11-2 各国から命を狙われていたアラバス国王
捕縛した捕虜の尋問を行った晶人。その内容はいかなるものだったのだろうか。
「国王陛下、それから、皆様、どうぞ我が本拠地であるログハウスにお入り下さい。」
「会議室に参りましょう。我が『天の使徒』の国の大幹部は全員揃っておりますから。」
「ハハーッ。」
アラバス国王陛下御一行は、会議室に入るや否や、驚嘆の声を上げた。
「晶人殿、これが『天の使徒』の国の大幹部の陣容ですか?」
ローゼン陸軍総大将とバズル陸軍大将の声は上ずってしまった。今まで話には聞いたことがあるが、一度も見たこともない伝説の魔獣や魔人が勢ぞろいしていたからだ。
「国王陛下とエリス女王陛下とソフィア第一王女たちは、お飲み物は、紅茶とコーヒーのどちらがお好きですか?会議室の後ろの方に、地球から持ち運んだ自動の飲み物を注ぐ機械があるのでボタンを押してください。おい、晶人タイガーと晶人フェンリル、使い方をアドバイスしてくれないか。」
「ハハーッ。」
「ハハーッ。」
飲み物が全て行き渡ると、早速会議が始まった。会議の冒頭で、アラバス公国のアラバス国王陛下から改めてアラバス公国から『天の使徒』の国に同盟を申し出る説明がなされた。そして、満場一致で決議がなされ、
調印式が行われた。
「パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ。」
調印式が済むと、全員がスタンディングオベーションで拍手をし、アラバス公国アラバス国王陛下と『天の使徒』の国の大和晶人国王の固い握手がなされた。
その後、晶人から全員にパソコンで打たれた用紙が配られた。そして、その用紙の内容と同様の画像がプロジェクターから、会議室前に降ろされた白い幕に映し出された。その内容は次の通りである。
国 名 スパイや暗部 暗殺部隊の人数
ロジア帝国 50人 15人
キムジョン帝国 30人 10人
ジャイナ帝国 40人 13人
ベラルシ帝国 10人 3人
アメリル合衆国 20人 0人
コリル公国 2人 0人
ヒンド 8人 0人
イランコトスル 5人 0人
ポーランドスル 5人 0人
合 計 160人 41人
晶人は、プロジェクターの横に立ち、赤いレーザーポインターを使って、説明を始めた。
「皆さん、正面の画像をご覧ください。これが今回、アラバス公国で捕獲した捕虜たちの証言による実態です。私のコスモサイコキネシス・インフィニティを用いていますので間違いはございません。まず、着目しなければならないのは、何だ?溜之介(ニックネーム:ラッキョ)?」
「う~ん。イランコトスルという国は、本当にいらんことする国なんだわなあ~。」
「さすが、ラッキョだ、発想がいいぞ。」
「アホか!そないなわけあるかいな!そこちゃうやろう!アホちゃうか!」
さすがに、会議室の全員がクスクス笑い出した。もちろん、ソフィア第一王女も、「アハハ!」と笑っていた。
「じゃあ、山ちゃん、ここでの最大のポイントをひとつだけ挙げてくれ。」
「ええか、皆さん、ここで最も重要なポイントは、暗殺部隊の人数の多さやんけ!ロジア帝国が最多で15人の暗殺部隊を送り込んでんねん。次に、ジャイナ帝国が13人、次いで、キムジョン帝国が10人、本で遠国にあるベラルシ帝国が3人も暗殺部隊を送り込んでいるや。つまり、アラバス国王陛下以下、王妃や王女、軍の最高幹部たちを暗殺しようと計画を立てているのが恐ろしいで。10万ものハイオークの大軍がアラバス公国を攻めてこなかったら、確実にアラバス国王は命を狙われたということや。へたしたら、王妃や王女まで死んでいたかもしれんねんで。」
「その通りです。さすがみんなから天才軍師と言われたいと思っているほどの山ちゃんです。」
「晶人、何や!その言い方は、俺がアホみたいやんけ!」
「ウフフ。」
「これでみなさん、目が覚めたと思います。ハイオークの戦争以前に、これほどのスパイや暗部、暗殺部隊がこの国に潜り込んできているわけです。つまり、この国の軍事訓練された特殊部隊は、『死の森』をものともせずに、アラバス国王に潜り込み、ここにご参列の皆様を暗殺しようと画策していたわけです。」
「はい!ボレロ少将です。つまり、我々軍人も標的の対象にされていたわけですね。我々の階級以下の大尉や中尉、少尉、曹長、軍曹、伍長まで標的にされていた可能性があるのですか?」
「ボレロ少将、恐らく標的は、少尉まででしょう。軍隊は縦の命令系統ですので、その命令系統を切断するために、国家機能の中枢である国王陛下や女王陛下、ソフィア第一王女、リリー第二王女が命を狙われます。その次に、軍隊機能の中枢が狙われるわけです。」
「はい!嶺長鉄之進大将の直属の部下である鉄之進メタリックドラゴン中将です。アメリル合衆国やコリル公国、ヒンド、ポーランドスルなどの国は、我々の友好国であり、我々と同じ帝国軍に敵対する陣営です。それがなぜ、スパイや暗部を送り込んでくるのでしょうか。」
「さすが、頭の切れる鉄之進メタリックドラゴン中将ですね。」
「う~ん、頭は切ったらだめなんだわなあ~、痛いし、死んでしまうんだわなあ~。」
「ラッキョ、ちゃうやろう。そがいな意味あれへんで。ラッキョは黙っとれ!」
会場の皆も口の中で含み笑いをしていたが、ソフィア第一王女だけは小声で「ウフフ。」と笑っていた。
「鉄之進メタリックドラゴン中将の質問の答えですが、恐らく、このアラバス公国が寝返りをして帝国側に着くのではないかという探りを入れていると思われます。特に、アメリル合衆国は超大国です。20人のスパイや諜報員を送るのは情報戦で優位に立つためです。次いで、ヒンドも多いですが、近隣諸国なのでアラバス国王の寝返りを注視するためにスパイや諜報員を送り込んできているわけです。」
会議に参加している全員が「なるほど」という相槌を打ちながら晶人の話を聴いていた。
「はい!アラバス公国のバズル陸軍大将です。なぜ、遠国であるイランコトスルとポーランドスルは、スパイや諜報員を送ってくるのでしょうか?私はこれだけが良く分からないのです。」
「それでは、皆さんの手元に私から国宝級の拡大魔法地図をプレゼントします。」
「パッ。」
「オオオオオオオ!」
「私がプレゼントした拡大魔法地図とスクリーンを併せてごらんください。現在、西側諸国にあるイスラルドがパレスチナを攻撃しています。イスラルドは我々の陣営の国家になりますが、パレスチナ国家の罪のない大勢の人間の命を大量虐殺しています。それに対し、イスラルドの隣にあるイランコトスルは、その報復として、イスラルドを攻撃しているわけです。イランコトスルは、やはりアラバス公国の動きが気になるのでしょう。できれば、イランコトスル陣営に引き込みたい意図があります。それでスパイや偵察を送り込んできています。それ以外にも、ポーランドスルは、ベラルシ帝国がウクライルに侵略戦争を仕掛けて進軍するのを阻止するために止むをえず戦争に参加し、ウクライルを支援しています。ポーランドスルにとっては、全ての国家にスパイや徴用員を送り、その国の動静を監視しているようです。」
「以上が私からの説明になりましたが、これは私が自分勝手に、つまり恣意的に作り話や推察で話をしたわけでなく、全て捕虜から尋問した内容に基づいています。嘘が付けない魔法を掛けて尋問していますので、間違いはありません。」
「オオオオオオオ!さすが大和晶人様じゃ。」
「それでは、ついでと言っては失礼ですが、地下3階の捕虜の牢屋に案内します。全員、ついて来てください。」
私(筆者)は、2度の心肺停止と臨死体験と死後の世界の経験をしています。また、教師時代に可愛がっていた教え子を交通事故で亡くし、お母様が身元確認をした瞬間に意識を失くされ、救急搬送されたため、担任である私がその子の身元確認を致しました。私の意識は解離し、無意識の状態でその子の頭を抱えて泣き叫んだそうです。この内容は後で警察署で聞かされました。命は尊いのです。なぜなら儚いからです。私は自分の臨死体験と教え子の死亡事故を体験したために、現在行われている「侵略戦争」「大量虐殺ジェノサイド」には断固反対します。
せめて、異世界の世界だけでも「侵略戦争」を阻止し、平和な世界を構築するために、この物語を構成しました。未熟なアマチュア作家で、文章も未熟ですし、誤字や脱字もあろうかと存じます。しかし、せめて異世界だけでも侵略戦争を完全懲悪する物語を書こうと思いました。未熟な内容ですが、どうぞお付き合いくださいませ。
また、感動する場面などがありましたら、お知り合いの方やご友人などに紹介して下さると幸甚に存じます。




