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手術翌日

 2日目


 朝はジュースとスープの朝食だったがとても食べられなかった。 

眠気と吐き気が同時に襲ってくる。起き上がるどころか、横を向くだけでも吐き気が襲ってくる。

胸にはきつく晒のように包帯が巻いてあった。痛くて、熱い。

ものすごく分厚い焼けただれた石版が載せられているような感じだ。

そっと触ってみると、感触もカチカチだった。平たく硬い。


 午前中、夫と息子が来てくれた。 小さいぬいぐるみを持って。嬉しくて、元気が出てくる。家族の愛情が一番の回復薬だった。

病院の中で売っている小さいぬいぐるみを手術や入院の度に買ってきてくれるようになった。


 吐き気もだいぶ止まってきたのでランチを食べてみる。

ランチと言ってもクリアビーフコンソメ、ゼリーを一口、グレープジュース一杯。力が湧いてきた。アイスティーにお砂糖を入れてもらって飲む。ものすごく回復していくのを感じた。食事の力はすごい。

それ以来すっと立ちあがれるようになり、トイレにも歩いていける。

昨夜とは全く違う。1日でこれほど回復するものだろうか? 食事の大切さを改めて知る。


 夕食もチキンコンソメやゼリーそれからパイナップルジュース。完食出来た。

「固形のもの食べられそう?」と聞かれたので「もう食べられそう」と言うと、なんと肉が出てきたので驚いた。すごくアメリカらしいと思った。

 硬いご飯3口、肉1切れ、グリーンビーンズ2本パン一口を食べられた。それを記録しながら

「食べられるから明日は退院ね」といった。


3日目 退院


 まさか3日で退院できるとは思わずびっくりだ。

手術前に買っておいたかぶるタイプのワンピースをなんとか着た。左腕は全く上がらない。 

最初の日は吐き気がひどく足にまいて自動で膨らむサーキュレーションも嫌だった。なによりも2時間おきに起こされるので、家に早く帰りたかった。

ただ、帰るのは家ではなくホテルだ。入院直前にワイキキにあるホテルから基地の中の長期ステイの施設へ移ることが出来た。ここはキッチンも付いているので闘病にはこちらのほうがうんと良い。

胸にはがっちり広い包帯が巻いてある。さらしのようだ。 


 胸の下からチューブが2本出ている。ここの先にプラスチックの容器がつていて、体液が貯まるようになっている。これを毎日記録して中身を捨てる。

夫が食事の用意から薬、息子の世話と全部してくれていた。特別休暇のような扱いだった。

帰った日の夕食にご飯を炊いてくれて味噌汁を作ってくれてことは忘れられない。やはり私のソウルフードだ。あっという間に元気になる。

そして息子に勉強を教えたり、夜はルーンスケープというオンラインゲームを一緒にやっていた。 コンピューターの中のキャラクターだが、親子一緒に冒険をしていた。

手術や入院の間に親子の絆が強くなっている感じがした。いろいろな話をしたのだと思う。夫はどう説明したのだろうか?


 私はベッドでテレビを見たりして過ごす。うつらうつらしては、はっと目が覚める。夜まとめて眠れなかった。

Oxycodoneオクシコディーンという強い痛み止めを4,5時間おきに飲んでいた。

1日5回位だったが朝が一番痛く2錠飲んだ時は全身がしびれてうまく息ができなかったので1錠にしていた。かなり強い薬なのだろうと思う。


挿絵(By みてみん)


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