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49 これってNTRかぁ…?

蛇足です。

何だかちょっと消化不良な章になってしまいました。

でもコレは書いて置かないとイケないと思った話なのです。

一応この小説は約百話前後で終わらせる予定で、その折り返し点なのでこう言う話を入れました。

どう完結させるかは最初から決めて居るのですが…その章は、規制解除版をノクターンに乗せる事に成るでしょう。

「雨宮俊先輩、好きです、わ…私とお付き合いをしてくれませんか!」

オレは放課後に俊と一緒に帰ろうかと思って、声をかけるためにマンガ部の部室前に来て、丁度ドアを開けようとした時にその声が中から聞こえて来た。

オレは静かにドアを薄く空けて中を覗くと…マンガ本やパソコンが雑然と置かれて居る部室の真ん中で、少し長めのボブヘアにメガネを掛けた新一年生の赤いリボンタイをした女子が、俊と二人切りで対峙して居た。

女子は顔を赤くして俊を見つめ、俊はやや呆気に取られ狼狽えて居る様だ。

部室には窓から西日が入って来ていて、赤い陽光の中に佇む二人は…青春の一コマと言った風情だった。

(ほぉ〜う、俊を好きになる女子が居る何て、中々に見る目が有る女の子じゃあ無いか…)

オレはそう思いながら、何か胸の奥にチリッとするものを覚えた。

オレは二人を邪魔しない様に、静かにドアを閉めてソロリソロリと部室前から離れて行った。

(俊はあの子の告白を受入れるのかなぁ…まぁ彼女が出来たとしてもオレと俊との友情は、変わら無いけどね)

等と考えながら、マンガ部の在る部室棟から出る。

校庭に出ると、ジャージ姿の一団が校門に向かう所に出くわした。

「おぉ~い、真琴ぉ~っ」

ジャージ姿の一団の一人が、オレに声をかける

「あぁ~遊馬かぁ…なにしてんだ?」

オレが応えると、遊馬はオレの側まで走って来て言った。

「水泳部の部活だよ、冬季や春先は近くの市民温水プールを借りて部活の練習をしてんだよ、今から行くところなんだよな」

遊馬はそう言って、オレと並んで歩き出した。

「へえ、水泳部って今頃でもそんなにしてまで部活してんだ」

オレがちょっと感心した様に言うと。

「当然だよ、ウチの水泳部はこれでもインターハイ上位の常連校なんだぜ、だから冬季や春先だろうと練習はするぜ…それに今日は新入部員達を、練習場所の市民温水プールの場所に、初めて連れて行くところだったんだ」

遊馬はそう言って、後を付いて来るジャージ集団を見やった。

オレもそれにつられてジャージ集団を見ると、以前見た水泳部の部員達の他に、初々しいジャージ姿の一団が居た。

「今年の新入生は、六人も女子が入ってくれて、ワイとしては大喜びだぜ」

満面の笑みで遊馬は言う。

「えっなに、あの美少女は一ノ谷先輩の彼女さんなの?」

「えぇ~私、一ノ谷先輩ってフリーだと思ってたのに」

「未だ彼女だと決まった訳じゃあ無いかも」

「そうよね…一ノ谷先輩なんかにあんな美少女の彼女何て出来る筈無いよね」

「DT男子のオーラがバリバリだもんねぇ」

後ろの新入部員女子達から、そんな事を言い合って居るのが聞こえて来た。

「こ…コラーッ、確かに真琴はワイの彼女とかとは違うけどな、もうちょっと言い様があるだろうがよ」

遊馬は振り返り、肩を怒らせて新入部員女子達に言うけど、彼女達はキャッキャッと笑って、遊馬の声を受け流して居た。

(ハハッ遊馬の奴、新入部員女子達に遊ばれて居るな…まぁそれくらい新入部員達にもう親たわれてんだろうな)

オレはそんな風に思えて、少し微笑んでしまった。

遊馬達とは校門で別れたて、一人でバス停までの道を歩く…。

茜色の夕焼け空を見上げながら歩いて居ると、先程の俊の告白場面を思い出した。

(俊はあの女子の告白を受入れるのかな…そうなると俊は彼女持ちか、遊馬が先を越されて悔しがるだろうな)

オレは悔しがる遊馬の顔を想像して、ちょっと笑う。

(オレ達三人の内で俊が最初に彼女持ちになるのか、遊馬もひょとしたらあの新入部員女子の中から、彼女が出来るかもな…オレは、彼女と云う訳には行か無いからなぁ〜)

等と思って居ると、俊があの女子と二人で楽しそうに学校に登校して来たり、一緒に笑い合って手を繋いだりして居るところの想像が頭に浮かんで来る。

すると何か分から無いが、ザワザワと胸の奥がした。

(?、?、?、?、?、)

オレは自分の感情の変化に些か戸惑った。

     ーーーーーーーーーー

オレはマンションに帰って来て、夕食やお風呂を済ませ自室のベッドに寝転んで居た。

普段ならリビングで奈っちゃんと遊んだり、TVでサブスクのアニメや映画を観たりして居るのだけど…何故か今日はそんな気になれなくて、ベッドでボーっとして居たのだ。

するとまた、あの女子と俊が楽しそうに語らって居るところが頭に浮かんで来た。

オレは眉根を寄せてその妄想を払おうとするが、一度思い浮かんで来たそれは消えてくれなかった。

やがて想像の中の二人は、顔を赤くして見つめ合い唇と唇が徐々に重なって行く…。

オレの胸のざわめきがより一層強くなった、オレは手足をバタつかせて枕に頭を突っ込んだ。

(なんだよ!なんだよ!!何んなんだよ!!!)

オレは訳も分からずひどく動揺した。

(この感情は何だ?焦燥感なのか…何をオレは焦ると言うんだ、俊に彼女が出来たからって…オレと俊との友情は変わら無いはずだ)

オレはベッドの上で一頻りジタバタした後、疲れて伸びて静かに仰向けになった。

(俊があの女の子と付き合う様になったら…いつかSEXもするんだろうな…)

そう思い至った時…オレの胸の中のザワメキが激しく乱れ出して…オレは自分の感情が乱れる理由に気づいた。

(何だよ…コレってNTRかぁ?…イヤイヤ俊とオレとは男と女としての肉体関係とか未だ無いんだから、寝取られとか浮気とかには当たら無いだろうが…じゃあOSS(オれがサきにスき)だったとかなのかぁ…イヤでもオレは俊や遊馬とは精神的同性だから、本当の恋愛関係には成れない訳で…だけど何時か俊と遊馬とにオレに赤ちゃんを授けてもらう為に、SEXをする事を…オレは希望していて…)

オレの思考は千々にまた乱れて、再び手足をバタバタさせて居ると…。

バサッ

「うわっプッ」

オレの顔に、ベッドの横の棚から、小冊子が落ちて来たのだ。

その小冊子は、ケータイの中の気に入った写真をプリントアウトして、まとめて置いたフォトアルバムだった。

「何だよ、もう…」

そう言って、そのフォトアルバムを顔から取り上げた時、パサパサと数枚の写真がまたオレの顔に落ちて来た。

オレは顔に落ちて来た写真を見て、微妙な表情になる、それはフォトアルバムの裏表紙に隠して置いた…俊や遊馬と秘密基地で、お”ピーッ“を見せ合いっこした時の写真だった。

オレは友人達のお“ピーッ”見て、可笑しみとも何とも付かない苦笑の様な笑みが涌いて来た。

(ハハハ…あぁ~そうか…そうだったよな、コイツらのこの何だか懐かしい様なお”ピーッ“だったら、オレも身体の中に恐れる事無く受入れるられてSEXが出来るんじゃあないかと思ったんだだっけな)

そう思い出すと、胸のザワめきが少しずつ落ち着いて来て、オレは冷静に考えられる様になって来た。

(オレのこの胸のザワめきは…オレが女だと云う事を受け入れて行くうちに芽生えて来た物で、恋愛感情とはちょっと違うんじゃあ無いかなぁ…)

オレは静かに深呼吸して心を落ち着かせて、ぼんやりと天井を眺めながら黙考する。

(オレは本当の意味で俊や遊馬…イヤそれ以外のどの男とも、恋人にはなれないんだよな、身体は女性化しても…オレが女だと云う事を受入れたとしても、男だった頃の心は無くなりはしないんだから)

隆々とした物を股間から勃たせて居る、かつての自分の写真を見て、オレはそれを放り投げる。

次に俊と遊馬が、同じく股間から勃たせて居る物を、誇らしげに見せ付けて居る写真を見た。

(俊や遊馬に、本当の女の子の恋人が出来る事は良い事だし…その娘達とSEXをするのはそれが自然な事何だよな…)

オレはもう先程の様な焦燥感には襲われ無っかたが、何だか淋しい様な思いがして来た。

     ーーーーーーーーーーーー

次の日は雨だった。

オレは昨夜色々と考えて居たので、ちょっと寝不足気味だ。

教室に入ると、オレは思わず俊の姿を探した。

俊は窓際で、何人かの男子達と駄弁って居るのを、見つける。

見た感じ特に変わった様子は無いようだ。

オレの視線に気づいた俊は、ニカッと笑って手を振って来た。

オレも軽く手を振って応えて、自分の席に付いた。

(昨日の告白して来てた女の子とはどうしたんだろう、見た感じ彼女が出来て浮かれてる様な様子は、無い見たいだけど。)

やがて明里や千秋等も登校して来て、HRまでの一時を彼女等と駄弁って過ごした。

その日の授業は一時間目二時間目と過ぎて、三時間目は体育だった。

「今日の体育は、校庭が雨で使え無いので、体育館で男子女子共にマット運動になった」

体育教師が、体操服に着替えて体育館に集まった、オレ達を見ながら言う。

「それで体育用具室から、マットを二組持って来てもらうんだが、今日の日直は誰だ?」

体育教師が言うと。

「はいっ」

オレが今日の日直だったので、手を上げて答えた。

「ん…女子一人か、男子の日直はどうした?」

オレ一人しか手を上げないのを見て、体育教師は訝しむ様に言う。

「今日の日直の山田は、腹が痛いと言って保健室に行きました」

男子の一人が体育教師に言うと。

「何だしょうが無いなぁ、それじゃ出席番号一番の雨宮俊、女子一人じゃあマットを運ぶのは大変だろうから手伝ってやれ」

体育教師は出席簿を見て、俊に言ったのだ。

体育教師に言われて、オレと俊とで体育館横の体育用具室に向かった。

体育用具室の中は、雑然と色んな物が詰め込まれて居て、マットが何処にあるのか分からず少し探す事になった。

「俊…マットは有ったかぁ~」

オレが、陸上競技用具が置かれて居る辺りを、探しながら言うと。

「無いなぁ…コッチは体育祭関係の物ばかりだぁ〜」

オレとは反対側を探して居た俊が答えた。

「あっ、有ったよ…パーティションの後ろに、マットが何枚も積まれて居るよーっ」

オレがそう言って俊を呼ぶと、直ぐにやって来て積まれたマットを下ろす手伝いをしてくれた。

十枚以上のマットが乱雑に積まれて居るので、上の方がちょっとグラグラして居たのだが…。

「何か少し危ない感じだなぁ、上から二枚だけマットを下ろせるかなぁ?」

オレがちょっと危ないそうに言うと。

「たぶん大丈夫だろう…ボクがマットに登って下ろすよ」

そう言って、俊がマットの上によじ登ろうとした時、乱雑に積まれたマットが崩れ出した。

「俊、危ない、崩れる!」

「真琴、そっちに崩れるぞ逃げろ!」

ドドドドドッ

何枚もの崩れたマットが覆い被さって来て、それを止めようと俊が間に入って来たところまではオレは見た。

マットに押し倒される様に倒されてオレは目を瞑ってしまい、それから何枚ものマットが落ちて来て下敷きになったのだった。

「いったぁ〜、俊〜大丈夫かぁ?」

崩れたマットの下敷きになって、身動きが出来なくなってしまったオレは、俊に声をかけると。

「ボクは大丈夫だよ」

思いの外近くで俊の声が聞こえたので、驚いて目を開けると…俊の顔がオレの顔の真ん前にあった。

仰向けに倒れてるオレに、覆い被さって密着する様に俊が居た。

「えっ、うわっ、俊、身動きが取れない、離れて」

「イヤ、ムリムリ、押し潰され無い様に踏ん張るだけで精一杯だから」

「…………」

「……………」

オレと俊は、何とも言えないバツの悪さで押し黙る。

「だ…だれか、助けに来てくれるよな…」

オレは気まずさを払拭しょうと、兎に角に話そうとした。

「ボク達が…体育用具室からいつまでも戻ら無かったら、先生か誰れか見に来るだろう」

俊はちょっと素っ気無さ気に言う。

オレはその俊の態度に違和感を覚えた時…密着する下腹の辺りに硬い物が当たってる事に気づいた。

「俊…お前…勃起してんのか?」

オレはちょっと焦りつつ言うと。

「し…仕方無いだろう、こんなに身体を密着させたら…」

俊の云う通り、顔は今にもキス出来るほど近く、オレの胸は俊の胸に押し潰されそうにくっついて居る。

しかも俊の下半身はオレの両太腿の間に有って、今まさに正常位でSEXをしそうな体勢なのだった。

「お前なぁ、昨日結構可愛い女子に告白されてたんだろう、その娘に悪いとか思わ無いのかよ」

オレは、股間に当たる物の気不味さを誤魔化す様に、ちょっと非難するかの様に言った。

「き…昨日のって、何故知ってんだよ!」

俊が驚いて聞き返して来る。

「あ~ちょっと、昨日マンガ部の部室まで行ったんだよ、そこで丁度お前が女子に告白されてるところでさ…でもお前等の邪魔にならない様に、オレは直ぐ帰ったんだよな」

オレはウッカリ口を滑らした事を後悔しながら、素っ惚ける様に言う。

「はぁ~、あれを見られてたのかよ」

俊は、少し呆れた様に言った。

「そ…それで、あの娘と付き合うのか?」

オレは好奇心満々の様に振る舞って聞くと。

「断ったよ」

俊は素っ気無く一言言った。

「えーっ断ったってぇ、勿体ない!」

オレは自分の中で安堵して居るのを感じながら、さも意外そうに言った。

「も…勿体ないって」

俊は…呆れ訝る様に言い返す。

「だって初めての彼女が出来るんだよ、晴れて彼女持ちになれるんだよ…まさにアオハルだよな」

オレは、自分の中の罪悪感を隠すために、更に軽口をたたく様に言う。

「イヤ…アオハルって言われても…」

俊は困った様に苦笑いをする。

「彼女が出来るって…DTを卒業出来るかもだぜ」

オレは…ちょっと(からか)う様に言うと。

「ド…DTの卒業は、ボクは真琴でしたいんだよ」

俊はオレを真っすぐ見て、そう言った。

「!………!!」

俊の真っすぐな眼差しにオレは絶句した。

「真琴、言ったよね、何時かボクとSEXしても良いって」

「う…ん」

オレは俊から視線を外して言った。

「ボクはDTを真琴で卒業して、その後も真琴とSEXをして真琴を妊娠させたいと思ってる」

俊の真摯な言葉に、オレの胸の奥と下腹の奥がキユウゥ〜ンと反応した。

「あっ、でもオレは…本当の意味での彼女にはなれないから…」

しかしオレは、昨夜思って居た事を思い出して、惑いながら言うと。

「本当の意味での彼女になれないって…?」

俊が困った様に、更に言い募ろうとした時。

「おーい、雨宮俊、小鳥遊真琴、大丈夫かぁーっ」

体育教師が、何時までも戻って来ないオレ達を心配して、体育用具室にやって来た。

程なくオレ達は、マットの下から助け出されたのだった。

そしてその日は、俊はオレから目を反らす様にして、オレも何と無く同じ様にしたのだった。

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