復讐の始まり
初投稿です
11/30少し修正しました
「フローレンス=アルデリア!お前は異母妹のエレナを散々いじめた挙句、階段から突き落として怪我をさせた!いかに公爵令嬢とはいえこれは立派な傷害罪だ。よって婚約を破棄させてもらう!」
卒業後のパーティにて沢山の貴族達がいる中での第二王子の突然の発言。
皆驚きと共に騒ぎの元に注目する。
口元を扇で隠したまま立ちつくす異母姉、フローレンス=アルデリア。
その異母姉を睨みつける第二王子、フランツ殿下と取りまき達。
王子の横にいる私、エレナ=アルデリア。
私エレナ=アルデリアはアルデリア公爵と平民の母との間に生まれた庶子である。
母は街でパン屋を営んでて視察に来てた公爵に見初められたらしい。
すぐに飽きて捨てられ街に戻ったが、その後妊娠がわかり1人で私を産んだ。
5歳の時1人公爵家に引き取られてからずっと地獄だった。
でもようやく報われる。
「まぁ何の事ですの?身に覚えがありませんわ」
堂々と言う異母姉。大したものだ。
「証拠は挙がっている。お前がエレナを突き飛ばして階段から落としたのを見ていたものがいる。誰もいないと思って油断したんだろうが、向かいの窓からハッキリ見えていたそうだ、残念だったな」
得意気に言うフランツ王子と悔しそうな姉。
「全く教科書や制服を破いたり、泥水をかけたり…恥ずかしくないのですか?」
侮蔑の視線を向ける宰相の長男、アルベルト。
「もういい!この女は最低だ。しかるべき処罰をするべきだ!」
正義感丸出しの騎士団長の三男、フリッツ。
「お姉様!もう言い逃れはできません。大人しく罪を認めて謝罪して下さい」
どのみち公爵令嬢といえど証拠をつかまれ公衆の面前で断罪されれば婚約破棄は確実だ。
私が言うと姉は嗤った。
「馬鹿言わないで、謝るくらいなら最初からやってない。後悔なんかしてないわ」
フランツが続ける。
「では認めるのだな?虐めや怪我をさせた事を」
「証拠があるのなら仕方ありませんね。あがくつもりもありません。では皆様ごきげんよう」
姉は笑いながら退場していった。
「全く…最後まで面の皮の厚い女だったな」
「牢屋に入れてやりたいところだが怪我も大したことなかったし『姉妹喧嘩がエスカレートしただけ』と言われればそれまでだからな」
パーティ後会場近くの教室で2人が愚痴る。
「まぁいいさ。卒業取り消しは確実だし公爵も騒ぎを起こした娘をこのままにはすまい。修道院にでも送るだろう。
もう我々の前に現れる事はない」
フランツの言葉に私は泣くふりをして顔を隠す。
「お姉様…認めて下さるだけでよかったのに…」
あぁ大声で笑ってしまいそうだ。
でも堪えなくては。
私の復讐は始まったばかりなのだから。
お目汚しで恐縮です<(_ _)>