42 オレの一糸纏わぬ全裸姿を描いてもらおうじゃ無いですか!
オレはバスローブを纏って襖を開けると、そこは二十畳はある座敷部屋であった。
その座敷部屋の南面には障子戸があり、障子戸は開け放たれて居て、その向こうに天井まである大きなガラス窓が嵌め込まれて居た。
今日の小春日和の陽射しが、燦々とその窓から座敷に入って来て居る。
部屋の東隅には、大きな文机が置かれて居て、机の上には色んな絵具や筆それに何に使うのか解らない道具類が置かれて居た。
そしてその文机の横に、目付きが鋭く老境に入った人物が、正座をしてオレを見てる。
「窓の側に立ってローブを取りたまえ」
やや嗄れた声で、その人物はオレに指示をする。
オレは指示通りに窓の側に行くと、ソコには畳の上に真っ赤なビロードの様な敷物が敷かれて居て、オレはソレの上に上がる。
小春日和の日光が差し込んで居て、オレは温かい陽射しに包まれた。
オレはそれからローブに手をかけたが…暫し躊躇してしまう。
車椅子の人物は、特に急かせる事も無く、オレを静かに見守って居る。
オレは一つ頷いて、意を決した様にローブを脱いだ。
オレの一糸纏わぬ裸身が陽光の中に曝された。
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オレは何時も通り、『Pメイド純喫茶』でアルバイトをして居た。
今日のオレのメイド服は、詰め襟でフリルで丸く囲われた胸元部分が透るレース生地になって居て、オッパイの谷間が透け見えする仕様になってる水色のパフスリーブのエプロンドレスで、それを着用して居る。
スカート部分は膝丈で、フリルたっぷりでフンワリと広がり、中には透けたレース生地のペチコートを穿いて、それから白いニーハイに、濃いブラウンのストラップシューズを履いてる。
そして…言う迄も無くパンティは、フリルで盛られた光沢のあるピンク色のナイロン製で、両サイドを紐で結ばれたヒモパンティだ。
そう言った格好で、オレは鏡の様にピカピカに磨かれたフローリング床の上を少し大股で歩く。
するとスカートの中が煽りで床に映り込み、ニーハイとパンティまでの生太腿部分はもちろん、キュッキュッと一歩事に捻じれ捩れるパンティの股ぐり部分が良く見える。
オレは殊更に、パンティが床に映り易く見え易い様に、配慮して歩いた。
決してスカートの中を男の客に見せ付け、自分が妄想と憧憬を集める見目が良い女だと云う優越感や高揚感などの、ゾクゾクする様な感じなど、感じて無いからな…絶対だ。
この『Pメイド純喫茶』では、パンティを客に見せる喫茶店なのだから。
「メイドさーん、注文を取りに来てーっ」
お客に呼ばれて席前まで行って、少し両足を前後に開き、微妙に腰を捻る。
すると床に映るパンティの股ぐり部分に、斜めに皺がより、それがお客の目を楽しませる。
ここに来る客は、皆さん床に映るパンティが目当てなので、注文もそこそこに床を凝視して来る。
オレは、サービスとばかりに腰を何度か捻って、パンティの股ぐりの皺に変化をつけて更にお客を楽しませる。
こう言う変化の付け方を、この店のコンセプトデザインをした爺さん…安達原覗右衛門が伝える古の艶技である下衣綾見せの術を伝授されたお陰である。
この技の所為で、オレは中々の人気店員になってしまった。
元々オレは、容姿的にもお客の目を引いて居たのだが、この技と週のうち三日間で夕方の三時間ほどしかここで働いて居無いので、店に来て出会えたらラッキーなレアモンスターの様な扱いになって居る。
だからバイト中は、オレはアッチコッチ引っ張り凧で、結構忙しいのだ。
今日も忙しく立ち回っていたのだが…何か鋭い視線を感じたのだ。
イヤこの店の中で、お客からの視線に晒される事には馴れて居る。
そもそもこのお店は、オレ達メイド姿の可愛い女の子と…床に映るパンチラを愛でる店なんだから。
だからオレの顔や胸元に腰付き、そしてスカートの中のパンティを、憧憬や妄想混じりの視線でジロジロ見られる事には馴れてしまって居る。
だけど今オレが感じてる視線は、邪な妄想混じりの視線では無く、もっと冷徹に観察する様な視線なのだ。
オレは何処から来る視線か確かめるために、店内をグルリと見回した。
すると店の奥のボックス席に、やや老境に入った位の人物が一人座って居る事に気が付いた。
その人物からは、情欲や妄想を含んだ視線では無く、冷徹にオレの全てを見通すかの様な観察眼が向けられて居たのだ。
オレは一瞬背筋に寒気が走るのを覚え、居ても立っても居られ無くなった。
オレは一旦バックヤードに下がろうと思って、事務室のドアがある方を見ると、店の共同オーナーの安達原覗右衛門の爺さんが、そのドアから店内に入って来た。。
「おっ丁度良い所に居たな、ちょっと付いて参れ」
オレの顔を見る也、安達原の爺さんはオレに言う。
アルバイトの雇い主であり、オレに下衣綾見せの艶技を伝授した師匠でもあるので、オレに否を言う事は出来無かった。
安達原の爺さんの後を付いて行くと、あの奥のボックス席に居る人物の所に、向かって行った。
「よう画鬼斉よ、この娘がお前に会わせようと思って居た娘だよ」
ボックス席の人物のところまで来た安達原の爺さんは、その人物の向かいに座りそれからオレの方を向いて紹介する様に言った。
「フム…なるほどのう、お主の言うだけの事はある」
画鬼斉と言われた人物は、オレを上から下まで舐める様に見ながら言った。
「コイツには、例の艶技の初伝は既に伝授済じゃよ、艶名を胡蝶と名乗らせて居る、今は中伝を修行させてるところじゃ」
安達原の爺さんは、自慢気にオレを見て言う。
(艶名とは、オレが艶技を披露する時の芸名の様な物なのだが。)
安達原の爺さんは、それからオレに修行の成果を披露する様に、手振りで指示を送って来た。
オレは爺さんの指示に従って、修行の成果を店内で披露する…事になったらしい…。
(安達原のクソ爺…もとえ、お師匠様の何時ものムチャ振りかよ、しょうが無えなぁ…やるか)
オレはメイド服のスカートの両端を摘み、やや持ち上げつつ両足を前後に開いて、少し屈む様にする。
いわゆる浅いカーテシーの様な姿勢になった。
コレが、スカート着用時の綾見せ艶術の、礼式なのだ。
オレはソコからピョンと垂直に飛び上がり、クルリと身体を捻って一回転する。
するとスカートとペチコートがフワリと舞い上がり、ペチコートのレース越しにオレの穿いてるピンクのヒモパンティが、垣間見えた。
「フム、適度の輪舞、良く研鑽しているな胡蝶よ…余り勢い良く回ると、スカートが舞い上がり過ぎて、パンティがモロ見えになら無い様にする…飽く迄も垣間見える位に留める方が、もっと見たいと云う男の欲を刺激して魅いらせる事が出来る…これぞ綾見せ術の術理その一じゃ」
安達原の爺さんが、艶技の解説?…をする。
次にオレは片膝立ちで蹲むと、立てた膝を少しずつ開いて行く。
するとスカートの裾とペチコートの間から、オレの鼠径部の微妙な捻りに依って、斜めに皺と食い込みが入ったパンティのクロッチ部分が少しずつ見えて来る。
(クロッチ部分とは、パンティの股ぐり部分で、女の子の秘蜜の渓谷部分が当るので、内側に木綿の内張りをして生地が二重になって居る処で、ここにオレの鼠径部の捻りや仙骨の巻き込み腰骨の操作で、どの様な皺や弛みや引き攣り食い込みを依らせるかが、綾見せ艶技の極意なのだそうな)
足を半分ほど開いたところで、オレは次の姿勢に移行する。
「そうじゃ、大股は開くものじゃ無い、モロにパンティを見せ無い事こそが、綾見せの巧みで微妙なところなのじゃよ」
また安達原の爺さんの解説が入る。
オレはスカートを尻の下に敷か無い様に気を付けて腰を下ろし、体育座りの様な姿勢になって背中を屈める、そして一方の足を前に投げ出し、もう一方の足は膝を立てる、それからまた立てた膝を少しずつ開いて行くと。
今度は臀部を前後互い違いにズラす様にして、クロッチ部分に微妙に陰唇の形を浮かび上がらせたパンティが見えて来る。
「フムフム…クロッチ部分に仄かに陰唇の形の表出させる術を、良く体得しておる様じゃのう」
今度はあの冷徹にオレを観察して居た画鬼斉さんと言う人物が、興味を持った様に感想を述べたのでオレはちょっと驚いた。
「フフ…どうじゃ少しはエモーショナルが湧いて来んかな?」
安達原の爺さんが画鬼斉さんに言う。
「未だ何とも言え無いが…或いは」
画鬼斉さんは自分の頬を撫ぜながら言った。
オレは、安達原の爺さんと画鬼斉さんのやり取りがちょっと気になったが、そのまま次の姿勢に移った。
次にオレは立って上体を屈めて、お尻を突き出す姿勢になる。
生地の余裕とフリルいっぱいのメイド服のスカートは、深いドレープが入るためどれだけお尻を突き出しても、今一つお尻の丸みが分かり辛い、そこでオレはスカートの生地を前の方に手繰り寄せて行く。
するとスカートの裾だけがずり上がり、ペチコートの薄く透ける生地越しに薄っすらとパンティが透けて見えて来る。
「フム、尻突き出しは本来はミニスカの時の姿勢なのじゃが、裾丈の長いメイド服のスカートで、この様に透かし見えの術を使うか…良く機転が利いておる様じゃな」
安達原の爺さんが面白そうに言った。
次にオレは上体を起こして真っ直ぐに立ち、スカートとペチコートを少しずつ摺り上げて行く。
あと少しでパンティのクロッチ部分が見えると言うところで、スカートの摺り上げるのを止める。
それからオレは、アイリッシュダンスを踊るかの様に、軽快にステップを踏む。
すると床にパンティのクロッチ部分が、オレのステップ事に捩れ捻じれ引き攣り突っ張り食い込む様子が映して出された。
画鬼斉さんは、真剣な眼差しでそれを見入って居た。
安達原の爺さんは、ちょっとニヤニヤして画鬼斉さんを見て居る。
一通りのステップを踏んで、スカートを下ろし小さく礼をすると、周りから拍手が起こった。
いつの間にか店内のお客がみんな、ボックス席の周りに集まって居て、オレの艶技の披露を観ていた様だ。
「いやぁ~、奥のボックス席の方で何かが始まった様に見えたので来たのですが、良い物を見られましたよ」
「こう云うパフォーマンスのイベントは、事前に告知してもらいたかったなぁーっ」
「ウオオォオォーーッ、Pメイドのレアキャラのマコちゃんのパンチラダンス、すげ〜っ」
「今のパフォーマンスは別料金なのか、是非またやって下さい、料金は払いますぅ!」
お客達は口々に、オレの艶技披露の感想や賞賛を掛けて来た。
そして安達原の爺さんが、画鬼斉さんに詰め寄り問うた。
「どうじゃ、お前のお眼鏡に叶ったかのう?」
「うむ…コレならやれるかも知れん…」
画鬼斉さんは頷きながら言った。
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次の休日に、オレは安達原の爺さんに呼び出された。
『Pメイド純喫茶』の事務室に行くと、安達原の爺さんはオレをわざわざ応接室に案内して、そこで爺さんの話を聞く事になった。
「休日に来てもらって、済まなかったなあ」
爺さんの向かいのソファーに、オレが腰を下ろすなり爺さんはそう言って来た。
「いえ、今日は特に予定も無かったので…」
オレはそう答えてながら、違和感を覚える。
安達原の爺さんはけっこう傍若無人なタイプの人で、他人の予定等に斟酌する様な事はあまり無いから、オレは不審に思った。
「実はお前…イヤ、小鳥遊真琴嬢に折り言って頼みたい事があっての」
オレの名前をわざわざ言って、頼み事をするなんて…何か嫌な予感がした。
「この前、画鬼斉と言う男と引き合わせただろう、実は彼は画家でな日本画の画壇ではそれなりに有名な奴なんじゃよ」
安達原の爺さんは、勤めてニコやかに言って来る。
「はぁ、そうなんですか…」
オレも曖昧に微笑みながら言う。
「奴は数年前に病気を患ってな、以来筆を折って作品を描いて居なかったのだが…最近また作品を描こうとして居るらしく、ワシにモデルになってくれる娘は居ないかと言われてたのじゃよ」
「え〜と…オレ、いや私にその画家さんが描く作品のモデルになれと言う事ですか?」
オレがそう聞くと安達原の爺さんは、やや困った様な表情になった。
「端的に言えばそうなのじゃが…出来ればモデルになる事を断って欲しくは無いのじゃが…些か若い娘には酷な依頼でな」
「些か若い娘には酷な依頼、ですか?」
オレは安達原の爺さんらしく無い、歯に物が挟まった様な物言いに、ますます嫌な予感がした。
「つまり、奴の依頼は…裸体画のモデルで、いわゆるヌードモデルなのじゃよ、しかも場合に依っては…縛られたり、若い男と裸で絡んだりする“あぶない絵”と云う物のモデルなのじゃが」
「はあ〜〜っ⁉」
オレは、我ながら素頓狂な声を出して驚いた。
「そんな、オレにエロい絵のモデルになれと言うのですか、オレは未だ未通娘ですから処女ですからね見知らぬ男とSEX何て出来無いですよ、第一に十八歳未聞でヌードモデル何て法律違反に成りませんか、オレは未だ十六歳ですからね!」
オレは捲し立てる様に言って、安達原の爺さんに詰め寄った。
「待て待て、若い男と絡むと言っても別にSEXをしろと云う訳じゃあ無いぞ、まあ裸で抱き合う程度の事じゃよ」
爺さんはやや怯みながらもそう言った。
「それ程度でも充分に大事ですが」
オレがまだ不満気に言うと。
「この頼み事は、出来れば断って欲しく無いのじゃが、画鬼斉が出す報酬の他にワシからも礼金を出すから」
安達原の爺さんは、オレを懐柔しょうとするが…オレが憮然とした表情で首を横に振った。
「はぁ~っ、そうか…」
安達原の爺さんは溜息を吐いて、肩を落とした。
その様子にオレはちょっと、罪悪感を覚える。
「これは言わない様に言われて居たのじゃが…奴の病気が再発しての、余命は持って今年いっぱいなのじゃよ、だから奴が今描こうとして居る作品は生涯最後の作品となるじゃろう…」
ソファーに身を沈め、肩を落として銷沈した安達原の爺さんを見て、オレは更に罪悪感に苛まれた。
「わ…分かりましたよ、ヌードモデルに…オレの一糸纏わぬ全裸姿を描いてもらおうじゃ無いですか!」
オレは些かヤケクソでそう言った。




