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楠カリナと七不思議  作者: 音霧シオン


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5/8

第 5 話

ライターの取材だと言えば、卒業生が夜の学校に立ち入るのは容易い。


――あの時、僕が『魔の合わせ鏡』に襲われたトイレ。

……もっとも、今は現実側だが。


僕の時、そしてカリナちゃんの時も、『トイレで手を洗う』ことがトリガーだった。


洗面台の壁に付いた、長方形の鏡。

僕は自分の顔と、後ろに立つ『女』を一瞥した。


もう、やるしかない。


手を洗い、水を止める。


「私のこと、見た?」


反射的に顔を上げると、『5階の女』の顔が迫っていた。

その後ろに鏡は……ある!でも!!



「……お姉ちゃん、どいて?お兄さんとお話したいの」



――いつの間にか、赤いスカートの女の子と向かい合っていた。



赤い少女が小さく嗤う。



「お兄さんを帰してあげる。

だから……あのコを連れてきて」



真っ直ぐに射抜くような、鋭い瞳。

……逃げられない。そう思った。



――それからどうやって帰ったのか、僕は家のベッドで目覚めた。


慌てて文字を打つ。


「成功したよ」


深夜にも関わらず、直ぐにスマホが震えた。


「ありがとう。お疲れ様」


――素っ気ない返事。

でも、カリナちゃんは無事だ。


安心して、ふと気になった。

さっきの……どこまでが夢だったんだ?

スマホをどけた瞬間、膝の上の『ソレ』と目が合った。


「うわあああっ!!」


床に転がったのは……あの『赤い少女』そっくりの人形だった。


考えろ!考えろ!考えろ!

『コイツ』はどう対処すればいい!?

処分・分解・除霊……どれも危険かも知れない。

それなら――


「これ……昨日の夜の帰宅途中で拾ったんですが、詳しい場所は覚えてません」


交番に遺失物として届けた。


嘘は――吐いてない。

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