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孤独の人  作者: 神の恵み
現代編
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63/113

第63話 守秘義務

注意!!


この回も前半は前回の続きです。

不適切な可能性がありますので、そちら系が苦手な方は飛ばしてください。


「歯ブラシはあんのか?」


「あります、あります」


洗面所は脱衣所にあるため、歯を磨いていると浴室内の声が響いて聞こえる。


「ここはね…こう」


「あっ…」


美香の色っぽい声に、思わず歯磨き粉を吹き出しそうになって、口をおさえた。


『ぶふっ!』


盗み聞きがばれるとまずい。

そ~と脱衣所を脱出して、台所で磨いた。


「ふ~ 」



「そろそろ出るわよ~」


お姐さんの声が響く。

あ~ 何だかどきどきする。


「お兄さんは、寝室で電気を消して待っててね~」


それって、普通は逆じゃないのか?俺がベッドで待つの?

そんな疑問に答えない竹内が、俺を寝室に押し込んだ。


「いいですか? 電気を消しますよ? いいですか?」


「くどい!」


そう言って、ベッドに入ったが、俺は女性の右側に身を置きたい。

だが、このままでは逆になるな~と考えていたら、バスタオルに身を包んだ美香がドアが開けて入って来た。

ドアが閉まり、再び部屋が暗くなった。

俺はベッドから出て、彼女を迎えにいった。


「大丈夫? 見える?」


そばに行って、彼女の差し出す両手に俺の体が当たったところで止まった。

一瞬引っ込んだ手が、再び俺を探しあて、ゆっくりと抱き合った。


「あたたかい」


「高橋くんも…」


そして、美香を包むバスタオルをはぎ取った。

今度は彼女のお胸が、俺の胸に直接当たる。


「ああ、気持ちいい」


そう言って、彼女のおしりを撫でる手を、徐々に上に。

左手だけ彼女の後頭部を支えるように手を添えて、初めてのキスをした。

そのあと、ふたりでベッドに入り、上から順番にキスをする。

口、首、鎖骨、脇、そして左胸、右胸…。


彼女の全身にキスをしまくった。

さすがに格闘家か?と思わせる腹筋であった。


真っ暗のままの抱擁だった事もあり、彼女とはゴム無しだったが、既に2回暴発していて、きちんと制御できる圧力だった。


外に出した直後でも萎える事がない…また彼女の中にそっと入れた。




寝室には誰も来なかったのだが、翌朝、この部屋に誰もいない事に気が付いた。

そしてもうひとつ、朝から彼女を抱き締めて、体中が傷だらけな事に気がついた。

ほぼ、切り傷なのだろう。


彼女は小さな頃から拳法を習っていたそうだが、京極家に出入りしている父に連れられて、彩花のそばにいることが普通の事だった。


そんな12歳、小学校からの下校時に、中学生らしき人達に、近所の空き地に連れて行かれた事があったそうだ。

彩花はおとなしくしていたが、美香は立ち向かった。

その時は、本当にボコボコにされたそうだ。


そして、そのうちの一人が持っていた小刀で、美香の身体を切り付け、痛がる姿を見て喜ぶ変態趣味の男の子だった。


まるで何かの映画を真似るように、お腹や太ももなど外からは見えにくい所を浅く3㎝ほど切られ、血まみれになった。

おそらくだが、故意に傷跡が残るように、真皮細胞まで届くように切られたのだろう。



彩花は、リーダーらしき少年から手紙を預かっていた。


その事が切っ掛けで、彩花は美香を大事にして、美香も彩花を大事にしてきた。


後に、勝田の父の働きで、変態少年は足が不自由になるほどの目に会い、殴り込みの抗争に発展して決着したのだ。



今日で終わりだとでも思っているのか、美香は泣けるだけ泣いて、俺に抱きついていた。


「な~ 俺の愛人にならないか?」


「えっ 愛人って、都合のいい女って事?」


「そうだ。最初から結婚なんてしてないなら、分かれる必要もないし、気の合った時には、いつでも会える。どうせ美香は彩花から離れられないだろう?でも自由な時間が出来たら、俺に会いに来ればいい」


「俺は、美香が好きだ」


また泣きそうな顔をしたが


「俺は腹が減った~ カップ麺でも食べたいんだ」


「あ~ 私も」


まだ朝7時前だ。

電気ポットにお水を入れて、スイッチON。

おにぎりが1個あったので、ふたりで交互にかじる。


歯を磨き、髪を整えて、昨日の制服のまま、学校に行くことになる。

準備が終わったところで、再びキスをする。

美香のおしりは本当に俺の好みの大きさだ。


「あ~ だめ~ したくなっちゃう」


「そうだな、学校へ行こう。でもここってどこ?」


「大丈夫。私電車で来たから」


美香と一緒に学校へ行った。

学校に入る前までは、引っ付いて電車に乗り、手をつないで歩いた。

朝早かったので、他に生徒の姿はなく、当然、教室には1番乗りだった。


この姿を監視カメラで見た郷田課長は、勝田美香の表情から、俺たちの事を察したらしい。

この日、理事長室の昼食会に呼ばれてしまった。


最初は稲葉設備建設の工事日程表の確認だったのだが、最後に


「郷田課長から勝田美香さんとの2ショット映像の件、報告を受けました。恋愛に関して干渉するつもりはありませんが、校内では高校生にふさわしい行いを心掛けてくださいね」


「あっ!干渉はしないが、鑑賞はするという事か… 郷田、覚えてろよ!」


「ええ? 俺はただ…」


「いいか、上司と理事長との中立を破ると、その代償は高くつくぞ! それとな、監視カメラ映像は犯罪抑止の目的でのみ、利用されるべきものだ。警備保障の講習会をもう一度受け直せ。これは業務命令だ」


「高橋くん、これは単なる冗談なのに、郷田さんが可哀想よ」


「まだ分かっていないようですね。例えば、この学園に通う政治家の息子や、京進証券の嵯峨里美のプライベート映像が週刊誌に載ったらと…想像してみてください!とんでもない事になりますよ!」


「えっ…」


「これから郷田課長に部下を付けようと話をしていた矢先にこれだ。郷田課長!要するに、あなたは脇が甘いんだよ。逆に言えば、上司である理事長や俺から聞かれても、『防犯上の情報以外は何も話せない』ときっぱりと言い切るぐらいでないと、簡単に罠にはまるぞ!」


「なんなら今日と同じく、誰もいない早朝に、俺が誰かと手を繋いで登校しようか? 万一、その情報が俺の耳に届いたら、郷田課長、あんたは管理不足と守秘義務違反として解雇処分になる」



「理解できました、すみません。肝に銘じます!」



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