第5章第6話〜吸血鬼姉妹〜
広島に着いた俺と林くんと小林くんの3人は先ずこれから世話になるホテルへ向かい出る際に不必要な物を各自部屋に置いていき、それぞれ武器が入った袋を持ってまた合流して外へ出る。
「にしても路面電車で県内の殆ど行けるなんて俺初めてみたぞ」
林くんがぼやいた、広島県は街中に路面電車が設置されており殆どの地域に行くことができるらしい。移動の手間が省けるのは凄いことだ。
「俺は九州で結構見たり乗ったりしたからな」
「一応北海道にも路面電車ってのはあるんだけど一部だけしか行けれないからね、無理もないよ」
などと話しながら観光をしている、最初は建物の場所や地形を理解するために観光をしているのだ、決して仕事で楽しめないからせめて観光ぐらい自由にさせてくれなんてことではない、うん、とりあえず牡蠣食べたいから牡蠣屋にご飯に行った。
「牡蠣美味すぎる、もう帰っても良いかもしれん」
「えぇ…まじかよお前…」
「俺は普通だったけど、そこまでじゃないな…」
牡蠣屋に入って食べた俺達は牡蠣の素晴らしさに脳が破壊された(主に俺だけだが)小林くんもそれなりに食べたんだけど林くんは全然食べなかった、曰く、
「食感と見た目無理だ」
らしい、こんなに美味しいのに…そんなこんなで俺達はまずここら付近で向かったのは大手町というところだ、ここは本通りや八丁堀という東京でいう新宿みたいなところに近い地域に向かった。
「うーん…大手町に来たはいいが、情報がないな…」
「本通りに行ってみる?人がかなり多いから情報こそ多いとは思うけど…」
「いや、ここじゃなくて反対側の宇品ってところに行こう。」
そうして俺達は1時間半近くかけて宇品に着いた、ここは港になっているらしくフェリーが通るらしい、本当に移動手段多いな。そうこうして宇品港に着き、その近辺を歩いていると。
「あのー…」
不意に背後から声をかけられ、振り返ると見た目は長い銀髪をストレートに、そして黒をメインに赤のラインを所々に引いたドレスのような服を着た一つか二つ年下の双子の少女がいた。
「どうかしましたか?」
困惑しながらもとりあえず俺が聞いてみる、少女達はオドオドしながらも喋る。
「その…あっちの広場の方に…」
「なんか…変なのがいたの…」
そう言うと2人は広場の裏の方を指差していた、俺達はその方向を見ながら、互いに顔を見合わせ、あの近辺にいるのだろうと頷く。
「分かった、ちょっと待ってて」
そう言うと俺達はその広場の裏の方へ向かっていった、向かう途中微かな疑問を頭の中をよぎったがそれを振り払いながら向かう、辿り着いたは良いもののそこには妖怪どころか、マナの残滓すら微塵に感じ取れなかった。
(何か嫌な予感がする…!)
俺がそう思うと同時だった、俺らの空中から周囲に黒い剣が無数に落ちてきた。
「誰だ!」
林くんが十字槍を構え、声を上げると俺と小林くんも刀とライフルを構える。しかしそこには先程の双子の女の子が立っていた。
「ふふふっ…」
「あははっ…」
「お前ら…どういうつもりだ?」
小林くんが不気味に笑っている2人に問いかけながら照準を合わせる。
「いやいや…これは歓迎ですわ…」
「なにしろこれが私達のおもてなしですから」
そう言うと2人の背中から悪魔のような翼が生え、口からわざと見えるように八十歯…いや牙と言った方が正しいだろうを見せつけ、片方が槍を持ち、もう片方が大剣を手に取った。
「初めましてハンターの皆様、私は吸血鬼、アイリスと申しますわ。」
槍を持った少女がスカートの裾を摘むようにする姿は敵ながら見事ではある。
「そして私がその妹で同じく吸血鬼、アリスですわ」
そうして大剣を持った少女も覚束ないながらスカートを摘むようにする。
「はてさて、私達、今とても喉が渇いておりますの」
「ですので、貴方方の血を、吸わせてくださいな」
吸血鬼姉妹はそう言うと槍と大剣をこちらに向ける。




