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EP140.水着を買おう!

 ……扉を開けて早々、目の前の光景に俺こと江波戸蓮えばとれんはあんぐりと口を開けていた。

 ……いや、何にそんな反応って今回の白河小夜しらかわさよの格好よ格好……!


 その金髪を編み込みを用いたハーフアップにし、そしてトップスはリボンブラウスを着ているのは……良い、可愛いと思う。

 ただ、問題はボトムスだった。


 ボトムスは、初?デートの……具体的にはEP63の時に購入した黒のフィッシュテールスカートを着用していた。


 それにより、同時に買ったコルセットスカートと同じようにお嬢様のような雰囲気が出てきているが……少し違うところがある。

 あ、ハーフアップが編み込みかそうじゃないかの違いではじゃないぞ。


 一つ目……まず、コルセットスカートと違って全体的にゆったりとしていた。

 それはまあコルセットはコルセットなので当然で……でも、その分お嬢様要素は逆に増えたような気がする。


 二つ目……いや、ぶっちゃけこれが一番大きな違いだ。


 小夜は足にローファーと白のソックスしか他に着用しておらず……前からだと、ふくらはぎから太ももの下部まで見える。

 小夜が珍しく晒すその絶対領域……やばい、語彙力が無くなるほどには、やばい。


 ……正直言うと、コルセットお嬢様小夜よりも、EP63の時のようにフィッシュテールお嬢様小夜の方がストライクだった……

 少しよろけて妹の瑠愛るあに不思議そうに支えられながらも、俺は小夜を見据える。


「服装、とんでもなく似合ってるな」


 いや、マジで俺の語彙力どこいったんだよ!?フィッシュテールの力すげえな!?

 ……こほん。


「そして、服装の割に準備がとても早い気がするんだが……?」


 いや、別に聞かなくてもいいかもしれないが……純粋に疑問に思ってしまった。

 俺が泊まりの準備を終えるまで、約一時間弱……小夜も用意することを考えると、あまりにも早すぎるような気がする。


「ありがとうございます……準備が早いのは、既に私がもう泊まりの用意を終えていたからですね」


 俺の褒め言葉にほんのり顔を染めつつも、小夜はそう言った。

 ……ん?それってもしかして……


 一つピンと来た俺が口を開く前に、小夜は、続きを話し始めた。


「つまり、最初から蓮くんと水着を買う予定でした」


 困ったような笑顔で、お嬢様らしく頬に手を添える小夜……待ってその仕草ヤバい。

 ……こほん……じゃねえよ!?マジ!?


 すると今度は、両手の人差し指を口の前でつんつんと付き合う仕草をする小夜。


「……できれば蓮くんに水着を選んで欲しくて……準備をしたと同時に、メッセージを送らせてもらったってわけです」


 その仕草も可愛いなあ……

 ……じゃなくて、え?マジで?


 ……てか、小夜の水着を俺が選ぶの確定なの!?……頑張れ、理性……


「そういう訳なので、行きましょう」


 小夜がそう言うと……瑠愛と繋いでなかった方の手を握ってきた。

 即座に指と指を絡ませるという羞恥心を駆られる行為をして、俺は首を傾げる。


「……小夜さん、なんで妹である私に嫉妬してるの?」

「ししし嫉妬なんてしていません!」


 ……ああ、なるほど。

 やはり、俺の彼女は可愛いというわけか。


 ……ところでよ、瑠愛。

 可愛いが、お前って出かける時いつもオーバーオールスカートなの、なんでなんだ?





 何故か両手に花の状態で俺は駅前のショッピングモールへと到着し、すぐさま2階にある水着ショップへと着ていた。

 様々な……レディースの水着が色々とあり、自分がここに居ていいのかわからなくなる。


 まあ、俺の事なんて見えてないんだし多分いいんだけどな!

 なんてポジティブに考えても、やはり少し居心地は悪かった。


 しかしそんな悩みも悲しきかな、小夜と瑠愛に引っ張られて強制的に入ってしまった。


「瑠愛さん、一緒に選びましょうっ」

「……でも、サイズが色々と違う」


 ……瑠愛、どこを見て言っている?

 身長が約5cmくらいしか変わらんから、小夜はなんのことか分からなくなってるぞ?


 そんなこんなで、小夜と瑠愛は俺の手を離してそれぞれ水着を選び出した。


「……蓮くん、これとかどうです?」


 しかし早くも、小夜はある水着を一つ取ってきた。

 ……いや、待て待て待て待て!


「それはちょっと……あれなんじゃねえかなあ……!?」


 顔が熱くなり、声が上擦る……いや、そりゃあ当たり前だろう!

 小夜が持ってきた水着は、その海のように澄んだ瞳と同じ色のビキニだった。


 ……いや、一応布面積は胸全体、股部分全体を覆うほどに広くとられているが……小夜の体型にビキニは色々とアウトすぎる……


「……買いますね」

「なんでだよ!?」


 早いな!?よくそんな真顔で決めたな!?

 俺が止める間もなく、小夜は水色のビキニをカゴの中へと入れてしまった。


「兄さん、これどう?」


 さて、今度は瑠愛か……瑠愛の性格的に、ビキニとかは選ばなさそうだが……

 ……うん、平和的だ。


 瑠愛が選んだのは、スカートのついたワンピース水着だ……色は白。

 胸元にフリルもあしらわれており、瑠愛の体型を考えると可愛らしさが上がる方だ。


 眼鏡で落ち着いた瑠愛に似合うか?と訊かれそうだが、瑠愛は眼鏡を外した瞬間清楚系美少女に変わるから絶対に似合うだろう。


「……ナイスチョイスだ。早くそれをきた瑠愛を見てみたい」

「ありがとう、兄さん」


 よしよしと、瑠愛の頭を撫でる。


「……蓮くん、私もワンピース水着は似合うと思いますか?」


 と、後ろから小夜に声をかけられ……その瞬間小夜のワンピース水着を想像する。

 ビキニと同じで色は水色……瑠愛と違った用途で胸元にフリルを……スカートは……どっちにしても似合いそうだな。


「似合うんじゃないか?」


 そう言いながら後ろを振り向くと、頬を膨らませた小夜が……可愛らしい色の水着を持っていた。


 その水着の色はピンクで、胸元にはフリルではなくリボンがあしらわれている。

 下半身はスカートではなくシンプルな形……いや、小夜はどうしてそう色々とセクシーなものを選びたがる?


 ……もう、そこら辺にツッコむのはやめておこう……眼福のことこの上ないし。

 そのため、邪なことを考えずに俺は感想を口にする。


「すげえいいと思う。ピンク色で可愛らしい衣類を着る小夜はやはり新鮮だし……想像すれば誰よりも似合っていそうだな」


 そう答えると、小夜は顔を真っ赤に染めて「ありがとうございます……」と呟いた。

 ……いや、どうした?


「……買います。プールにも何回か行くと思いますし」

「そうか……パターンが多くて、楽しみになりそうだな」

「……でも、私は一つでいいや」


 そう言って、瑠愛は小夜が持っていたカゴに白の水着を入れた。

 すると……後ろの方から、やけにテンションが高い店員の声がする。


「お決まりですか?でしたら、試着をしてみてはいかがでしょう?」


 ……この店員の言葉で、俺がこの後地獄を見ることはこの時知りもしなかった。

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