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異世界まったり冒険者生活 ~女好きの俺、サークルのみんなと異世界に転移する~  作者: 絢乃


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004 魔石

 俺たちが倒した計19体の魔物。

 その死体が、突如として光の粒子となって消えた。

 そして、次の瞬間――。


「なんか石が落ちてるぞ」


 ――占い師が使う水晶玉のような石になった。

 見た目は綺麗で、サイズは野球のボールと同程度だ。

 倒した敵の数と同じ19個が地面に転がっている。


「吉岡、どうするんだ? この石」


 梶原が適当な石を拾い上げる。


「ギルドに持って帰ってエリナに聞こうぜ! 喋る口実にちょうどいい!」


「吉岡くん、動機がおかしいから!」


「いや、吉岡の場合は普通だろ」と梶原が苦笑する。


 俺も足下の石を拾った。

 よく見ると、石の中にミニチュア版の若葉ウルフが入っている。

 他の石にも、それぞれ倒した魔物が入っていた。


「19個を手で持つのはかなりきついっすね」


「ユズっぱいに挟めばどうにかなるか?」


「ならないよ! あとユズっぱいって略し方! ユズのおっぱいだからね!」


「自分で言うなよ……」と梶原が呆れる。


「とりあえず戻るぞ! 俺は早くエリナと話したいんだ!」


 俺たちは手分けして石を回収した。

 男三人が各5個、ユズが4個持つ。

 そして、後ろで浮遊しているポータルに近づいて念じた。


 パッ!


 視界が一瞬ホワイトアウトし、ギルドへの転移が完了する。

 受付カウンターは複数あるが、俺のお目当てはエリナのみ。


「お! エリナのところが空いている!」


 俺は光の速さで駆け込み、エリナの前まで移動した。

 ユズ、梶原、早川の三人も小走りで寄ってくる。


「吉岡さん……ずいぶんと早いお戻りですね。どうかされたのですか?」


 エリナはメガネの位置を少し上げた。

 佐伯は鼻の上をくいっとするタイプだが、エリナはサイドから上げるタイプのようだ。


「どうかしたなんてもんじゃない! 見てくれ! とんでもないお宝を拾ったぞ! きっと超絶的なレア品に違いない! 鑑定してくれ!」


 俺はカウンターに先ほど回収した石を並べる。


「ちょっと吉岡くん、勝手に謎の石をレア品扱いしないで」と、ユズが大笑いしている。


「恥ずかしいから騒ぐなって。マジで恥ずいから」


 梶原は言葉どおり恥ずかしそうにしていた。

 そんなテンションがバラバラな俺たちを前に、エリナは動じることなく言った。


「これは魔石ですね」


「魔石?」


「倒した魔物の力が込められた石です」


「つまりお宝だよな!?」


「お宝という表現は少し違います。魔石は魔物を倒すと必ず手に入りますから。ただ、持ち帰ったのは正解です」


「というと?」


「ギルドでは、冒険者から魔石を買い取っています。買い取り価格は固定となっておりまして、始祖の塔で配布される冊子、もしくはあちらの掲示板で確認可能です」


 エリナは壁際の掲示板に手を向けた。

 複数の掲示板が並んでおり、周辺には冒険者の姿が散見される。


「よくわかった! で、この魔石はギルドで換金する以外にどんな使い道があるの?」


「専用の道具の動力源として使うこともできます」


「おお! じゃあ、取っておいたほうがいいのか?」


「そうした道具を使う予定がなければ、換金するのが一般的です。魔石の買い取りを行っているのはギルドだけですので、回収した分はこちらへお持ちください。専用の道具を使うのは、早くても第11階層からになると思いますので――」


「では売ろう!」


 俺は説明を聞き終える前に言った。


「決断早っ!」とユズが笑う。


「かしこまりました。魔石の買い取り価格ですが、青芽ネリュムの魔石、草角ラビットの魔石、青羽コッコの魔石の三種は、1個あたり10ゴールド。若葉ウルフの魔石は20ゴールドになります」


 俺は脳内で計算した。

 だが、俺が答えを出すより先にエリナが話を進めた。


「そのため、今回の買い取り総額は230ゴールドになります。4等分すると1人あたり57.5ゴールドとなり、端数が生じます。この場合、一人が59ゴールド、残り三人が57ゴールドを受け取るか、二人が58ゴールド、残り二人が57ゴールドを受け取るのが一般的です。どうされますか?」


「じゃ、俺とユズが58ゴールドで、残りの野郎二人が57ゴールドで!」


「さすが隊長、勝手に決めるとかパネーっす」と梶原が嫌味を言う。


「1ゴールドでケチケチうるさい奴だな! 不満なら君が58ゴールド受け取るか?」


「いや、別に不満ってわけじゃ……」


「なのに嫌味を言ったのか! 君はなんてダサい男なんだ梶原!」


「たしかに今の梶原、ダサかった! なんてダサい男なんだ!」


 ユズが楽しそうに俺の口調を真似する。


 一方、大好きなユズに「ダサい」と言われた梶原は拗ねていた。

 舌打ちして目をそらし、唇を尖らせている。

 なんともわかりやすい男だ。


「では、吉岡さんとユズさんに58ゴールド、梶原さんと早川さんに57ゴールドで処理しますね」


 エリナが謎のキーボードをカタカタと叩く。

 すると、視界にログが表示された。


—--------------------------

【魔石換金ログ】

・[通常]青芽ネリュム:10G×6個=60G

・[通常]草角ラビット:10G×5個=50G

・[通常]青羽コッコ:10G×4個=40G

・[通常]若葉ウルフ:20G×4個=80G


総額:230G

分配人数:4人

分配後:58G / 残余:0G(処理済)

所持金:1,385G → 1,443G

—--------------------------


「討伐依頼も一部達成していますので、達成分の報酬をお支払いしますね」


 エリナがそう言った次の瞬間、依頼報酬ログも表示された。


—--------------------------

【依頼報酬ログ】

・[通常]青芽ネリュム:180G

・[通常]草角ラビット:200G

・[通常]青羽コッコ:220G

・[通常]若葉ウルフ:240G


総額:840G

所持金:1,443G → 2,283G

—--------------------------


「魔石の換金と違って、依頼報酬はすげー儲かるな」


「その認識は正しいです。冒険者にとって、依頼報酬は最大の収入源になっています」


「魔物を倒したときに得られた報酬よりもずっと多いよ!」とユズが声を弾ませる。


「若葉ウルフですら1体28Gでしたよね!」と早川。


「28G? 若葉ウルフの討伐報酬は1体40Gのはずですが……あ、PT補正後の金額ですね」


 エリナが一人で納得する。

 その言葉で、討伐時に表示されたログの「人数補正:70%」の意味が理解できた。

 PT人数に応じて、討伐報酬が減少する仕様なのだろう。


 4人PTの場合は通常の70%という具合だ。

 これなら、1体40Gに70%をかけて、ちょうど28Gになる。


「ところでエリナ、魔石を入れるリュックってどこかで買えない? 手で持つのは面倒なんだけど」


 俺が尋ねると、エリナはカウンターの下からシンプルな背負い袋を取り出した。

 革製で、正確にはリュックではなくナップサックだ。

 ちょうど人数分ある。


「それでしたら、こちらをご利用ください。無償で貸し出している背負い袋になります」


「無償? そういうのがあるなら先に教えてくれよー! エリにゃん!」


「エリにゃん!? そう呼ばれたのは初めてです。吉岡さん、すごい速度で距離を詰めてきますね……」


「俺たちのいた国・日本じゃこれが基本だぜ!」


「いや、お前だけだから。一緒にすんなって」と梶原が苦笑しながら手を振る。


「なにはともあれ――」


 俺は背負い袋を受け取り、さっそく背負ってみた。

 無償なので仕方ないが、お世辞にも背負い心地は良くない。

 典型的な安物のナップサックである。

 だが、ないより遥かにマシだ。


「――ますます冒険者っぽくなったな、俺たち!」


「そうっすね! 今度は魔石もいっぱい持てますよ!」


 早川が目を輝かせる。


「しゃー! 吉岡隊、再出撃だ!」


「無理しないでくださいね。転移初日は危険個体ですら厳しいですから。リセットするのも手ですよ」


「問題ないさ! だって俺はオールレジェンドの吉岡だぜ! それにユズっぱいと野郎二人も一緒だ!」


「だからユズのおっぱいだってば!」


「訂正するの、そこじゃないだろ……」


 俺たちは受付を離れ、意気揚々とポータルに向かう。

 その道中で、俺は仲間たちに尋ねた。


「ところで、エリナの言ってた『リセット』って?」


「「「…………」」」


 案の定、誰も答えられなかった。

 だが、どういう意味なのかは、転移した瞬間にわかった。

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【ノクターン】異世界ゆるっとサバイバル生活
~学校の皆と異世界の無人島に転移したけど俺だけ楽勝です~
▼ 代表作 ▼
『異世界ゆるっとサバイバル生活』
異世界ゆるっとサバイバル生活 第1巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第2巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第3巻
異世界ゆるっとサバイバル生活 第4巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第5巻 異世界ゆるっとサバイバル生活 第6巻
『成り上がり英雄の無人島奇譚』
成り上がり英雄の無人島奇譚 第1巻 成り上がり英雄の無人島奇譚 第2巻 成り上がり英雄の無人島奇譚 第3巻
成り上がり英雄の無人島奇譚 第4巻 成り上がり英雄の無人島奇譚 第5巻
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