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ミズグモを捕まえた!

どうしてこんなことになってしまったんだか……

私は宙ぶらりんになりながら考える。


ほとんどの魔物はなぜか私に襲いかかってこないから油断していた。


まさか、虫に捕まるなんて。


そう、私はただいま捕食されるのを待っている状態だ。


しかも相手はクモ。私が一番苦手な虫。

足がたくさんある時点でもう無理だ。

怖い。


 今まではクモの巣に捕まった虫を見て気持ち悪いとか思っていたけども、自分が食われる側になってやっと気持ちがわかった。今まで本当にごめん。


そう、私はクモの巣にかかってしまったのだ。


水辺を歩いていたら死角から糸が飛んできて、反射神経の悪い私では逃れられなかった。

気づいたときには糸に絡まれて巣に運ばれ、しかもご丁寧に両手両足一緒に体ごとぐるぐる巻きにされてしまった。


なんで私はこんな食われそうになること多いのだろうか?

そんな美味なのだろうか?

前世の私ならともかく、今の私なんて骨と皮でがりがりでどう考えても美味しくないと思う。


うう。辛い。せちがらい世の中だ。


さて、クモは今日の狩りを終えたのか私を食べにきた。


クモは本当に怖い。

八個の目がぐにょぐにょ変な方向に動いて、その上に足がキシキシ音を立て……


まあ、餌になってやるつもりはないけどね?


私はクモが食べに来るのを待った。

なるべく致命傷を回避するために顔と首をなるべくクモから遠い位置にずらす。

これで即死の心配はないはずだ。

そして、ドラゴンは回復力が高い。いざとなれば足の一本ぐらい再生できる気がする。


私は足をゆっくり動かしてクモを誘う。


クモは私の足を八個の目玉でよく観察した後、ゆっくりとこっちに近づいてくる。

(よし。かかった)


私は足でクモを蹴る。


靴を履いていないため、クモの気持ち悪い感触がそのまま足に伝わる。

クモは怒ったのか、八本の足を動かしてこっちに走ってくる。


よし、もう少し近づいてこい。


私の息吹きの餌食にしたやらぁ。


あと三秒。

二秒。

一秒。


来た!

クモが私の足に思いっきり食らいつく。


くう、痛い。

けどドラゴンの肌だからそれほどじゃない。

大丈夫、耐えれる。


私は口から思いっきり炎を吹き出す。


クモはまさか反撃されるとは思っていなかったのか、体を必死に動かして抵抗する。

私の足に食いつく力が強くなる。


うっ。痛ッ。だ、大丈夫。まだ大丈夫。


私は必死に炎を出す。

ここで引いたら負けだ。食われる。


うう~。がんばれ私。負けるな!


もうしばらくすると、クモが私を噛む力が弱くなる。

そしてついには私の足から落ちてひっくりかえる。


「よっし! 勝ったぞ~」


だがしかし、勝った代償も大きかったようだ。

私の足が紫色になっている。

「うわっ! まさか毒? やられた」


私はドラゴンの治癒力で何とか回復する。痛みはなくなったが傷跡はそのまま残ってしまった。

(まあ痛くないからいいでしょ!誰も気にしない。)


私は早速クモを観察する。


ふむふむ。かなりでかい。二メートルぐらい?

そういえば、クモが水エリアに棲んでるってよく考えたらおかしいよね?

このクモ、泳げるのかな?

何か特殊なスキルでも持ってるのだろうか?


《鑑定しますか?【はい・いいえ】》


私は【はい】を選択する。


《鑑定結果》

名前  ミズグモ〈Lv.32〉

スキル 糸生成 毒


なるほど。スキルに毒がある。あと糸生成っていうのもあるのか。糸作れるってことだよね?

まあとりあえず摂り込みますか!


《ミズグモのスキルを摂り込みますか?【はい・いいえ】》


私は再び【はい】を選択する。


これでたぶん糸作れるようになったのかな?

試しにやってみるか。



……あれ?蜘蛛の糸ってどこから出すんだっけ。

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