大型企画!最終回
3日目、私は町中をのんびり散策していた。
ボーナスは100万鉛。これだけのお金でどうすればいいのだろうか。
なんとなくビルの大画面を見るとあおばの姿があった。
あおばは歌手になったらしい。とても楽しそうだ。いいな。
人込みから少し路地に入る。するとだれかに呼び止められた。
「菜の花つぼみさんだよね。お金持ってない?」
明らかに怪しい。この人は興武党の蒲地廉さんだ。ニューアクセルは8期あたりから期の呼称をやめている。
「お金をどうするんですか?」
「いま新技術の開発をやっててさ。でもだれも投資してくれないんだよね。もう少しなんだけど」
もう信じるしかない。
「100万全部出します」
「よし、最終調整だ。頑張るぞ」
「手伝います」
この蒲地さんはモノづくりが好きで工作やDIYの動画をよく上げているらしい。
「モノ作りはホント面白いよ。たとえゲームの中でも」
その後ひたすら研究に励むことになった。
このゲームでは1分1日として扱われる。つまり5時間で約10か月になる。この企画は1日5時間を3日で行う。
正直たった30か月で研究を成し遂げるのは厳しい。だからほとんどのライバーは手を出さなかった。
しかし当たれば大きい。なぜなら私たちの報酬はすべて会社の株で支払われるからだ。
今はその株は無価値だ。でももし研究が成功したら?
1位は蒲地さんになる。株が価値を持つから。
そして、残り1時間、あと2か月の時点で研究は成功した。
タイムマシンだ。
「やったよ、つぼみん」
「やったー、れんれん」
すっかり仲良くなっていた。当然だよね。
ついにその株は意味を持つ。汎用タイムマシンが発売されていく。
ほかのライバーが気づいた時にはもう遅い。
1位は蒲地廉。2位は私だ。
こうして大型企画は無事終了したのだった。




