114_第1勇者 対 第2勇者
『俺は第1勇者。一ツ橋一歩!帝国の者よ、死にたくなければ、退けぇぇぇっ!!』
一歩は大声で帝国兵に語りかける。
突然の号令に王国も帝国の兵も立ち止まる。
徐々に王国の方から大歓声があがる。
「勇者だ!俺らを助けに来てくれた!」
「これで勝てる!!」
「見ていろ、帝国兵め!」
一歩も号令を聞いたからなのか、勢いを増した王国兵を見たからなのか、最前線にいる帝国兵は後退し始める。
「何が勇者だ!我らが皇帝はあの二神様だぞ!」
「そちらが勇者を出そうと、二神様のお力があれば!」
「兵の数では勝っているんだ!負けるわけはない!」
一歩が現れた戦場では帝国兵は逃げ始めたが、そうでない所は構わず戦いが続く。
「期待はしていなかったが無意味だというのか・・・」
一歩は背中に担いでいる聖剣を掴む。
そして帝国兵が集中していない隙間を探す。
『これは警告だ!!帝国兵よ、死にたくなければ退け!!』
一歩の体に光が集中する。
そしてそれは聖剣へと凝縮される。
「はぁっ!!!」
一歩は聖剣を振り下ろすと剣の衝撃と光が混ざり合い放たれる。
それはとても大きな光の線と言っていいだろう、戦場の帝国がいる方へ目掛け光の線がどんどん伸びる。
その威力と神々しさに戦っているものは、その手を止める。
光の線は徐々に弱くなると消えていく。
光が消えると、大きな声が上がり帝国兵は後ろへ下がっていく。
「化物だ!!」
「あんなの人間技じゃねぇ!」
「あれと戦えるわけないだろう!!」
帝国兵が逃げ始めると今度は王国の兵がそれを追いかけ前線はどんどん前へ進む。
しかし一歩は帝国の本陣に二神がいる事を知っている。
「駄目だ、みんな!前へ行くな!!」
この大逆転に、王国兵は興奮し一歩の声など聞こえていない。
一歩は仕方なく最前線を追う為に、駆け出していく。
「ぎゃああっ!」
「やめろぉぉ!」
前方、最前線の方から悲鳴が上がり始める。
そして、光の線のお返しと言わんばかりに黒い雷が一歩へ向かってくる。
「くっ、これは!!」
一歩は聖剣で受け止め、雷を流す。
「来たな、一歩!!!」
「二神ぃぃ!」
互いに視認すると、全速力で駆け出しぶつかる。
「一歩ぉぉ!!」
「はぁぁぁっ!!」
二神の黒い雷を纏った拳と一歩の白い光を纏った剣が激しくぶつかる。
その衝撃に知くにいる兵たちは巻き込まれる。
「やっと、、、、やっと貴様をぶっ殺せる!!」
「何でだ!?何故戦争なんかを!それに皇帝を殺して、自分が皇帝だなんて!!」
二神は全身に黒い雷を纏い始める。
その黒い雷のせいか、二神は高速で一歩へと迫る。
「速い!!」
「ははっ!!こんなもんか、お前は!」
一歩は自らの固有スキル【勇気ある者】を発動。
ステータスアップがなされ、二神の速度に追いつく。
「ちぃっ!!」
一歩の聖剣の一太刀を、両腕の雷神の小手で防ぐ。
白い光と黒い雷。
その二つが激しくぶつかりあい、大きな音と光は人々を恐怖させる。
それを見た両軍の兵士達は巻き込まれまいと散り散りに逃げていた。
「ひぃぃっっ!!」
「巻き込まれるぞぉぉ!!」
「死ぬっ、死ぬぅーー!」
その様子を見た、二神は舌打ちをすると帝国・王国の兵士を関係なく黒い雷を撃ち落とす。
「何をする!!?」
二神の虐殺を見た、一歩は激昂しながら二神へ向け聖剣を振るう。
「ちっ、あいつらは自ら戦争を望んだのに、逃げるなんてなぁ!!俺への裏切りじゃねぇか!!」
「裏切りだと!?お前が命令するから仕方なく、参加したんだろう!」
「ああ、そうさ、俺は命令した。けどな、あいつらは行くって言ったんだぞ!?本当に嫌なら逃げればいい!」
「二神ぃっ!!」
一歩はさらに光を溜める、自らの固有スキルによるステータスアップや魔力だけではない。
二神を倒さねばなるまいという思いがSPに反応する。
ピロン
SP操作を習得しました。
無意識のうちに使っていた力、SP。
それを使う事を覚えた。
一歩は魔力を使う感覚と同じくSPを使う。
だがシステムメッセージに気を取られた隙に二神の渾身の一撃が放たれる。
「喰らいやがれ!!!」
黒い雷を纏った拳が一歩の腹めがけて、向かう。
一歩はSPを腹部へ集中し膜を張る。
バリバリバリというものすごい音と衝撃で一歩は吹き飛ばされる。
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