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追放された転生王子、『自動製作《オートクラフト》』スキルで領地を爆速で開拓し最強の村を作ってしまう 〜最強クラフトスキルで始める、楽々領地開拓スローライフ〜  作者: 熊乃げん骨
第十章 海底遺跡攻略戦

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第4話 海底遺跡の迷子

「いだっ! うっ! あだっ!」


 壁の中に引きずり込まれた僕は、何度も体を壁にぶつけて声を出す。

 触手は遺跡中に張り巡らされた狭い通路を通っているみたいだ。僕は体が小さいからその中に連れ込むことができたということだ。


 ナディアさんやエレナさんの体ならここに入れられる心配はなさそうだけど……逆に言えばそれは助けに来れないということだ。


 つまり僕はこの状態を自力でどうにかしなければいけないということ。どこに連れて行かれているかは分からないけど、とにかく逃げないと!


「い、次元収納インベントリ、オープン!」


 僕は引きずられながらもなんとか次元収納インベントリの中に手を突っ込んで、目当ての物を掴む(・・)

 そしてそれを一気に引き抜く。


「来い! オリハルコンナイフ!」


 白く輝く刀身の短剣ナイフが僕の手の中に現れる。

 それは伝説の金属『オリハルコン』を使ってクラフトした、世界でも最高クラスのナイフだ。


 神金属ゴッドメタル製の武器と違って瘴気に特効があるわけじゃないけど、純粋な威力ならこのナイフに軍配が上がる。


「えい!」


 僕がナイフを振るうと、空気を切り裂く音と共に触手がスパッと切断される。

 すぐに他の触手もやって来て僕を捕まえようとするけど、僕は必死にナイフを振るい、触手たちを退ける。


「僕だって強くなったんだ! 負けてたまるか!」


 死の大地に来る前はひょろひょろで筋肉もほとんどなかったけど、村で肉体労働をこなす内に僕の肉体も鍛えられた。

 レイラやガーランに戦い方も教わってるし、もう前の僕とは違うんだ!


「えい! やあ! よし、あとは……逃げる!」


 触手が退いた隙を突き、僕は脱兎のごとく逃げ出す。

 触手はいくら切ってもあまりダメージを与えられてないように見えた。たぶん本体を倒さないといけないタイプのモンスターなんだろうね。

 ならこれ以上戦うのは悪手だ。僕は壁の小さな隙間に体を無理やり通し、逃げる。


「はあ、はあ、触手は……追って来てないね。ひとまず大丈夫かな」


 しばらく逃げてから後ろを確認するけど、触手の姿はなかった。どうやら無事逃げ切ることができたみたいだ。


「逃げれたのはいいけど、エレナさんたちとはどうやって合流しよう。一応予備の水中適応魔法薬(ポーション)はエレナさんにも渡してあるからしばらく大丈夫だと思うけど」


 なし崩し的に海底遺跡に入ってしまったので、はぐれた時のことを考えていなかった。

 これはもしかしたらまずいかもしれない。


「一回外に出た方がいいのかな……ん?」


 周囲を観察していると、なにか声のようなものが聞こえてくる。

 もしかしてエレナさんたちが近くにいるのかもしれない。声がした方に僕は泳いでみる。すると、


「え……っ!?」


 角を曲がった先にあるものを見た僕は、息をのむ。

 そこにいたのは疲れ果てた様子で鎖に繋がれている『人』だった。


 いや、ただの人じゃない。男性は体に魚のエラやヒレのようなものがあって、女性の下半身はまるごと魚になっていた。


 魚の特徴を持つ人間。彼らはおそらく『魚人』だ。

 魚のように水の中で生活している人たちで、争いは好まず温厚な人種らしい。

 男性の魚人は『マーマン』。女性の魚人は『人魚』と呼ばれることが多いって聞いたことがある。

 人前に姿を見せることはほとんどなく、会うのは難しいらしいけど……まさかこんなところで会うなんて。


「なんでこんなところにいるんだろう……」


 まだ敵か味方か分からないので少し離れたところから観察していると、今度は小さな魚人のようなのがやってくる。

 こっちはかなり見た目が魚に寄っているので性別は分からない。それを見た魚人の人たちは怯え、部屋の端に逃げる。


『ギギィ! ハタラケオマエラ!』


 現れた小さな魚人は手にした三つ又の槍、いわゆるトライデントの穂先を魚人たちに向ける。どうやら彼らは敵対しているらしい。

 どっちが悪人かは火を見るより明らかだ。僕は飛び出すと、高速で泳いでその小さな魚人に接近する。


「待て! それ以上その人たちに近づくな!」

『ギィ!? ナンダキサマ!』


 僕の接近に驚いた小さな魚人は、槍をこっちに向けてくる。

 相手の情報を知るため、僕は接近しながらその相手を「鑑定」する。


・サハギン(瘴気) ランク:A

 海に棲む小型の半魚人型モンスター。争いを好む残忍な性格をしている。

 瘴気に侵されており、性格はより凶暴になり戦闘力も向上している。

 高い遊泳能力と素早い槍さばきが特徴。


 どうやらこいつはサハギンというらしい。

 相手が瘴気に侵されていて、しかもモンスターなら、気兼ねなく倒せる。僕はオリハルコンナイフをぎゅっと握ってサハギンに接近する。


『シネッ!』


 高速で僕に向かって突き出される槍。

 僕はそれをギリギリまで引きつけてから、能力を発動する。


自動製作オートクラフト、鉄ブロック×3!」


 足元から鉄ブロックが三つ出現し、僕の体が三ブロック分、上に上がる。

 すると僕めがけて突き出された槍は鉄ブロックに命中し、キンッ! と音を立てて弾かれる。


 これで攻撃を回避し、僕は上を取って位置の優位も取れた。

 後は呆気に取られているサハギンを倒すだけだ。


「くらえ!」


 オリハルコンナイフを振るうと、サハギンの体はいとも容易くスパッと斬れる。

 致命傷を負ったサハギン『ギ、ィ……!』と言い残すと、白目を剥いてその場に倒れる。


「ふう……なんとかなった」


 無事サハギンを倒すことができた僕は、ホッとしながら武器をしまう。いつも戦う時は仲間がいるから緊張した。

 僕は一回だけ深呼吸して落ち着くと、捕まっている魚人の人たちのもとへ行く。


 僕がまず褐色の肌をした銀髪の男の人を助ける。

 なんだか雰囲気のある人で、とてもイケメンで筋肉質だ。


「大丈夫ですか? 今鎖を外しますね」

「あ、ありがとう。君は……」

「僕はテオドルフと言います。この海底遺跡の瘴気を止めに来ました。あなたは?」


 鎖を外すとその人は手首をさすったあと、真剣な顔をして自分のことを話し始める。


「私の名はレオニス・アトレウス。この海底都市アトランタの主人にして、魚人族の王だ」

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