歌枠24時
悪夢の夕雲雑談会の後、金音レコさんから連絡が来た。
「ふたりで歌枠やりたいですう。今週中どうですうか?」
そういうのを無茶ぶりというような……
「だめですうか…つらいですう」
やります。やらせてください!
「すでに場所はとってあるですう。ここにくるですう」
というわけで数日後に指定のスタジオに行くことになった。
数日後、スタジオに着いて早々配信が始まった。
「今日は24時間歌い続けるですう」
……そんなの聞いてないよ。聞かない私が悪いのかな。
「その、5曲しか練習できていないのですが」
「12時間を5曲で回してもらうですう。準備してない菜の花さんがわるいですう」
「それは無理では」
「アレンジしまくるですう」
「なるほど」
ところでレコさんは何曲持っているのかな。聞いてみよう。
「金音さんは何曲持ってるんですか?」
「レコでいいですう。1000曲はうたえるですう」
やりすぎでは……
「わたしぃはプロですう。よゆうですう」
プロ意識でできることなのかな。取りあえず歌おう。
「1曲目いきます」
「がんばるですう」
なんか調子くるうなあ。
1曲歌った。
「なかなかうまいですう。次うたうですう」
「あのレコさん」
「レコでいいですう。何してるですうか。次も菜の花がうたうですう」
仕方がないので1曲歌った。
「よろしいですう。さあ次。次もうたうですう」
「さては歌わないつもりかな。レコ。次はそっちの番だよお」
「ばれたですう。24時間見物する計画がばれたですう」
バレたも何もそんなつもりないよね。ボケただけだと思う。
レコさんが歌う。きれいな歌声。FFR屈指の歌姫は伊達じゃない。
ちょっと自信なくしちゃったかも。
「うたうですう。この曲をもう一回。菜の花がうたうですう」
「そんなの無理だって」
「一度聞けばうたえますう。あとで一緒に歌うですう」
こうして、小休止は何度かあったものの24時間私たちは歌い続けた。
配信が終わった後、レコさんになぜこのようなものを企画したのか尋ねた。
「そんなのなんとなくやってみたかったからに決まっているですう」
答えはそんな曖昧な理由だった。
この配信に意味なんてなかった。でも何かが変わった気がする。なぜかそう思った。
「また、なにかでお会いしたいですう」
「じゃあまた今度ね」
24時間配信は疲れた。明日はゆっくり休もうかな。




