邂逅 夢への旅路
生滝守さんだ。初めて見た。
会員制のレストラン。蛇塚さんとSeasonalのチーフマネージャー伊勢名さんが同席している。
「はじめまして。私が菜の花つぼみです」
「…………ひさしぶりです」
「すみませんでした。変な企画に巻き込んでしまい。共演したいと言っているようなものですよね」
「ごめんなさい。私が悪いのです私が」
滝守さんはおもむろに話し出した。
「やめてくれ。俺はそんなこと求めてないよ。じつは……」
じつは。なんだろう。あまり怒ってもないよね。
「……そろそろかなと思っていてね。俺も俺のファンもあの頃より慣れてきてね」
慣れてきた。つまり。
「共演してくれるのですか」
「そういうこと。君の企画は面白そうだからね。良いきっかけになるかもしれない」
そうか。やっぱり滝守さんはきっかけが欲しかったんだ。
「ほかの人に評価されるのはうれしいからね。それが何であれ」
「守さん。許してくれますか?」
「いいよジャノメ。昔みたいにタキモとか呼んでいいからね。つぼみちゃんの企画の後でね」
タキモはダメでしょ。蛇塚さん……
でもわかったことがある。この物語は結局、滝守さんと蛇塚さんの物語だということ。
蛇塚さんのキャラは変わってしまったけれど、2人の関係性は元に戻ったのだ。
私は横から出てきた脇役に過ぎなかった。それでも。
ついに夢が叶うかもしれない。表彰式に来てくれるかもしれない。
今まで頑張ってきてよかった。本当にそう思うよ。
その後の会食は和やかな雰囲気だった。蛇塚さんも笑っていた。
人生は何が起きるかわからない。ほんの少し前まで絶望が私を支配していた。
結果はこんな感じ。運命って恐ろしいなあ。
11月まで頑張らないとね。当然だね。
ここまで読んで頂き有難うございました。これで大きなストーリーは終わってエンディングを残すのみとなりました。ここから先はコメディ多めで行きます。11月に終わることを目指して頑張ります。評価や感想も励みになりますのでお願いします。




