オークキング
サブタイトルに二日悩みました(笑)
森に入ってから、約3時間が経過したが、オークとゴブリンとスライムしか出てこない。
たまに、亜種でソードが名前にあるやつが出てくるが、弱くて仕方ない。
「弱すぎだろ、魔物」
「確かに、もう少し強い敵が来てほしいね」
舞亜も同意見だった。レベルも殆どが、2や3が大半だし、たまに居ても4~7くらいなので、僕たちのステータスで瞬殺出来てしまう。
「もう、この辺りじゃ試せる敵が居なくなったな」
僕は次元魔法を使い、周囲を確認しているが、強い魔物は存在していなかった。
「もっと奥に行かないと駄目かしら」
舞亜も魔法が試せる敵が少なくなり、暇そうだった。
だから僕は、さらに奥まで魔法を使った。
「何か、レベル高いのが1匹いる」
「レベルは?」
「27」
この辺りは、せいぜい10くらいが一番高いレベルと聞いていたが、27は異常だ。
「次は、そいつ?」
「あぁ、20超えに、どれだけ戦えるか試したい」
「ちなみに名前は?」
「オークキングだな。近くに取り巻きのオークやゴブリンが、大体50匹いるな」
僕は、オークキングがいる森の奥へと歩いていた。舞亜も一緒に、さくさくと森の奥に歩いたら。
ある意味、ステータス頼りの速度で目的地に着いた。
「こんなにいると、キモいしか出てこないよ」
「同感よ。お兄ちゃん」
見渡す限り、ゴブリンとオークだらけ、一番奥に座ってる奴がいるが、あれがオークキングだろう。一応《鑑定》で見てみるが、
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『オークキング』 性別 オス
レベル27
HP: 800/800
MP:100/100
スキル
《腕力強化》Lv3
《棒術》Lv3
《炎魔法》Lv1
《威圧》Lv2
ユニークスキル
《精力増強》
《一撃爆剛》
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色々とツッコミたい、スキルが有るが、概ね予想より強い魔物だ。
絶対に《威圧》は欲しい、使い処が満載だろ。あれは奪うのが確定として、舞亜の方を見てみる。
「お兄ちゃん、絶対に取るべきスキルがあるわ」
どうやら、舞亜も鑑定を使い、見たらしい。
「そうだな、舞亜は取り巻きたちを頼む」
「えぇ、任せて」
僕らは行動を開始した。
舞亜はオークとゴブリンの群れの付近にいた。
「さて、少しやってみたい事を試してみましょう」
舞亜は、そう言って、自身の魔力を高めていた。その全てを完璧にコントロールしていた。
「合わせ技……、いえ、複合魔法かしら?ーー《複合魔法》雷風」
そして、舞亜の周りに風が吹き、その風に乗り、雷が魔物達に襲いかかる。
「グォォォォ!」
「グギャァァァァ!」
魔物達の悲鳴があがり、そこには黒焦げの何かしかなかった。
「はぁ、もう少し耐えるかもって思ったのに退屈。お兄ちゃんの方に行こうっと」
僕は、オークキングの前に居た。近くにいた側近らしきゴブリンやオークの首を風魔法で落とし、踏みつけながらオークキングに近づいた。
「ガァァァァァァ!!」
オークキングが棍棒を降り下ろした。僕は、それを避け、体勢を低くして足に蹴りをいれて、オークキングを転ばし、腕を掴んだ。
「腕一本、貰うぜ」
僕は、オークキングの腕を引き千切った。引き千切った部分は、ぐにゃぐにゃしていてキモかった。
「スキルは全部奪わせてもらうぜ」
強奪っ!!
僕の中にスキルが入ってくるのが分かった。強奪成功っと、後は、経験値を頂いて終わりだ。
「せめて、一撃で終わらしてやるよ」
僕は、オークキングの顔に全力で右ストレートをぶつけた。
グチャッっと音がしたが、相手が絶命したのを確認したら、腕を抜いた。
ーー感触は気持ち悪かった。
「駄目だな」
「何が?」
「うわっ!!」
いきなり、舞亜が横にいた。
「ビックリするだろ舞亜」
「ごめんなさいね、お兄ちゃん♪」
全く悪気のない笑顔で舞亜は謝った。
「スキルは全部奪えたよ」
「そう、良かったね♪」
「だけど、頭を殴ったのはミスった」
だって、殴った感触が気持ち悪かったからだ。マジで気持ち悪い。
「何でか《精力増強》まで奪ってしまったんだよな」
別に欲しくないスキルを手に入れた気持ちは微妙だ。使う相手もいないし。
「…………そっちも、ちゃんと取れたのね。ふふ、良かった」
舞亜が何か独り言を喋っていた。ただ、嬉しそうに笑っているから良いことだと思い、僕は舞亜から周囲に意識を拡げた。
「近くに魔物はいないな」
「そろそろ、お昼だし、戻る?」
「そうだね。流石にお腹が空いてきたよ」
僕たちは、またもステータスに物を言わせ、宿まで戻った。
「少し疲れたよ」
「だね」
僕たちは宿で簡単なものを作ってもらい、昼を過ごしていた。
僕は、ステータスを見ながら、はぁ~、と溜め息をついた。
「どうしたの?」
舞亜が、僕の溜め息を聞いて、首を傾げながら話しかけてきた。
「レベル27のオークキングを倒したんだが、レベルアップしてないんだよ」
そう、僕が溜め息をついた理由は、レベルアップがしなかったことだ。
そしたら、舞亜も、
「私もよ、お兄ちゃん。群れを大半潰したのに、レベルアップは無かったわ」
どうやら、舞亜の方もレベルが上がらなかったらしい、流石に3か4くらいは上がるかと思ったが、宛が外れた。
僕は魔物の魔石を一つ取り出し、それを弄りながら、舞亜の方を向いた。
「この魔石を売りにいくか」
「そうね。お金を持てる時に持っておくのは良いことね」
僕達二人は席を立ち、魔石を売りにギルドに向かうことにした。
今日も2話投稿です。
また、明日も更新する予定です。
では、また、明日