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【8】天使だよね?~エレンside2

連続投稿です

騙されたもの、道すがら拐われたもの、力ずくで連れ拐われたものこのカビ臭く薄暗い地下室には10人ほどの子供たちが力なく座り込んでいた


その中に春らしいワンピースを身につけた可愛らしい女の子が新たに拐われ放り込まれた


「あの!わたし、えーっと、・・・リーナと言います!」


驚いたことに立ち上がっていきなり自ら名乗った上にご挨拶なんてしてくれたのだ。

オイオイ、なんなんだこの子は?

ご挨拶の後、大人しくしていたかと思ったら暫くしてキョロキョロしていたリーナと目が合ってこっちにやってきた

大丈夫?って声をかけられたときに正面からその綺麗な顔を見たときには驚いた

今まで見たことがない綺麗で可愛らしい顔でこちらを眉を寄せて心配そうに私とアランの殴られて腫れた顔を痛々しげに見るその子は天使かと思いほどだった

思わず見惚れてしまって暫く返事を忘れててしまって更に心配かけてしまった


なにこの美少女!

こんな可愛らしい女の子、外だしちゃダメよ!!

拐われちゃう!って、拐われたからここにいるんだった・・・


私より酷く殴られ顔が腫れ上がっていた瞼もあげられないアランなんて痛々しいといって労るように優しく手を伸ばしてきた

なのに睨むなんて酷いぞ!

この馬鹿アラン。優しいあの子が謝って・・・もう


こんなやつなのに手当てしないとなんていって水桶のとこに向って行ったし


まって!そっちには煩いやつが!!

って、あぁやっぱりあのオジョーサマに絡まれてる


可愛そうにあのオジョーサマ相手に暫く頑張ってたけたけど、やっぱり諦めてしょんぼりとこちらに帰ってきて、ごめんって謝ることないのにぃ!


それで、更に私たちだけでなく他の子も暴力ふるわれたと聞いたときは悲痛な顔で労ってくれた

あぁ、みんなを心配してくれるなんて、やっぱりこの子は天使なのかしら


それで、あっちの男の子の方が酷く足まで折られてるって言ったら


そっちに行ってしまった


折角の天使が・・・


私は凭れたかかったままのアランがいるから動けない

リーナを目で追っていた


リーナはあの男の子の様子見てから、立ち上がり入口に移動したと思ったら

いきなり扉を叩き大声で叫びだした。この行動は、拐われて殆どの子がすることで珍しいことじゃないから他の子達はちらっと見ただけで興味が無さそうにしていた。

アランもチラ見しただけだったけど、あんた今、舌打ちしたよね。なんなのよ!


小窓から顔を覗かせた男に怒鳴られてたけどそれに負けない、張りのある威厳に満ちた声で治療するから沢山の布と水を要求した

奴等は予想だにしなかった要求に対して暫く面食らったように何も返せずにいたがまた怒鳴り散らして小窓を閉められた


それでもリーナは諦めずに扉を叩き声をあげていた

その必死な様子に興味なさげにしていた他の子供たちも注目していた


そして......


様子がかわったのは、リーナが扉に涙ながらにお願いと小さく呟いたときだった。


リーナのお願いの呟きが聞こえたとき、リーナのまわりにふわふわと漂う光が飛び始めた

眩しくはない仄かな虹色の小さな光

幻かと瞬きをすると光は消えていた


唖然と見詰めていると扉が開き男たちが食事のスープをもって入ってきた

地下室のここは時間の感覚はないのでこの食事が朝のものか夜のものかは分からないが数時間ごとに味気のないスープが与えられる。


売りに出すつもりならもう少し栄養があるものをくれればいいのに、この食事で考えるに餓死することがないようにとだけしてると伺える

食べ盛りの子供がこれだけで足りるわけないじゃん


私は、アランと2人分とって扉の側で佇むリーナが気になった。

そして声をかける前にリーナに1度出て行って男たちが水桶を布切れを置いて行った


最初は吃驚していたリーナだったがすぐに笑顔で男たちにお礼を言っていた


おいっ!

誘拐犯相手に何お礼なんか言ってん?!

ってか、ほら!いわれた男も呆けてる


もらった、布切れをすぐに水で濡らしてから子供たちに配っていた

私たちのところにも持ってこようとしていたから先にあの男の子に渡してあげてとジャスチャーしたらにこって笑って男の子のもとにいった

良い子だなぁ・・・変な人に騙されないといいけど・・・いや多分、騙されて拐われたんだろうなぁ

そう思ったが他の子達も食事を静かにはじめたので私は、いつの間にか眠ってしまったアランを放っておいて食事を先にはじめた

味気ない一杯だけのスープだけどなるべくゆっくり噛み締めるように食べた。

その方が食べた気になってお腹を満たすから。あの使用人部屋で監禁されていたときに気がついたのだ


時間をかけて食事をして一息ついたあと、再びリーナの方に目をやると目を疑う光景があった


また、リーナのまわりを小さな光が飛び交っていたのだ

さっきは瞬きの間に消えてしまって気のせいかともおもったけど、今度は何度瞬きを繰り返してもリーナを包む光はそのままだった

小さく淡い優しい光は強くなくぼんやりとしていた。

リーナに視線を向けている他の子供はいないようだった。

他の子には見えてないわけ!?

そうして見つめる先で少しずつ光は消えていった


暫く茫然と魅入っていた先で男の子様子が変わったことに気がついた

リーナが傍に行く前まで苦しそうに遠目でもわかるほど息をしていたのに今は穏やかになっていた

その男の子をリーナが優しい眼差しで髪を梳くように撫でていた

まるで、熱を出した時のお母さんの心配と慈愛とが入り交じった懐かしい優しい顔だった

って!あの子はまだ子供だぞ


足を折られて苦しんでいるのが少しの間に改善されるはずはない

本当にリーナという子は何者なのだろう?






「俺の飯ないのかよ・・・」


リーナがハンカチをくれたときに引き留めておきたくてアランの為に残しておいたスープをあげてしまったからね

ハンカチでアランの腫れた瞼に当て、リーナが去ったあとやっと目を覚ましたアランが開口一番に言った

あんた、絶対もっと早くに起きてたよね


「天使のように優しくて妖精のようにかわいらしい女の子にあげたわよ。

寝てたんだからいいでしょ」


私がそういうと思い当たったのかリーナのほうを睨み付ける


「・・・あの子が看病してあげたのよ・・・」


誰をとは言わなくても分かるだろう

それに睨むのをやめてよ。そのあてているハンカチはあの子がくれたものよ


「それもあの子がくれたのよ」


貴族じゃないと言っていたけどいいとこのお嬢様なのは間違いないようね

ハンカチとはいえこんなに高価な布が使われたものを簡単に人に渡すことが出来るなんてそういない


「・・・何者だ?あの子供?」


「子供って、私らもじゃない!」


「この生地の価値がわからずにくれたなら子供だろ」


思わず突っ込み入れちゃったわよ。

それにアランの久しぶりにフッと表情の緩んだ顔が見れた。


暫らくリーナを見ていたアランが何かに気づき立ち上がった

私もみてみれば、あの男の子が起き上がろうとしていた

リーナが支えながらだけど・・・

さっきまで苦しそうに横たわっていたのに・・・


そっと移動したアランに続いてついていくと先に男の子のほうがこちらに気がついた


「・・・起きて大丈夫なのか?」

「うん、少しはマシかな?」


アランが珍しく躊躇いながら話しかければ男の子ははっきりと返事を返してきた

その顔はまだ青白くアランたちと同じ様に殴られた痕が腫れていてそこだけ色が変わっていたが目が、目力がまた力強いものに戻っていた

宝石のサファイアのような濃い青の力強い目をして逃げ出す話をしてくれた男の子に戻っていた

上体を起して壁に凭れて座ろうとしているのに手を貸しながらアランが男の子にだけ聞こえるくらい小さな声でごめん・・・って呟いたのは聞こえなかったふりをする。

男の子はちょっと吃驚してたけどアランの謝罪の意図を理解してたのか頷くだけをした。


私たちに構わず逃げれば今は安全な場所で保護されてたかもしれないもの


その後、リーナが名前を尋ねてくれて男の子改め、リックと名前が分かった。年は6歳ってリックもしっかりした子だわ

やっぱりエーデルワイズの子だった

リックは起き上がり座りこそ出来てもまだ、話したりは辛そうで、壁に凭れかかった状態で隣にリーナが座り気遣っていた

辛いなら横になった方がいいと言ったけど大丈夫と言って、如何見ても強がっていた。

チラチラとリーナをみてるからかわいい女の子の前で強がってたいのかな?

まだ、リーナが寝るなら膝を貸しますよとか言ってるけどリックは顔を赤らめて断ってたけど、視線はリーナにチラチラ向けてる。

リック甘酸っぱい

顔が赤いよ

熱が高いじゃないと思う

おねえさん、そうゆーの敏感だよ


リーナは、熱がまた出たのかなっていって額に手当ててますます赤くなってるし

照れてるね

かわいいかっ!


「っ、リーナはどうして攫われたの?」


なんかこう、無図痒い空気を入れ替えたくて、話をふったけど突然過ぎたかな?


「私はね、初めて王都公園で遊んでて音楽を聴いていたらいつの間にかここに連れてこられたの?」


なんでかしらねぇ?ってこてんと首を傾げる仕種はかわいい以外に言葉がないけど随分と端折って・・・いや、多分本当にわかってなさそうだわ

腕組して悩んでるもん


「やっぱりあのときに肩車して下さるのを断るべきでしたね」




・・・・・・




ん?


なんつった?





「・・・その、肩車してくれた人は知ってる人なのか?」


アランも気になるなは、そこだよね


「いいえ、知らない人でした。

そういえばさっきお水を下さった人でした。」


そうそう、思い出しましたってにっこり笑って言うけど!


その人、誘拐犯ですから!

知らない人に肩車してもらうってどんだけ警戒心ないのよ!!


「あのね、知らない人ならまずは大声あげるべきよ」


アランも、リックもうんうんって頷いてくれた


「そうですよね、そんな気はしていたのですが

その方々が音楽を奏でていまして、他の皆様も聞き入っていましたし大声を出して邪魔をしてはいけないかと思いましたし・・・やっぱり静かにお断りするべきでしたね」


いや、静かにお断りなんてしていたら力ずくで攫われていたわね

って、今更教えても・・・いやこれを教訓に学んでもらおう


「リーナ!いい?

知らない人には、ついていかない!

声をかけられたら逃げる!

捕まりそうになったら大声を上げる!

周りのことなんか気にしてちゃ駄目!!

今度、こんなことがあったらとにかく大声あげて逃げるのよ

わかった?」


聞いてすぐは、でも...とかいってまたけど、

私の真剣な様子に少し引き気味にカクカクと首を動かした

分かってるのかしら?


「今度って・・・」


リック、気にするのそこじゃないわよ


「えっと、エレンさんたちは?なにがあったのですか?」


「・・・私たちは・・・」


あんまり聞いても楽しくないけど、暇潰しで話そうとしたとき

扉の向こうが騒がしくなり、バタバタと荒い足音のあと開いた






読んで下さりありがとうございます。

ブクマが増えててうれしいです

やる気になります

稚拙な文章ですが、がんばります!!!


明日より副業の嫁業が忙しくなるためスマホ入力も難しいと思われます

来週になるかもしれないけどチマチマ書き進めていきます


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