009_初めての修行
俺は手に持つ剣を構え、ハルエルさんへと踏み込む!
ガキンッ
剣はいとも簡単に受け止められ、受け止めたその腕でそのまま後ろへと飛ばされる。
その勢いは物凄く強く、踏ん張りの聞いていない俺は結構飛ばされてしまう。
ボスン
宿屋の裏にある馬小屋に積んである藁に頭から突っ込む。
今のを含めるともう10回は藁に突っ込んでいる。
俺は藁から這い出ると、またふっ飛ばされていいように、散らばった藁を一箇所に集める。
「おいおい、自分の着地地点の心配なんかするなよ」
「いやいや、師匠がまさかこんなに簡単に飛ばされるなんて思ってもなかったですから。今の俺の腕力じゃ、バケ・・・怪物並みの強さの師匠にはしっかりと打ち込む事も出来ないですよ」
「バケモノも怪物も一緒だ、バカタレ!」
豪快だが気さく、そんな印象をハルエルさん…師匠に持っていたが、剣を握った瞬間に師匠の雰囲気を変わった。
俺が初めてこの人を見た時に感じた、鬼という印象はあながち間違っていなかった。
今は指導の鬼そのものだ。
「はぁ、、こうやっててもレベルが上がるわけじゃない。とりあえず今日はこれでいい。あと90回打ち込んだら、晩飯にしよう」
「90回!あと90回もあの藁にホールインワンするんですか!?」
「当たり前だ。お前が俺の反撃に対して、対処を模索すれば良いだろう」
何を言ってるんだ、このハゲは!
と悪態を垂れそうになったが、ぐっとこらえる。
指導の仕方にも色々あるが、この人の教え方は感覚で理解してもらうタイプなんだろう。
自分自信、こういった手合の人間は苦手だが文句を言える立場ではない。
「はぁ、分かりました・・・よ!!!」
俺は師匠へと飛び込みながら、頭をフル回転させる。
何故ふっ飛ばされるのか。
攻撃を受けなければ、、、飛ばされる事はないがそれは無理だ、師匠は俺の剣を自らの剣で弾いた結果、俺をふっ飛ばしてるにすぎない。
力で受けきれば、、、いや無理だな、こっちの方が力が弱すぎて話にならない。
踏み込み位置を変える、、、下手すると、体制崩して切られるかも。
ゴチン
「いってぇーーーー」
剣の柄で思い切り頭を殴られた。
「剣を振るいながら、考え事をするな!」
頭をあげると、そこには鬼がいた。
~~~~~~~~~~~~
もう何回、こんな事をやっただろう。
剣を持つ手にも力が入らなく、足にも力が入らなくなってきている。
「あと10回だな!」
「ふぁ、、ふぁい」
飛ばされた衝撃で口の中を何回か切ってしまって、上手く喋れない。
あとで回復薬なりで、元に戻してくれる手段があればいいのだが。
剣を握りながら、また考え事をする。
イメージする自分の最適な握り方。
振り方。
力の伝え方。
ああ、またホールインワンされるか。
師匠へ向かって、踏み込む。
ガキン
俺は師匠の攻撃を力で抑えるのではなく、攻撃を受けた瞬間にひくような感じにする。
今までとは違う感覚、さっきまでは飛ばされてるだったが今は浮いているという感じだ。
俺は体を反転させて、地面へと着地する。
ザザーッ
「おぉぉーー、やればできるじゃないか!」
「そうだその感覚だ!あと50回だ!」
「へ?」
鬼だ、、、鬼がいる・・・。
日も完全に落ちると、修行は終わりとなった。
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