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水エリアへGO!

 さて、私はここで重大な問題に突き当たっていた。

 それは、空腹だ。


「ぐう~」


 おなかがなる。

 うん。当たり前だ。こっち来てから何も食べてないもん。


 そこで思った。

 食事を得るためには、自分で狩るしかない!と。


 そこで私は、食料を得るために50層にある水エリアへと向かった。


「わぁ。水も結構きれいだね。」

 湖の畔を、足跡を立てないように歩いていく。

 人がちらほらいるため、変身で姿を消している。


 ここに来た理由は、魚を捕まえるため。なぜ魔物ではなく魚を選んだかというと、比較的調理が簡単だからだ。私は今、ドラゴンを取り込んだせいか炎を吐けるようになっている。


 つまり、焼き魚を作れるのだ!


 だいたいの毒を持ってでもいない限り、焼けば食べれるはず。

 では早速捕まえよう。


 湖の中を覗き込む。

 何種類かの小さな魚が、水の底で泳いでいるのが見えた。


(結構水は深そうだね。これじゃあ、泳いで取るのは無理かな?)


 最初は掴み取りする予定だったが、それでは無理そうだ。


(こうなったら、工夫して乗り切るしかないね。)


 よし、釣りをしよう!!

 水の中に入らずに魚を手に入れる方法なんてそれぐらいしか思いつかない。


 近くに落ちていた棒を拾い、そこに薔薇のような見た目の植物の蔦を巻き付けた。この世界の植物はずいぶんと危険そうな見た目をしている。この薔薇もかなり棘が大きいので、上手くいけば魚を突き刺せるはずだ。


(う~ん。でも、これだけじゃ魚は食いつかないよね?)


 だが、餌にできそうな食べものなんて持っていない。撒き餌なんてもってのほかだ。もし食べものがあったとしたら、すでに私が跡形もなく食べつくしているだろう。


 ぐぬぬ。こうなったら最終手段を使うしかない。

 この手は使いたくなかったのだが、他に方法がないのだ。


 私は蔦の先のほうに花のとげで作った針をつけ、そこにキラキラしたもの……つまり、私の鱗を巻き付けることにした。


 ローブの袖をまくる。

 そこには虹色がかった瑠璃色の鱗が、所々に生えていた。


(これ、引っ張ったら痛いよね……体に食い込んでるもん……)


 そう、突き刺さっているのではなく、生えているのだ。


 この鱗が何なのかはよく分からないが、竜を摂り込んだ時に受け継いでしまったに違いない。恐らくだが、人間で言う産毛みたいなものだろう。だが正直、全く必要ない。これのせいで人外扱いされてしまうかもしれないと考えたら、むしろデメリットしかない。抜いてしまっても問題ない……はずだ。


(よし、頑張って引っこ抜くぞ!!)

 絶対に脱毛してやる!と決意した私は、鱗を全力で引っ張った。

 鈍い痛みが走り、ブチッと音がして鱗が千切れた。


「痛っ!!」

 痛さのあまり、ついつい大声で叫んでしまう。私の声に気づいたのか、数人の冒険者がこっちを見て訝し気な表情を浮かべた。


 それに気づき、慌てて口を塞ぐ。


(うわぁ。見つかってないよね……)


 なるべく人目につかない場所で作業をしているが、このままだと気づかれるのは時間の問題だろう。変身魔法は、まだ慣れていないせいか気が緩んだら解けてしまうのだ。


(早めに魚を釣って逃げよう……)

 この階層は人が多すぎて落ち着かない。

 私は、引っこ抜いた鱗を竿の先端部分に括りつけ、湖に竿を垂らした。


 そして、待つ。


 待つ。


 待ち続ける。


 待ちくたびれる。


 うん。無理だね。

 釣れるわけない。



 そもそも素人が釣りをしようと思ったのがいけなかったんだ。何か別の手を……




 そんなことを考えていた私は、背後から迫ってくる影に気づかなかった。

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