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Episode3-4

「結局、3人とも出兵して飛鳥と俺しか生き残れなかった。時代って残獄だよね…….飛鳥も生き残ったと言っても日本に帰ってこれただけでマラリアの高熱で死んだよ」

懐かしいなと、麻也はいうが友人を生き残ったと思った幼馴染が病気でなくなるとはいったいどんな感覚なのか侑人には計り知れないが、最初にあった斐蔵は戦争に行っていないが今回のメンバーは全員戦地を経験している。

 ようやく羽鳥文彦という人間について見えてきたような気がした。暴れていることが基本装備で、本が好きでよく本を読み成績優秀、本人は文系だが理系も教えることができる頭脳を持った文武両道を地で行っていた男だった。

 やんちゃに暴れる一面もあれば静かに本を読んでいる姿もある二面性が強い人物だったのだろう。どちらか一方の猫をかぶったら騙される人もいたのだろうなと侑人は思った。

「俺は就職して1年くらいで海軍に入隊して運よく整備士に配属されて戦闘機の整備を終戦までしていたが、物資不足が尋常じゃなかったことをよく覚えてるよ。戦闘機乗りたちのストレスでよく殴られたり怒鳴られても直す材料がなければどうにもならなかった……が、天は俺に味方していたのか俺は戦争中一度も国外に出ていないんだ。しかも最後は文彦の部隊で整備していた。」

「俺、祖父がパイロットであったことも、当たり前のように今まで会った祖父の知人たちの話に出てきましたが、何一つ知らなかった。海軍兵学校にいたことを祖母に聞いて幼馴染の所崎さんに幼少期を聞き、そこで飛行機乗りだったとあっさりと言われ聞きこ返すこともできませんでした。海軍だから戦艦に乗っていたのかと思っていました……戦闘機に乗っていたということは祖父は特攻で死んだんですか?」 

 侑人が下から見上げるように麻也を見ると、本当に文彦のことを何も知らされていないのかと驚いていた。もしかしたら、孫だけではなく息子にも文彦のことを詳しく教えていなかったのではないかと、麻也は思い始める。

「あの頃は陸海関係なく特攻は行われていたが、文彦は特攻を行わない本土防衛要の戦闘部隊にいたから特攻は一切していない。特攻機を目的地まで掩護する直掩機はしていたけど、日々敵機と空中で飛び回っていたよ。無事帰ってきたと思うと険しい表情で士官舎に帰って行って夜遅くまで明かりがついていたことを覚えているよ」

 羽鳥文彦は戦闘機乗りだが特攻作戦には参加せず、本土防衛戦に徹底した部隊にいたことが今回の門倉麻也の話で分かった。

 斐蔵からは軍人姿の文彦は語られていなかったが、麻也によって軍人としての面も少し見えたような気がした。

「まぁ、俺は軍にいたが下っ端だったからね。軍時代の文彦を知りたかったら兵学校の同期を探せば教えてもらえると思うよ」

 麻也からはそう言われ、お開きとなった。麻也からは同期と言われていたが侑人は明日、羽鳥文彦と兵学校同期に会う予定が入っていた。侑人は予約していたホテルに戻るとさっさと明日に控えて寝ることにした。

こぼれ話

・門倉は軍事工場を落ち、一般の工場で働いていたが1年もせずに海軍に入隊

・門倉が最後同じ部隊で整備をしていたのは、人員投与の際に羽鳥が推薦したから

・羽鳥は本を読むのが好きだが特定のものはなく、手当り次第読みあさっていた。純文学より大衆文学派

・実は禁止されていたようなものも読んでいたとか?

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