第三十九話
僕が光系の剣スキル「バーニングブレスト」を発動すると、剣が強烈な光を放ち、その光が刃となって飛び出した。
飛び出した光の刃は頭の放った土竜とぶつかり合うとバチバチと音を立て空中でせめぎ合う。
そしてバーン!と言う大きな爆発音と共に僕の光刃が消滅した。どうやら頭の土竜に軍配が上がったようだ。土竜はそのまま僕に向かって飛んでくる。だが、僕の剣スキルとのぶつかり合いで威力とスピードが落ちていた。僕は難なく土竜の牙攻撃を避ける。
それを見た頭は悔しそうにギリギリと歯ぎしりをして僕を睨みつけた。
「 バーニングブレストだと…… ガキがそんな高等な剣スキルを使えるとは…… ケッ!奥の手として取っておいた訳か。こしゃくな」
頭のセリフに僕は思わず笑みが溢れる。残念、この剣スキルが使えるようになったのは石の塔でレベルが上がったからさ。
僕が石の塔に上がる前はレベル10だったが今はレベル13だ。魔法剣士がバーニングブレストを取得できるのはレベル13からさ。
しかし、同じスキルでもレベルがあり、そのレベルは1から3まである。僕のバーニングブレストは取得したばかりなので当然、レベルは1だ。
そして、頭の大斬怒竜はおそらくレベル3だろう。なので僕のスキルが力負けするのは当然だ。
だが、大斬怒竜の威力を弱らせるにはレベル1のスキルでも十分だった。
「このガキ、油断ならねーなぁ。ああん、でもよお。オメーのスキルレベル1だな。その程度の威力じゃあ俺は倒せねーぞ」
頭が舌舐めずりしながら僕に少しずつ間合いを詰めてくる。僕は正眼に剣を構え切っ先を頭に向ける。と、頭の動きがピタリと止まった。
僕と頭はしばらく睨み合う。
どうやら僕が剣スキルが使えるので慎重になったな…… 僕がジリジリと前に出ると頭は少し後ろに下がる。
う〜ん、おそらく頭は近距離でスキルを発動しようとしているな。近距離で攻撃するば威力を相殺するのが難しいからな。僕に隙が出来るのを待ってるのか。
しかし、そうは問屋が卸さない。僕は突如、剣を鞘に納める。頭はその行動に眉をしかめた。
「テメー、なんで剣を鞘に納めた。死を覚悟したのか?」
頭の言葉に僕は首を左右に振った。
「おいおい、忘れたのか? 僕のとっておきを」
そう言うと僕は腰に手をやる。その僕の動作を見た頭の顔が驚愕に変わった。
「き、貴様! まさか呪いの短剣か! そうか、それを使ってステータスを上げればお前の剣スキルの威力も上がると言うわけか!」
僕は口角をあげながら頭を挑発する。
「フフフ、そう通り。呪い短剣を装備すればステータスは三倍ほど上がる。それで攻撃すれば頭の悪いお前でもわかるよな」
僕の挑発に頭は怒りで目が真っ赤になる。だが、すぐに冷静になると大きな声で笑い出した。
「ガハハハ、いいだろうやってみろ! だが、お前が呪い短剣を使ったらお前の彼女の首をへし折ってやる」
頭のその言葉に僕は怒り心頭に発し、憤怒の表情で頭を睨みつけた
「 貴様!卑怯だぞ!」
しかし、僕の怒った顔を見て頭はそれを見てさらに楽しそうに笑った。
「ガハハハ。いいぞ! いい顔だ。もっと見せろ! ガハハハ、おい、誰かこいつの女を連れてこい!」
頭が部下の山賊に命令した。部下が「はい」と返事をすると、近くにある家屋に向かった。おそらくあそこの家屋に姫野さんが捕らえられているのだろう。しかし姫野さんを連れて来ようとした部下が大声を上げながら頭向かって走ってきた。
「か、かしら〜 大変です! 女が!女が消えました!」
頭は部下のその言葉にひどく動揺した。
「な、なにぃ そんなバカな事あるか!」
僕は動揺した頭を見てニヤリとほくそ笑んだ。




