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第5話 彼女が冒険者になってしまった。

冒険者ギルドに到着し、中に入った俺たちは、楓ちゃんの冒険者登録を行うために受付へと向かう。


「こんにちは、アキハラ様。今日もダンジョンですか?」


受付にはアンナさんが居た。昨日ダンジョンに潜っていたのもあって、アンナさん的には俺がまたダンジョンに行くのだと感じたのだろう。


「ダンジョン!?秋原くんもうダンジョンなんて潜ったの?!いいなぁ〜!」


楓ちゃんが羨ましそうにこちらを見てそう言った。


「あの、こちらの方は…?」


困惑するアンナさん。ちょうどタイミングが良かったため、楓ちゃんのことをアンナさんに説明しておこうと思ったのだが、俺が動く前には既に彼女が動いていた。


「初めまして!私は冬野楓といいます!今日は冒険者の登録がしたくて来ました!よろしくお願いします!」


朝からテンション高めで挨拶する楓ちゃん。俺の主観だが、異世界に来てから楓ちゃんのテンションが高い気がする。これが異世界に興奮しているからなのか、はたまた彼女の素の姿なのか分からないが、どちらにせよ可愛いということに変わりない。


「カエデさん、ですね。初めまして、私はアンナと申します。今後ともよろしくお願い致します。」


アンナさんもご丁寧に挨拶してくれたところで、本題に入る。


「カエデさんの冒険者登録でお間違いないですね?冒険者カードはお持ちでないようですので、カードの方も作らせて頂きます。カード発行料とステータスの検査料など、先払いで合わせて1金貨となります。」


お金を払い終わると、アンナさんが持ってきたステータス計測用の水晶に楓ちゃんが触れる。いよいよこのときが来た。


(楓ちゃんのステータス、どんな感じなんだろうな…)


やはり気になるものは気になる。楓ちゃんは高校ではバスケ部でスタメンだった為、運動神経は抜群だろう。期待できる気がする。


「お待たせしました。こちら、カエデ様の冒険者カードになります。」


俺は楓ちゃんが受け取ったカードをチラ見する。内容は…いろいろと凄かった。


フユノ・カエデ(17)

【所属】ルルク冒険者ギルド(ランクE)

【職業】無し(転職可能:剣兵・魔法使い・弓兵・盾兵)

【体力】B

【筋力】C

【魔力】D-

【知力】A-

【精神力】B+

【敏捷】A

【運】A+

【スキル】言語理解&変換(女神の祝福)、???(女神の祝福)


なんとAが3つあった。


「Aが3個!??ア、アンナさん…これって…」


「相当ですね。恐らく初期の段階でこれだけのステータスを保持しているのは…ふふっ、将来が期待できそうです。」


アンナさん、少しニヤついていなかったか?というか、俺のステータスと見比べてみると…俺が霞んで見えるな。


「なになに!?私凄いの?秋原くん」


「あぁ…凄すぎるよ!」


喜ぶ楓ちゃんを見ると、少しほっこりする。

楓ちゃんのステータスで特に秀でているのはやはり知力と敏捷、そして運だろう。Aではないが、精神力もAに近く、優れている。


「アンナさん、このステータスだとどの職業が良さそうですか?」


「このステータスだと正直なんでも…ですが、知力と敏捷を活かすなら、弓兵でしょうね。しかし精神力、そして幸運値が高いので、大剣を使わないのでしたら剣士もありだと思います。双剣使いを目指すのがいいかもしれませんね。」


「私、せっかくなら近くで戦ってみたいかも!秋原くん、剣士にしてもいーかな?」


楓ちゃん、結構バトルジャンキーである。


「楓ちゃんがやりたい方でいいよ。それに、剣士だったら俺の魔法使いとも相性良さそうだし。」


「やった♪♪」


そんなこんなで、楓ちゃんは双剣使いになった。ついでにステータスの表記もちゃんと剣士から双剣使いに変わった。

どうやら、選択肢として出てくる職業とは一致しないが、類似するものでなりたいものがあった時、ステータスの適正があれば選択できるらしい。隠しステータスみたいなものだろうか。

とりあえず、一通り手続きが終わった、楓ちゃんもステータスが高いためEランクからの始まりだそうだ。楓ちゃんもダンジョンに挑めるので、2人で相談し、ダンジョンを目指すことにした。


(後は…)


手元を見てみると、昨日手に入れたスキルブックがあった。今日使おうと思っていたものだが、いろいろあって忘れかけていたな。


「ダンジョンに行く前にスキルブックを使っておきたいんですが、使い方を教えて頂けませんか?」


実のところ、使い方が分かっていない。変に失敗したくもないし、困る前にアンナさんに聞いてみた。


「ふふっ」


あれ。何か変なことでも言ってしまっただろうか。アンナさんが笑っている。


「面白いことを聞くんですねアキハラ様。大丈夫ですよ。スキルブックは開けるだけで使えます。そうですね…開けると勝手に知識と使い方が入ってくる感じです。まるで、最初からあったかの様に。まぁ、感覚は職業を選んだときに得られるスキルと同じですね。とにかく開くだけで大丈夫です。」


「ははは…ありがとうございます。よかったら今使ってみてもいいですか?」


「はい。別に構いませんよ」


「スキルブックなんてあるんだね!何が出るかな?楽しみだね!」


(楓ちゃんは謎にうきうきしてるな…。とりあえず試してみるか。)


俺はスキルブックを開けてみる。開くとスキルブックは一瞬光り、そしてその後パラパラと消えていった。ちなみに塵一つ残っていない。


「どう?なんかいい感じの貰えた?!」


「貰えたよ。良いものかは分からないけどね。【鑑定】ってスキルだよ」


そう、俺が貰えたのは鑑定というスキル。生物や無機物など対象の制限なく発動でき、詳しい部分まで見ることは出来ないが、簡単な一面なら把握することが出来るというものだ。ステータスでいうなら、名前と職業くらいは分かると言ったところか。


「いいスキルですね。冒険生活する上でとても有用だと思います。」


アンナさんのお墨付きも貰えたなら安心だろう。


(無事いいスキルを手に入れられたことだし、そろそろダンジョンに向かうとするか。楓ちゃんも加わって新しく挑むダンジョン…。さて…2人だとどれくらい違うのだろうか…)


冒険者ギルドを出て、ダンジョンへ向かう俺たち。戦闘スタイルも新しくなるし…何より、もっと深くの階層に潜ることが出来るだろう。どんな感じになるのか、実に楽しみである。



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【登録後ステータス】


フユノ・カエデ(17)

【所属】ルルク冒険者ギルド(ランクE)

【職業】双剣使い

【体力】B

【筋力】C

【魔力】D-

【知力】A-

【精神力】B+

【敏捷】A

【運】A+

【スキル】言語理解&変換(女神の祝福)・???(女神の祝福)・初級双剣術・初級身体強化・急所突き











秋原くんは気づいていませんが、ちゃんとデートになっちゃってます。

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