第10話 炎の女神と突破口
私たちは再びフルール王国へと戻ってきた。
目的はファイヤープリンセスを見つけることだ。
といっても私ものどかちゃんも実際にファイヤープリンセスを見たことは無いからどんな人なのか全く分からない。
シルフィも見たことはないらしいけど、女神の眷属というだけあって女神様のチカラの気配は分かるらしい。
「シルフィ、どう?」
「だめです…。唯さんとのどかさんのいる場所が近過ぎるため分かりません…」
「あ、そっか」
私たちはシルフィと一旦別れてぶらぶらと散歩をした。
それからしばらくすると、シルフィが一人で私たちのところに来た。
話を聞くと、どうやらチカラの気配を追ってきたら私たちのところに辿り着いたようだ。
「ん?あなたたちはもしや、エレメントプリンセスの方たちでは?」
「え?」
振り返るとそこにはお城の兵士さんがいた。
どうやら城下町の見回りをしていたところで見つけたらしい。
私たちは兵士さんに事情を話した。
「話は分かりました。では国王様にご相談されてはいかがでしょうか」
「あ、その手があった」
「唯さん、どういうことですか?」
「国王様にお城に呼んでもらえば確実に会えるでしょ?」
「確かに…」
私たちは兵士さんにお城へと案内された。
そして私たちはそのまま玉座の間へと連れて行かれた。
「三人ともよく来たのう。兵士から話は聞いておる。ファイヤープリンセスを探しておるんじゃとな?」
「はい。ですが私たち、誰もどんな人物か知らなくて…」
「うむ。ではアースプリンセスを訪ねてはどうかな?彼女ならファイヤープリンセスの居場所を知っておるじゃろう」
「でも私たち、彼女がどこにいるか知らないのですが…」
「ん?彼女なら君たちが泊まっていたホテルと同じホテルで暮らしておるぞ」
「そうなんですか?」
「だから一度訪れてみるがよい」
「分かりました」
私たちは国王様にお礼を言い、お城を出てホテルに向かった。
するとロビーにで沙彩さんが雑誌を読んでいた。
「あ、あの子じゃないですか?」
「あ、確かに」
私たちはその子に声をかけた。
「沙彩さん、お久しぶりです」
「あら、二人とも久しぶりね」
「お久しぶりです」
「あの、私は…」
「アクアプリンセスでしょ?」
のどかちゃんが自己紹介しようとすると、沙彩さんはそう聞いてきた。
「な、なんで分かったんですか?」
「それよ」
沙彩さんはのどかちゃんの腕についているブレスレットを指差した。
そういえば沙彩さん、私たちと初めて会った時も、私のフラワーブレスを見て私がフラワープリンセスだって見抜いてたっけ。
「初めまして。私は土田沙彩。アースプリンセスよ。といってもこの前負けてチカラを失ったから今じゃ普通の女の子だけどね」
「え?」
「ちょっと魔王軍幹部を相手に無茶しちゃってね。それで、私に何の用かしら?」
「実は…」
私は沙彩さんにこれまでのことを話した。
「なるほどね。結論から言えば真里奈…ファイヤープリンセスはこの国にはいないわ」
「ええ!?」
「真里奈はフィオーレの町で暮らしてるの。まあ…呼べばすぐに来てくれるとは思うけどね。ちょっと待ってて」
すると沙彩さんはブレスレットに向かって何かを唱えた。
するとブレスレットが輝きだし、声が聞こえてきた。
「もしもーし」
「あ、真里奈?」
「なんだ沙彩か。どしたの?」
「あなたに会いたいって子たちがいるんだけどフルール王国まで来れる?」
「あー、今ちょうどそっち向かってるとこ。あと5分くらいで着くから待ってて」
「はーい」
ブレスレットは輝きを失い、声が聞こえなくなった。
「あの、今のは?」
「え?あなたたち、女神様からエレメントブレスで他のエレメントプリンセスと話せるって聞いてない?」
「あ、そういえばアクア様、そう仰ってました。一応使い方も教わったんですけど、アクア様のチカラが足りなくて使えるようにはなっていなくて…」
「私は話せることは聞いたけど使い方までは教わってないんだよね…」
私の一言に、シルフィがピクリと反応した。
あ、これまたシルフィのお説教タイムが始まりそう。
私は沙彩さんからエレメントブレスを使った連絡の方法を教えてもらった。
その背後ではシルフィがフローラ様にお説教する声が聞こえていた。
フローラ様、ご愁傷様です。
私は試しに教わった方法で沙彩さんに連絡してみた。
するとフラワーブレスの上に沙彩さんの姿が現れた。
「あれ?沙彩さんの姿が出てきた…」
「本来はそうなるんだけど、私と真里奈、みはるの三人は女神様が眠りについててチカラが弱まってるからそこまではできないの」
「なるほど…」
そんなことを話してると、ホテルに一人の女の子がやってきた。
「あ、真里奈ー、こっちこっち」
沙彩さんは手を振ってその子を呼んでいた。
おそらく彼女がファイヤープリンセスなのだろう。
「久しぶり、沙彩。で、彼女たちがあたしを探してるって子たち?」
「ええ」
「で、エレメントブレスをつけてるあたり、あんたらもエレメントプリンセスかい?」
「は、はい。私、フラワープリンセスの佐倉唯です」
「アクアプリンセスの水月のどかです」
「あたしは『火野真里奈』。ファイヤープリンセスだよ。よろしく。それであたしに用っていうのは?」
私は真里奈さんにこれまでのことを話した。
「なるほどね。実は聖火のランタンはあたしもちょうど探してるとこなんだ。ただ、盗賊団に盗まれたってこと以外に手がかりが無くてね…」
「例の?」
「うん。盗賊団は逮捕されたけどお宝のありかを全然言おうとしないし警察も聞き出すのを諦めかけてるからそっちには期待できないから自力で探すしかないんだよね…」
「あのー…」
真里奈さんと沙彩さんが話してるところにのどかちゃんが割って入ってきた。
「どうしたの?」
「バブルアイランドにいた時、妙な気配を感じた洞穴を見つけたんですけど何か関係あるでしょうか…」
「どこ!?」
真里奈さんと沙彩さんはのどかちゃんに迫った。
「バブルアイランドの海辺に…」
真里奈さんと沙彩さんは顔を見合わせた。
「行ってみよう」
「でも私は…」
「分かってる。ガイア様が目覚めてアースブローチを貰えるようになるまではゆっくり養生してな」
「ごめんなさい…」
「じゃあ唯、のどか、行くよ」
「は、はい」
私たちは真里奈さんと一緒に再び詩織さんの船でバブルアイランドに渡った。
そしてのどかちゃんは私と真里奈さんを洞穴に案内した。
「シルフィはここにいて」
「え?ですが…」
「ここに入れば私たちは袋の鼠になるから、シルフィにはここを守っててもらいたいの」
私の言葉に、シルフィは頷いた。
そして杖を構え、誰が来てもいいように身構えた。
私たちはエレメントプリンセスに変身し、シルフィを置いて洞穴に入った。
中はすごい臭いが漂っていた。
それはまるで男の人がたくさん乗る夏場の電車内みたいな臭いだった。
「うっ、くっさ…」
「これはきついね…」
「だ、大丈夫ですか?二人とも」
「あ、ああ、なんとかね」
「うぷっ」
「唯ちゃん!?」
私はその場で地面に手をついて吐いてしまった。
しかもそのせいで臭いはさらにきつくなり、ついにのどかちゃんと真里奈さんも吐いてしまった。
私たちは一旦洞穴を出た。
「ど、どうしたんですか!?」
シルフィは吐いてげっそりした私たちを見て驚いていた。
「に、臭いがやば過ぎて一旦帰ってきた」
「シルフィさん、マスクとかあります?」
「流石に持っていません。ですが嗅覚を一時的にシャットアウトするポーションなら作れますよ」
「うっそ…」
私たちはシルフィの言葉に膝から崩れ落ちた。
やばい臭いを感じ取ってすぐに戻って頼めば良かった。
私たちはシルフィにポーションの調合を依頼し、しばらく休むことにした。
2時間くらいして、シルフィが小さなビンを3個持って私たちのところに来た。
「こちらがポーションです。ただ、このポーションは20分しかもちませんので急いで下さい」
「分かった」
「それと…あ…」
私たちはシルフィからポーションを貰い、再びシルフィを置いて洞穴へと入った。
「凄い。あれだけしてたやばい臭いを全く感じない」
「本当だね」
「じゃあ奥に進むよ」
「はい」
私たちが進んでいくと、広い空間に出た。
そしてそこには3つの道があった。
「何があるか分からないから三人で順番に行こう」
「はい」
私たちは一番右の道へ入った。
すると一番奥には広い空間があり、地面にはいくつかの小さな穴が開いていた。
「ここはトイレかな?」
「そうみたいだね」
真里奈さんは穴の中を覗きながらそう返してきた。
あの人、意外と度胸あるなぁ…。
私たちは来た道を戻り、次の道を進んだ。
すると奥には広い空間があり、その奥には厳重そうな扉があった。
「この奥からフレイア様のチカラの気配がするね。たぶん聖火のランタンはこの奥だよ。とにかくこのドアを開ける方法を考えないとね」
私たちは周囲をくまなく捜索した。
しかし、手掛かりとなりそうなものは何も無かった。
「ダメだ。何も無いね」
その時、どこからか足音が聞こえてきた。
「やばい。誰か来た!」
私たちは咄嗟に周囲の物陰に隠れた。
その直後、盗賊の風貌をした男が歩いてきた。
「全員は捕まってなかったみたいだね」
「でも好都合じゃないですか?真里奈さん」
「まあね。あと今はファイヤープリンセスね。フラワープリンセス」
「あ、はい」
男は扉の前で変なことを言い出した。
その声はあまりにでか過ぎて私たちのところにも聞こえてきて、私たちはその内容にドン引きしてしまった。
すると、扉が大きな音を立てて開いた。
どうやらあれが合言葉らしい。
「あれが合言葉とか趣味悪過ぎでしょ」
「意外と盗賊団の首領の趣味だったりして」
私たちは男が中に入って行くのを確認し、こっそりと扉の前に近づいた。
そして中を覗くと、山のようなお宝が置かれていた。
「まさかこんなに集めていたなんてね…」
「捕まえます?」
「そうしたいのは山々だけど捕まえたところでエアリアルまで連れて行けないでしょ」
「あの、沙彩さんに連絡して警察をこちらに送ってもらっては?」
「なるほど。アクアプリンセス、ナイスアイデア」
真里奈さんはファイヤーブレスで沙彩さんに連絡し、警察の派遣要請を依頼した。
沙彩さんは快く了承して通話を終えた。
「誰だ!」
どうやら声が聞こえていたようだ。
まあ沙彩さんは声を抑えていなかったから当たり前か。
私たちは再び物陰に隠れた。
しかし、男は私たちのいる方にまっすぐ向かってきた。
どう見ても絶体絶命だ。
その時、入口の方から声がした。
「侵入者だ!エルフの女が侵入してやがるぞ!」
それを聞いて男は外の方へと走って行った。
私たちはお宝がある部屋に入った。
「あった!聖火のランタンだ!しかも風の宝玉と大地の結晶まで…」
真里奈さんはランタンを持ち、大きな玉を私に、大きな結晶をのどかちゃんに渡した。
そして私たちはこっそりと外に向かって走り出した。
分岐のところまで戻ってくると、シルフィが天井のロープに両手を縛られて吊るされていた。
そして一人の男がシルフィの服に手をかけようとしていた。
「あたしに任せて」
そう言うと真里奈さんは弓を引き絞り、男の腕に向けて矢を放った。
矢は男の肘下辺りに刺さった。
さらに男はその場に倒れ込んだ。
「あの矢の先には痺れ薬を塗ってあるからあいつはしばらく動けないよ」
「す、凄い…」
真里奈さんは周囲の男たちに向けて次々と矢を撃ち込んでいった。
矢は全て正確に男たちの肘下辺りに刺さり、男たちは次々と倒れ込んでいった。
「フラワープリンセス、あの子のロープに向かって火の魔法を撃って」
「分かりました」
私は杖を構え、シルフィを縛ってるロープを魔法で焼き切った。
シルフィはそのまま地面に足をついた。
私たちは麻痺して動けない男たちを縛り、外まで引きずって行った。
外に出ると、沙彩さんと警察が待機していた。
私たちは男たちを警察に引き渡すと、警察は船に男たちを乗せた。
そして洞穴の中に突入して行った。
「いやー、危なかったね。そういえばシルフィちゃんだっけ?なんで捕まってたの?」
「実は私、フラワーブレスを通して中の様子を音で確認していたんです。そしたら『誰だ』って声が聞こえてきたので、わざと私が囮になって引きつけたんです。ですが思ったよりも数が多くて、逃げ切れずに捕まってしまったんです…」
「そうだったんだ…」
その時、嗅覚が戻ってきた。
「あ、ちょうど切れたみたい」
「あと少し遅かったらあのやばい臭いをまた嗅ぐところだったね」
「あの、三人とも大丈夫ですか?」
「うん。私たちは誰も怪我とかしてないよ」
「そうではなくて、お手洗い…。あのポーション、効果が切れると一気に尿意が襲ってくるので…」
シルフィがそう言った瞬間、私たち三人は強い尿意に襲われた。
私たちは急いでマリン王国へと向かった。
しかし、私はマリン王国の入口近くで限界を迎えてしまい、漏らしてしまった。
対してアクアプリンセスと真里奈さんはそんな私に気付く様子もなく、城下町の公衆トイレへと駆け込んで行った。
私は泣きながらその場に座り込んだ。
そしてそこに遅れてシルフィが走ってきた。
「あっちゃー…間に合いませんでしたか…」
シルフィは泣きじゃくる私と私の下の大きくなっていく水溜まりを見てそう呟くと、私の頭を撫でてきた。
それから少しして、アクアプリンセスと真里奈さんが私たちのところに走ってきた。
「あちゃー、やっちゃったんだ…」
「フラワープリンセス、立てます?」
「ぐすっ…うん…」
私はシルフィの手を借りて立ち上がった。
すると真里奈さんはタオルを取り出し、脚を拭いてくれた。
そして私たちは城下町のホテルに行った。
部屋に行くと、シルフィは私の服を脱がせ、自分も脱ぐと一緒にお風呂に入ってくれた。
「フラワープリンセス、ごめんなさい。私が渡す前にちゃんと説明していればこんなことには…」
「ううん。私がシルフィの話を聞き終える前に飲んで行っちゃったせいだから…」
シルフィは私の下半身を丁寧に洗ってくれた。
「私、パンツどうしよう…」
「あ…」
エレメントプリンセスに変身すると服は全て変わる。
しかし、下着だけはそのままなのでもし下着にダメージが及ぶと変身を解いてもダメージを負ったままになってしまうのだ。
そして今、私は替えの下着が無い。
「そこは大丈夫です。私のを貸しますから」
「でもそんなことしたらシルフィのが…」
「私は魔法の鞄でエルフの里から自分の服を引っ張り出せるので」
「そうなんだ…」
私たちは石鹸を流してお湯に浸かった。
「そういえばシルフィと一緒にお風呂入るの初めてじゃない?」
「確かにそうですね」
私たちはしばらくお喋りをしてからお風呂を出た。
そこにはバスタオルと下着が置かれていた。
「あれ?これさっきの…」
私の下着と衣装は綺麗に洗われ、乾かされた上でタオルと一緒に置かれていた。
私たちは下着と服を着て部屋に戻った。
すると真里奈さんもファイヤープリンセスに変身していた。
「ねえ二人とも、私の服と下着、洗ってくれたの?」
「洗ったのはアクアプリンセス。あたしはそれを乾かしただけ」
どうやら二人は自分のエレメントのチカラを使って私の服と下着を綺麗にしてくれたらしい。
私は二人にお礼を言った。
するとファイヤープリンセス立ち上がり、私とシルフィの髪を乾かしてくれた。
「ありがとうございます」
「気にしないで。それよりも…」
ファイヤープリンセスは聖火のランタンを取り出した。
「じゃあ、フレイア様を一度起こすよ」
ファイヤープリンセスは聖火のランタンを掲げた。
「炎の女神フレイア。今こそ目覚め、我等を導きたまえ!」
すると足元に魔法陣が現れ、強い光を放った。
そして光が収まると、目の前には美しい女性が立っていた。
「我は炎の女神フレイア。我を呼び起こしたのは誰だ」
「お久しぶりです。フレイア様」
「ファイヤープリンセスか。あの日以来だな」
「はい。あれからもずっと戦ってきましたが、すでにエアリアル以外は魔の手に堕ちてしまいました」
「なるほど。残るはフローラのみというわけか」
「申し訳ございません。私たちが未熟だったばかりに…」
「気に病むことはない。とにかく今は協力して我々を目覚めさせることを考えるのだ」
「はい」
「そしてそこの二人の戦姫たちよ」
「は、はい!」
するとフレイア様は私たちに近づいてきた。
「ほう。フローラとアクアのチカラを持つエレメントプリンセスか」
「はい。あ、あの、聞きたいことがあるのですがよろしいでしょうか」
私は緊張しながらもフレイア様にそう言った。
「聞きましょう」
「ありがとうございます」
私は皇帝メイルのことについてフレイア様に質問をした。
「あやつか。確かにあやつのチカラを考えるとフラワープリンセスはかなり不利だな。かといって魔封の霧を使われてしまえばアクアプリンセスだけでどうにかなる相手でも無かろう」
「そうですよね…。何か突破口があれば良いんですが…」
「まあ…強いて言えばあいつは水に弱いってとこかな…」
「はい!?」
私たちはフレイア様の一言に思わず声を上げてしまった。
つまり水が弱点なのに水の女神が守護する場所を支配してるってこと?
仮に本当なのだとしたら意外とアホな気がする。
「アクアプリンセスよ。そなたはアクアから水魔法をいくつか教わっておるだろう?」
「はい」
「奴と対峙したら『シャイニングスプラッシュ』という魔法の使うのだ。あの魔法は広範囲にアクアの加護を受けた聖なる水を撒く魔法で、あれを使うと奴は魔封の霧を使えなくなるんだ」
「そうなんですか?アクア様に教わった時は辺りに靄が発生しただけだったんですけど…」
「それはお主が未熟だったためだ。きちんと練習をすれば聖なる水の雨を降らすことができるようになる」
「分かりました。頑張ります」
「それとファイヤープリンセス。あなたのチカラを回復しておきましょう。我を完全に復活させるために精進してくれ」
「もちろんです」
フレイア様は姿を消した。
シルフィの話だと、こういうアイテムを使って女神様を起こした場合、そんなに長くは起こしていることはできないらしい。
「さて、突破口は見えたけど…」
私たちはアクアプリンセスを見た。
「全てはアクアプリンセスがさっき言ってた魔法をマスターしないことには始まらないってことだよね?」
「そういうことになりますね」
「じゃあアクアプリンセスは魔法の練習。私たちはそれまでこの王国に来る魔物の討伐かな?」
「そうだね。あ、それと今日からあたしも一緒に戦うから、よろしくね」
「よろしくお願いします」
こうしてファイヤープリンセスこと火野真里奈さんが私たちの仲間に加わった。
ファイヤープリンセスは主に剣と弓で戦う戦士らしい。
もちろん魔法は使えるけど、普段は物理アタッカーとして動いていたらしい。
魔法でしか戦えない私とシルフィ、そして剣と魔法のハイブリッドのアクアプリンセスしかいなかったからここで物理アタッカーが増えてくれるのはすごく嬉しかった。
そしてアクアプリンセスは天界へ行き、修行に入った。
その間、私たちはマリン王国に来る魔物をひたすら倒し続ける生活を始めた。




