問題があるのよ」
「分かっています。
ですから響子様、魔法のオーブを頂けませんか」
「いいよ」
響子は、魔法のオーブをリリに渡した。
リリは、オーブを使い、風の魔法を覚えた。
「オトヒメ姉さま、これで魔法が使えます。
ですので、訓練をお願い致します」
「わかったわ、リリ、お姉ちゃんが教えてあげるね」
「はい」
その様子を見ていたナディアが話掛けて来た。
「響子よ、今後はどうするのじゃ」
「うん、旅に出たりしようかと思っているよ。
王様の護衛も眷属の皆がいるし、屋敷の管理も大丈夫だから、
皆、それぞれにやりたい事をしてもいいと思っているよ」
「私達も旅をしてみたいです」
チャムが言い出し、子供達が賛成した。
「師匠、行きませんか?」
「仕方ない、付いて行こう」
「「「やったぁぁ!!」」
「じゃぁ、王都に戻ったら、それぞれに考えようね。
でも、予定は、メイドに伝えておいてね」
「「「はーい」」」
響子達は、馬車に揺られながら、今後の事を話し合った。
そして、また、一緒に旅に出ようと誓った。
おわり。
ありがとうございました。
不定期投稿でした最後まで書き上げました。
読んで頂き、有難う御座いました。
転生したのに、また家族を失った僕は、復讐を誓う
も宜しくお願い致します




