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【完結】立場を弁えぬモブ令嬢Aは、ヒロインをぶっ潰し、ついでに恋も叶えちゃいます!  作者: MEIKO
最終章・幸せな日常

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96/96

96・この世界は…(終)

 出来ることなら、キャロラインには会って貰いたい。だけど…ずっとルーシーの行動で被害を受けてきたキャロラインに、それを頼むのは…気が引ける。


 それで事前に、キャロラインに聞いてみることにした。何故今日呼ばれたのかも知らない親友は、疑うことなくただ待っていてくれて…だけど流石キャロライン!全く動揺することなく、そんなことだと思っていたわ!と笑った。す、凄い~!やっぱり元だけど皇太子妃内定者で、帝国有数の公爵家の令嬢…物凄く肝が据わっている!これはお兄様が、惚れる訳よねぇ。それから…


 「会っていただいてありがとうございます…キャロライン令嬢。本当に数々のご無礼、申し訳ありませんでした!」


 そして膝に顔が付かんばかりに頭を下げるルーシー。それにキャロラインは、頭を上げて欲しいと静かに言った。


 「私、ずっとあなたに嫉妬していたんです。私にないもの全てを、あなたが持っていると思って。そしてアリシアがあなたを庇う姿を見て、もっと我慢出来なくなってしまいました。赦していただけるとは思っていません!それだけのことをしましたから。ですが…アリシアと友達でいることだけは、許していただけないでしょうか?それを取ったら、私には何も残らないんです!」


 そしてルーシーは、大粒の涙を溢した。赦して欲しいとは言えない!だけど私とは友達でいたいなんて…それがあなたの、最後の頼みなの?そしてキャロラインを見ると…まるで女神のように微笑んでいる。クハっ…尊い!


 「私もその気持ちは分かるわ!ずっとアリシアに救われていたから…。だからそれは認めます!それがあなたの今後の人生の御守りになるのなら…どうかお元気で!」


 ずっとアリシアに救われて…そのキャロラインの言葉で、ルーシーは自分の間違いに気付いたようだった。キャロラインが全てを持っている?そんなことはなかったのだと。キャロラインだって自分と同じく、空虚な心を抱えていたことを…

 まるでそれを悔いるようにルーシーは目を閉じて、それから目をゆっくりと開く。そして…


 「ありがとうございます!これからは人を羨むことはせず、自分の力で生きて行こうと思っています」


 そう力強く言い切るルーシー。もしかして学園を退学することにしたのも、それもあってのことかも知れないわね。きっとルーシーは、大丈夫!


 それからジャックマン父娘は、ランドン邸を後にした。今生の別れではないだろうが、暫くは会えないだろう…だけど元気で!また会いましょうと笑顔で去って行く。それに私とキャロラインは、見えなくなるまで手を振っていた…



 そして私達は、いつもの日常に戻った。ルシードには一緒に行けないことを伝えると「だろうね?」と笑顔言われる。そしてそのままの笑顔で、エルバリンへと帰って行った…きっとルシードは、将来良い王様になると思う。何の根拠もないけど、私と友達だからね!

 ルシードがどこまで本気だったのかは知らない。だけどロッテじゃないけど、私だって自分の子供が生まれたら「お母さんは昔、王子様からプロポーズされたのよ!」って言ってもいいんじゃない?そして私が思うのは…


 この世界って乙女ゲーム?いいえ全然違います!私は圧倒的な美人でもないし、お姫様でもない。何の特徴もない、一般人です。それに異国の王子様に一目惚れされる訳でもないし、ある日ピシャッ!と神からの啓示を受けて、ソードマスターになって冒険に出る訳でもないもの。


 ここには私達の日常()()がある。笑って泣いて、怒って喜んで、そんな平凡で退屈な日常…だけど人からしたらそんなにつまらないと思う日常が、とっても愛おしい!大好きな家族、そして大切な親友達、そして名もなきエキストラ達がこの世界を造っている。それぞれにその人生があって、大事にその日を暮らしているんだ!そして自分が愛する人…


 そう思う人と暮らしたっていいじゃない!その人が元攻略対象者?ヒロインにフラれたら一生独身で、ずっと好きでいないといけない?バカ言ってんじゃないわよ!次にいくのが当たり前でしょう?

 その人そっくりな可愛い子供達に囲まれて、平凡な日常を送ろう。そして私がこの世界を創るんだ!私だけの愛しい物語を…



      ──The end.


※すみません…『49話 ベリーの記憶』が作中抜け落ちていました!(3月1日修正済)途中内容が可怪しいと感じた方が大勢いらっしゃったことと思います。申し訳ありませんでした!


 最後まで読んでいただいてありがとうございました!思いがけず、かなり長いお話しになってしまいました。長々とお付き合いいただきましてありがとうございます。読んでいただける方々がいたから、楽しんで書くことが出来ました。


         MEIKO


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