夢って……
最後の暗号を解読した。
そして、これをロッカーに入力すれば……!
やった! 脱出できた!!
超怖かったけど、脱出できた。エンディング、だ……。
え、映画化するの?
夢にまで見た東京ドーム公演を成功させた!
メンバーのみんなで打ち上げ……と思ったけど、わたしはちょっと、抜け出してしまった。なぜなら、なぜなら……!
わたしの大好きな、脱出ゲームが映画化されるから!!
高校の怪談!!
そのまま猛ダッシュで映画館に向かった!
顔バレしてるかな? 知らん! どうでもいい! マスクしてたら走れない!
うわぁ!!!
きゃあ!!!
ぎゃぁぁぁぁ!!!!
2時間叫び続けた。
……エンドロールが流れる。
とにかく、音楽が怖かった。
音楽がなければ、別に怖くなかったもんね。
ふん。
もうエンドロールだもん。
エンドロールは怖くないもん。
て、あれ!?
エンドロール見たら、私のプロデューサーじゃん!!!
そっ……か。
私たち、メンバーのみんなで、東京ドームまで行けた、って思ったけど。
本当は全部、裕翔Pの作曲力のおかげだったんだ。
私たちは、ただ、顔が……
やばい、なんでだろ。
泣きそう。
泣いてしまう。泣いてしまう。全ての真実、知ってしまった。そうだ、裕翔Pがプロデュースしてる男性グループDivisionも、たくさんドラマ出てる人気アイドルで……
いい。いいよ、もう。
もう、どうでもいいよ。ホラーも、怖い話も。
夢って、たぶんこう言うもんなんだろうな。
小さい頃からこうなりたいって思って、それが具体的な夢に変わってきて、そしてそれを達成して、でもその後に、じゃあ、その夢が他人の力だったって知ったら悲しくなる。夢なんて、夢なんて……
いい、と思う。わたしはまだ大学生で、就活シーズンもまだだもん。
次の夢を探そうか。いや、夢なんていらないさ。
私が、私自身で切り開く道。それだけを進んでいけば、いいだけ。
いいだけ、だよね……
もう、全てが嫌になってきちゃった……
映画館を出て、夜道を歩く。駅に向かう道、そこにあるベンチで私は、周りの目も気にせず、泣いて泣いて、そのまま、バタッと寝てしまって、朝起きてタクシー呼んで、そのまま学校に行って……
友達に、「大丈夫だよ。私がついてるよ」って言われて、「つらいならさ、やめてもいいんだよ」って。だから私は、そのまま、大学の最上階の25階の窓を開けて……




