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ポーション屋の事情  作者: Rapu
第4章

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第105話 スタンピード⑪ 北門の詰所に

 レオおじいちゃんは、持っていたマジックポーションを使い切ったのか「そろそろ戻ろうかの。アリス、茶を淹れてくれんか?」と言う。「リアムよ、後は、ひよっこに任せようかのぉ」だって、レオおじいちゃんらしいです。


「エリオット、後は任せたぞ」


「マルティネス様……」「「……」」


 エリオット様達が呆れた顔でレオおじいちゃんを見る。


 リアム様が「エリオット副隊長、代わりの者を」と言って、2人の宮廷魔術師を呼び寄せると、深緑色のマジックポーションをいくつか渡していた。


 あれは、私が作ったマジックポーションじゃない……宮廷魔術団に納品されているマジックポーションかな?


「……リアム副団長、マジックポーションを頂いても宜しいのですか?」

「ありがとうございます。リアム副団長」


 宮廷魔術師の1人は、信じられないと言った様子で、まじまじとリアム様とマジックポーションを交互に見ている。


「ええ、数に限りがありますから、考えて使うように」


「「はい!」リアム副団長」


 もう1人の宮廷魔術師は、銀色の髪で青い目をしたルーカス・フェルナンデス様だった。リカルド様のお兄さんだ……目元が似ているかな。


 こっちを見たので軽く頭を下げた。何か言いたそうな顔だけどスルーします。又、『溺愛している孫』とか言われたくないしね。


「アリス、知り合い?」

「うん。タロウ、前に店に来た、公爵家のリカルド様を覚えているかな? そのリカルド様のお兄さんで、ドラゴン戦で一緒だったの」

「へえ……あいつの兄弟か」


 タロウ、公爵家の方を「あいつ」って……誰かに聞かれたら不敬だって言われるよ。テオも兄弟なのかと驚いているけど、あれ? 言ってなかったっけ。


「わしのMPは、すっからかんじゃ。邪魔にならんように戻るが、後はひよっこに任せたぞ」

「では、後をお願いしますね」


「「はい! マルティネス団長、リアム副団長」」


 その場を後にして、レオおじいちゃんは真っ直ぐ北門に戻って行く。私達もレオおじいちゃんに付いて行くけど、あれ? 街に入る時は、東門か西門を使うんじゃ……宮廷魔術団は関係ないのかな?


 ふと、空を見上げると、もう日が傾いている……あっという間だったな。


 ◇

 北の詰所に戻って、レオおじいちゃんが使っている大きなテントに入った。


 みんなにお茶を淹れて休憩です。


「ズズズ……ふう~、落ち着くわい。リアムよ、後はひよっこ達だけで十分じゃな」


「マルティネス様、早く終わらせる為にベテラン組も参加させます。後処理もありますからね」


 魔物の亡骸は、街から少し離れた場所に運んで解体処理をしてから埋めるとか。冒険者ギルドにも依頼を出すけど、穴掘りや焼却に時間が掛かるから宮廷魔術師も参加するそうです。


「まあ、後処理は研究員と新人に任せますけどね。そうだ、アリス、タロウもお腹が減っていませんか? あちらに軽食があるので遠慮せずに食べて下さい。テオ殿もどうぞ」


 そう言われると、朝食べてから何も食べてないな。


 テントの隅にあるテーブルに、銀色の丸い(ふた)がしてあるお皿がいくつか並んでいた。籠に山盛りのパンもあって、リアム様がお皿にいくつか料理を乗せてレオおじいちゃんに渡している。


 あっ、お腹が小さくグルグルって鳴った……お腹が空いていたんだ。


「リアム殿、ありがとうございます。遠慮なく、ご馳走になります」

「「いただきます!」」


 お皿には、一口サイズの料理が並んでいて美味しそう~! 小皿とフォークを取って、テーブルの端にあるお皿から順番に食べる。


 この黒いソースが絡まった肉はオークかな? 濃い目の味付けでパンを頬張ってしまう。ふふ。


 テオは、「旨い! これは酒が欲しいな!」と言って肉ばっかり食べている。タロウは左手にパン、右手のフォークで料理とパンを交互に口に入れている……タロウ、小皿を使った方がいいよ。


「ところでアリス……」


「はい、リアム様?」


 ……何だろう?


「今回は、片手剣に『聖魔法』を付けて貰って助かりましたが、人前では『付加魔法』を使わない方が良いですよ。馬鹿なことを考える連中が出て来るかも知れませんからね」


 リアム様に優しい口調で注意された。


「はい、リアム様……」


 テオが、「今回アリスは、偶々(たまたま)剣に付加を付けることを思いついたんです」と(かば)ってくれた。


「テオ殿、アリスが『付加魔法』を使えることは、わしもリアムも知っておるから気にせんでも良いんじゃ。ただ、リアムの言う通り、目立つと良からぬ奴が寄って来るからのぉ。気を付けた方が良いかも知れんな」


「えっ、俺は今日知ったのに……レオ様、御存じだったんですか?」


「なんと、テオ殿は知らんかったのか! この茶や、前にもらったクッキーや干し肉にも『聖魔法』や『回復魔法』が付加されていたではないか。フォフォフォ」


「ええっ!? ただ、旨いとしか……」


 今回、初めて『付加魔法』で『聖魔法』を付けるって願って魔法を使ったけど、普段使わないスキルはテオに話してないからね。


 今後、属性の付加が必要になる時は、なるべく人前で『付加魔法』を使わないように気を付けます。あぁ、属性魔法を付加した小さな魔法陣とか、魔道具が出来ないか考えても良いかも。



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