リベンジマッチ
若干のサブタイトル詐欺。
「あーずさっ★」
真っ黒な笑みを浮かべ俺の胸に飛び込んできたのは、小さな親友ギンだ。クロノスのせいで入れ替わり、あと二日はそのままらしい。
あんな事件があったからか、全魔権は一時これが終わるまで中止らしい。
「ヤヨイ、その子供から離れろ」
あのあと開口一番にそう言い放ったレギオを見て、俺はまさしくこの男が本物のバカではないかと頭を抱えそうになった。
「レギオ、君がどういうつもりでそう言ったのかは知らないが、ギンは無闇矢鱈に暴れるような奴じゃない」
「だとしても!そいつは危険だ。魔族を一瞬で葬り去ったんだぞ!?『狂戦士』がやったと新聞には書かれていた。あの人じゃない!」
「ちょっと黙って」
サイレンスをレギオにかけ、ギンは無邪気に微笑んだ。
「レギオさんとやら、俺が弱かったってホント?」
「……ああ」
にぱっと笑って彼はこの場を収める言葉をさらりと口にした。
「じゃあそれ僕じゃない。絶対ないって」
そう、こういう時の解決策。自分であったとしても、それが同じ時間軸で無いところから引っ張られて来ていたなら、同じ遺伝子などなどを持ちつつ、彼は同じ人物ではないことになる。
才能はあれど、その環境次第で如何様にも変容していく、それこそが人の真骨頂なのだから。
「はあ?お前は過去のギンなんだろう、アズサ、弱くなった原因聞いてないのか?」
「生憎いきなり敵意を子供に向けるような人種に教えるようなことは一つたりとも存在しない」
こいつ、バカ?
「ギンであるというなら、どうして金髪じゃないんだ!?大体子供の時強くて、大人になったら弱くなるなんてありえないだろうが!」
「ふわぁあ…うっとうし」
ギンがベッドにダイブした瞬間に、レギオは部屋の外に叩き出されて扉がガチャッと鍵の音をさせた。
「……ギン、君はどちらかと言えば、反則級という非常識が逃げ出すほどの無双っぷりなんだがな」
『お、ギンのちっちゃい頃カ?ん~、寝てたからいまいちスッキリ…ン?お前ギンの素体じゃねぇナ』
ずうっと睡眠をとっていたレムの一言で、空気が固まる。
『うーん、上手く言えないけど、あの時は見えなかった部分が見えるナ。魂が混じり合ってるゼ?』
「お、分かる?」
「じゃあ別人ってことなのか?」
「まぁな。俺だってこんなかわい子ぶりっ子するだけじゃねぇし」
確かにさっきまでの子供染みた態度は吐き気を催しそうだったが。
「ギンってのは魔王の転生した姿だよーーまあ言っても、俺は人間好きの魔王だよ」
『噂なら聞いたゼ。世紀の変人魔王、人に焦がれて…ってナ』
「そうなのか」
っていやいやいや…
「俺は何冷静に対処している!?」
「お~、ずいぶん遅いツッコミだな~」
『アズサ、強く生きろよ』
いや魔王って、おどろきだぞ!?
世紀末の一大ニュースにトップで君臨しても違和感ないからな!?
「……初耳だった」
「そっか。じゃあ、六構築の『リライト』か『イレーズ』で記憶を消されたんだろうな。こっちのギンとは上手くやってた?」
「まあ、親友には、な」
「そっか!あ、ライバルにはなれねーぞ!別の奴いるからな」
「…別の?」
「そ。ーー『勇者』だよ」
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拳がすごい勢いで衝突し、ぶつかり合い、骨が砕け散りそうに痛む。相手も顔を歪めつつ、後ろへ吹き飛ばされる。
互いに間合いの中のまま、後ろへ飛びしさった。
「…ハッ!」
愉悦めいた笑いを漏らして、二人で睨み合う。
手の治療は治癒の構築式が見えないほどの早さで展開し、すでに終えられた。
「余波だけで部下死んでんぞ、馬鹿」
「元々お前の前に来るため集めていた者達だ、構わないよ!」
言葉が終わると同時に地面にクレーターができる。常人なら何事が起こったかと思うほどの速度のそれに笑みを浮かべてギンは飛び蹴りを後ろへ流しつつ、その衝撃を体に一時とどめて、掌底を放つ。
顎が砕けた魔族と衝撃を逃がしきれなで口から血を流す少年。
どちらもじわじわと体力や魔力を消費する。
「ハハハハハハハハハハッ!!いい!実にいい!来やがれ『九頭竜』!」
「ククク、楽しいな、敵よ!殺してやろうーー来い、『天馬!」
そして、戦場で別の殲滅に当たるレオナルド以外に、彼らの巫山戯たリベンジマッチを止められる者などいなかった。
ギ「えー、ちょっとガルドとはしゃぎ過ぎなような…」
作「あ、気づいた?それに戦闘シーンなんか結構面倒で、書いてる途中で飽きて、プロットに要らない暴露書いちゃった★」
ギ「作者…無計画がたたってエタるのはやめろよ?第一これも見切り発車甚だしいぜ」
作「問題ない。卒業は、させてやろう」
ギ「『は』ってのが一番気になんだけど」
次回?そんなもん次話書く時の作者に聞いてくれ。




