075_神国への旅
「いやぁ、こんな美人の勇者様が私と道中を共にしてくれるとは感激です」
「やめて下さい、私はあの人に会えるかもしれないから神国へ行くことを決めたのです」
「第8勇者ですね。ですがまだ可能性の段階でしかありませんよ?神国の人間が保護はしておりますが、まだ本人は勇者だとは認めていないそうです」
「それでも構いません。私の気のせいならば、それまで。魔王を討伐する事に専念致します。ですが、あの人は・・・私の義兄さんだと思うのです」
「義兄さんですか、、、これも巡り合わせでしょうか。勇者の二人が兄弟とは」
「巡り合わせ…運命でしょうか。義兄さんを探している私に、情報を教えてくれた事は本当に感謝しています、賢者様」
「いえ、これも私の使命です。それに神国はあなたに相応しい。あなたのその力を強めるには最適でしょう。回復術も、私と同じ四聖のフューネルならさらに昇華出来ましょう」
「神国には素晴らしい方がいらっしゃるのですね」
「ええ、本来、国は勇者が魔王討伐に向けて、力を育む場所でなくてはなりませんから」
飛行船は私と賢者様を乗せて、神国へと向かう。
「こ、これ、六花殿!」
「お姉ちゃん!」
六花が私に抱きついてくる。
「すみません、第7勇者殿。六花殿が飛行船の客室はつまらないと聞かぬものでして…」
ニダヴェリールのドワーフが私に謝る。
「いえ、気にしないでください。私と六花ちゃんは仲いいんですから」
「えへへ、お姉ちゃん、あっちには行った?行ってないなら一緒に外の景色見ようよ!」
「テラス?まだ行ってないよ。じゃあ一緒に見に行こうか」
六花はドワーフが治めるニダヴェリール共和国へ行く事になった。
ドワーフの国だけあり、ものづくりが盛んな国だそうと聞いた。
六花ちゃんは戦うことよりも他の勇者の力になる事をしたいと言って、共和国へ行く事を決めた。
「すごいね、空から見ると!」
「うん、本当。私たち…どうなっちゃうのかな」
「お姉ちゃん?」
ポロッと弱気なことを口にしてしまった。
「ごめん、六花ちゃん。六花ちゃんも不安だよね?お姉ちゃんがしっかりしなきゃ」
「お姉ちゃん、六花は大丈夫だよ!お姉ちゃんもお義兄ちゃんに会えるといいね!」
「ふふ、ありがとう、六花ちゃん」
10歳も離れている子に慰められる。
「それに私だって、大人だし平気!」
「そうだね」
私は微笑みながら六花ちゃんと話す。
「六花は、この世界に来てから親切にしてくれた人を守りたい。王国の人も、ドワーフのおじさん達も。だから六花が出来る事をするって決めたの!」
「そう・・・、六花ちゃんは私より大人なのかも。私もがんばらなくちゃね!」
「勇者様」
賢者様が私を呼び来てくれたようだ。
「もうすぐ我がヴァナヘイム神国の新都へと着きますので、下船の準備をお願いします」
「はい、分かりました。じゃあ、六花ちゃんまた後でね」
「はーい!」
私は自分の客室へ向かうと荷物をまとめる。
私の荷物は少ないのですぐに終わってしまう。
「はぁ、荷物少ないなぁ」
神国に着いて、落ち着いたら必要な物を買おう。
何を集めようか考えていると船内が大きく揺れる。
どうやら神国に着いたみたいだ。
すると部屋のドアがノックをされる。
賢者様だろう。
「勇者様、着きましたよ」
「はい、今出ます」
私は賢者に促され、飛行船の外へ出る。
「すごい・・・」
私は初めて見る神国の景色に少し感動する。
「ええ、あそこは大聖堂。ヴァル神教の総本山でもありますからね。歴史的に価値のある建物が今でも使われています」
神都は白を基調とした街づくりになっている。
見渡すとあちこちに教会などが立ち並んでいる。
「綺麗な国です」
「ええ、私もそう思いますよ。さてこれからですが、六花様と共に巫女に会っていただきます」
「巫女?」
「ええ、ヴァナヘイム神国の指導者ですよ」
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