手紙
Kさんにチョコレートを渡した時に、実は一緒に渡そうと思って、僕は手紙を準備していました。
薄い緑色の葉書きに書いた僕の気持ち。
チョコを渡した日はお父さんがおられたり、僕の勇気がなかったり、その後も平日はなかなかタイミングがなく、一週間ほど渡しそびれていました。
そこで、次の週末、お父さんが付き添いから帰られた後、二人きりになれた時に彼にやっと手紙を渡しました。
「Kさん。もっと前に渡す予定だったんだけど、手紙を書いたから渡すね。」
『ん?』
という感じでKさんは手紙を受け取り、その手紙を何も言わずに、まじまじと見ていました。
僕が見ていたところ、二回ほど読み返してくれていたような気がします。
Kさんへ
遅くなったけど誕生日おめでとう。そして、バレンタインの僕の気持ちも一緒に贈ります。
「ずっと好きだったよ。」
Kさんが病気になって初めて本当の僕の気持ちに気がついたし、心から愛していることを知ってほしかった。体調が優れない日もあると思うけど、僕ができることは何でもするよ。
いつでも想ってるよ。ずっと一緒にいたい。触れ合っていたい。見つめていたい。
Kさんの可愛い笑顔、また見せてね。でも、泣いてもいいからね。
そのときは、僕も一緒に泣いて抱きしめてあげるね。
もっといろんなことを書きたいけど、書く欄もなくなっちゃった。最後に、心から愛してるよ。
ヒロピーより
僕はチョコを買った日の夜、寝ているときに手紙を渡そうと思いたち、布団から出て、そのまま手紙を書きました。
Kさんにはメールをしたことのあるような内容も書きましたが、彼はメールをじっくり見てくれているかもわからないし、データはいつか消えるかもしれない。
僕が書いた、初めてのラブレター。心を込めて書きました。
Kさんは、あまり心配事を他人に相談するような人ではありませんでした。
しかし、一緒に不安や心配事も共有したい。僕が少しでもその役になれたらと思っていました。
そして、僕の気持ちが少しでも届いてくれたら。そう思っていました。




