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【完結】立場を弁えぬモブ令嬢Aは、ヒロインをぶっ潰し、ついでに恋も叶えちゃいます!  作者: MEIKO
第11章・アリシア危機一髪

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83・愛の告白2nd

 そんなふうに和やかにお茶会が始まって、もう既に本来の目的であるウィリアム皇子のお人柄は…合格です!

 ジャックマンも言っていた殿下のおおらかな性格、それが誰の目から見ても滲み出ている。それはきっと、第二皇子だということもあるだろう。これまでは皇太子の重責とは無縁だったその立場。だけどこれから必須である帝王学、それも何だかすんなりと学べそうなんだよねぇ…皇帝陛下に似てるからそう思うのかしら?きっと本人の持つカリスマ性なんだと思う。そう確信してから私達は、見たこともないような量の美味しそうなケーキやお菓子、香り高いお茶をいただいて…


 「アリシア達は、兄上と同級生だったんだろう?君達の学年は凄く仲が良いし団結力があるよね。ずっと羨ましいと思っていたんだ!」


 ウィリアム殿下が笑顔で私達を見ながらそう言って、私も常々その幸運を感じている。そのおかげで毎日楽しいもの!


 「そうそう!私も学年が一緒だったら良かったな~って思ってたよ。おまけにせっかく帝都学園に入ったのに、後半年程で卒業なんだしね…」


 遠い目をしながらルシードがそう言ったけど、物凄く気の毒!せっかくここまで来たのに、後半年足らずでもう卒業。だけどこの経験がいい方に作用することを願うわ。出来ることなら命の危険がなくなり、騒動が早く収まるといいんだけど。それも出来たら、この帝国にいる間の解決を。そして堂々とエルバリンに帰って欲しいと思っている。


 「エルバリンといえば、スティーブ殿下が留学されていますよね。お元気でらっしゃるのでしょうか?」 


 副会長が何気なくそう尋ねている。もちろんそこに至った経緯など知らないからだ。それにウィリアム殿下は…


 「うん、お元気だ!精力的に勉学に励まれているようだよ。前は殆ど話してなどいただけなかったけど、今は手紙のやり取りなどさせていただいているんだ。皇太子の重圧から解放されて、朗らかになられたと思う」


 それに私達は、少しホッとした。半ば国から追い出すようなかたち(本人は気付いてないけど…)になってしまったけど、楽しくされているのなら良かった。これでホントに賢くなって帰ってくるかもよ?と思ったりして!


 「それでね、さらに元気付けようと、キャロライン令嬢とディラン様の婚約をお知らせしたんだよ。ずっとキャロライン嬢には酷いことをしてしまったと、気にしておいでだったから。それにディラン様といえば、私や兄上も尊敬しているお方だし。だからもう大丈夫ですとお伝えしたくて…だけど不思議とそれから連絡がないな?お忙しいのだろうか…」


 ──ドッキーン!それは…

 ち、ちょっと何故それを知らせる?そう思ってからチラッとキャロラインを見ると、嬉しそうに微笑んでいる。すっごく綺麗〜よっぽどお兄様が好きなのね?そしてあの言葉を思い浮かべる…


 『スティーブ殿下は、キャロラインを愛しておられる。それに今は気付いていないだけだ…』


 今頃、打ちひしがれてんじゃない?思ったより早かったな…

 だけど結局は、身から出た錆だわ。自業自得…自縄自縛とも言うわね?平家滅ぼすは平家よ!いけない…また思い出して怒り再熱しちゃったわ~


 またまた意識が脱線しちゃったけど、やっぱりウィリアム殿下っていい感じの人よね?見た目も三つも下なんて思えない程に体格もいいし、皇帝陛下と同じで人としての情もありそうだ。結局はクリスティーヌ次第になる。もしも望んで皇太子妃になるのなら、私は協力を惜しまないつもりだ。それはこの先ずっと…

 

 そして辞退したとしても同じだよね。友情は変わることなんてないから。だから…悩んだとしても、自分の気持ちに正直に決めてくれていいわ!そう思ってクリスティーヌを見ると…何だかとっても楽しそう!

 ハリー会長とジョーイ副会長に間に挟まれた席のクリスティーヌは、また私達と一緒の時とは違う幼馴染み特有の空気感でそこにいて…

 目の前のお菓子を取って貰ったり、甲斐甲斐しくお世話されている。こうやってずっと子供の頃から過ごしてきたんだろうな。


 「ところでハリーとジョーイは、クリスティーヌとは幼馴染みなんだってね。もしもクリスティーヌが皇太子妃になったとしたら、鼻が高いだろう?」


 いきなりぶっ込んでくるルシード。それは前置きなさ過ぎない?おまけに薄っすら笑ってんだけど…ワザとでしょ!それに幼馴染みの二人はどんな反応をするのだろう?副会長のジョーイは明らかに、クリスティーヌのことが好きなんだと思うけど…


 「なんだと!…クリスティーヌが皇太子妃に!?そんな馬鹿な!それは聞き捨てならない」


 隣国の王子相手だということを忘れたように、いきなり語尾強く叫んだのは…会長?副会長ではなく、会長のハリーだったことに驚いて。そういえばこの人も、卒業パーティーの時にクリスティーヌを誘ったのよね?もしかして…


 今まで、変わった人だとしか認識していなかったハリー・ディビス。公爵家の次男で、あらゆる面で天才肌だと言われている。ということは頭は相当切れるはず…だってお兄様が会長にと指名するくらいだもの。その先輩を改めて良く観察する。見た目は本当に悪くない!学園にいる時とは違って、今日は黒を基調とした衣装でバシッと決めている。黒いグローブをしてくるところも個性的だわね。それに高身長だし、女性にしては背が高いクリスティーヌと並ぶととってもお似合い!これも結局はクリスティーヌ次第だなぁ…


 「おや、ハリー。君は反対なのかい?私はこんなに立派なウィリアム様と結婚出来れば、クリスティーヌは幸せになれると思うが…違うかな?」


 それにバン!とテーブルを叩き、いきなり立ち上がるハリー。な、何だぁ~この人?と唖然として見つめると…


 「俺はずっと努力している…あれからずっと、強くならなければ…賢くならねばと。それは何故かと言えば…クリスを守りたいからだ!もう二度と怖い目には合わせない。いつも笑って過ごせるようにと…。だからクリスを幸せにするのは俺だ!」


 ──こ、告白ー?うっわぁ~


 クリスティーヌのお兄様を助けられなかったと…気に病んで強くなりたいと常に思っているのは聞いていた。だからディランお兄様を尊敬して、あのようになりたいのだと…そう聞いてはいたけど、それはその為だったの?クリスティーヌを守ろうと…

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