エピローグ
チュン♩チュン♩
城で目が覚めた。
「ああ、こんなところで」
女の子たちが5人いた。あのギルドの女冒険者たち4名と、受付嬢だ。
「看病してくれたのか?有難う」
「「「・・・・・」」」
「「グスン、グスン」」
「「ウワ~ン」」
「グスン、陛下が無事で良かったわ。皆にお知らせして」
陛下?まさか。俺がこの国の王?
「俺、無理だよ」
ガチャ!
あれ、魔王と、元王と姫が入って来た。
ダークエルフの魔王は言う。
「フム、この国をコンパクトにしたぞ。南半分は、人族、ホランドランの街を境にして、北は魔族領、どうだ。統治可能ではないか?」
「陛下、でも、無理ですって」
陛下と言ったら、勘違いして、元王がでしゃばる。
「だからじゃ。ワシの娘と結婚して、統治すれば良い!ワシは、サトー殿に試練を与えるために、追放にしたのじゃ!さあ、姫、婿殿に挨拶だ」
いや、魔王陛下に言ったんだよ。嘘つけ。名前を間違えているくせに、
御姫様は、
「第2王女のミリンダです。へ、サイトウ殿、共に国を統治しましょう」
不服そうに挨拶をする。
顔がおしろいで真っ白だ。叩けば、バン!と飛ぶな。叩かないけど、
あれ、何かあれだ。生活のために結婚する仕方ない顔だ。
恋愛にはトラウマがある。
俺に近づいてくる女は、生活の面倒を見て見て、と同じ顔だ。
いや、そうだろうけども、共に協力して頑張る感がない。
元王妃はまるで商品を紹介するように言う。
「どうです。綺麗でしょう。この子に綺麗なドレスを着せて、社交を任せれば安泰ですわ」
「その隣の男は?」
「護衛騎士です」
あ、托卵されそうだな。
「この5名は、メイド兼、子作り代行ですわ。子供が出来たらミリンダの養子にして差し上げますわ」
何だ。武田君から、俺に移っただけだ。
人の嫌がる事を考える。この場合、王家だ。
「はん!断る。お前らを家族にはしねえよ。だったら、この娘たちの中から妻を選んで、協力して王をやる方が、100京倍ほどマシだ!」
「「「「!!!!」」」
皆の顔が輝く。そんなに王が嫌いか?
「これ、決断を急いではいけない」
「まあ、うちの娘を断るなんて」
「本来なら、有難く受ける話だ!」
「話は決まった。さて、サイトウ殿よ。なら、財産没収で、放逐でいいな?」
「いえ。銀貨3枚だけ渡して、城を追い出すのが良いでしょう。私が出します。その前に、武田君を呼んで下さい」
武田は、城の中でも飢えている状態だった。
能力がなくなったと聞いて、放置されたみたいだ。
「ミリンダ姫、俺、NTR大嫌いなのよ。婚約破棄は認めない。武田と結婚しなさい」
「そ、そんな。嫌ですわ。能力がないサルなんて」
バチン!
思わず姫様の顔をはたいた。
男女平等ビンタだ。
「ゴホゴホゴホ」
やっぱり、白い粉が飛び散った。こっちにダメージあるじゃん。
武田は、城に残れるように懇願したが、
「能力がないのに、外で暮らしていける自信がない。そうだ。斉藤、養子にしてよ。俺、日本の漫画とかをこの国で再現するよ」
「外で暮らせないって、臆病だな。冒険者ギルドで働いて、生活をしなさい。それが民を守ることになるよ」
「だったら、能力を返してよ!」
「お前、危なっかしいから無理!ってか、返す方法ないし」
と武田の『この国の民のために働きたい』の希望をかなえてあげた。
まだ、ギリギリ冒険者の見習いとしてスタート出来る年齢だ。
いや、本当は仕返しだ。こんな性格を見たら、女達は嫌がるだろうか?
王家一家は、銀貨3枚、それだけ渡されて、城を出された。
王家の財産は没収だ。約金貨一万枚あった。それを債権者として名乗って、正式な手続きでもらった。
それを、武田君を捕らえた報奨金として、冒険者で分ける。
俺は3パーセントだけもらった。
王一族が、城を出る際、塔の上から狙撃した。
バン!
護衛騎士だけを殺してあげた。せめてもの武田君への手向けだ。
そして、俺は、
「えっと、勢いで言ったけど、どうする?」
皆、健康美人だ。ある程度知っている仲だ。
しかし、詳しくは知らない。
「皆、不服はないよ。志願したのだから」
「しばらく、5人と暮らして、嫌でなければ、その全員と婚姻を結べば良いだろう」
と最後のオチはトンデモないことになった。
・・・・・
やがて、この国は、ミノ王国と名乗り。
武装中立の国として栄えることになる。
斉藤は、早くに王位を譲り。
「え、私が王に?」
「そう、俺は大株主みたいな地位につくよ。年金ちょうだい!相談役だ」
「しかし・・」
「会社って、創業者一族がいると、やりにくい。だから、一歩引くよ」
婿に王位を譲り。
妻達と幸せに暮らしたと伝えられる。
晩年
☆☆☆農場
「おい、サイトウ殿、銃が出来たぞ!」
「え、黒色火薬の後装填式ライフル、スゲーじゃん」
「そうだ。どうしたらいい?」
「じゃあ、魔物限定で、資格者に売ろう。冒険者限定だ。最近、魔物が多くてね」
整備を依頼したドワーフが銃を作成し、新たな産業が生まれた。
バネの研究が進み。時計が有名になった。
「まるで、スイスみたいな国だな。じゃあ、次は、銀行だ!」
晩年、銀行を起業し、これも当たったと云う。
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